こんにちは。サンキャリア代表の田村です。
本日は日本企業が外国人労働者を雇用する上で、求人募集の一つの選択肢となる外国人社員専門の人材紹介会社の選び方やポイントについてお話していきたいと思います。
日本に滞在している外国人が所持している在留資格として多いのは、
➀身分系の資格(永住者、日本人の配偶者等)
➁技術・人文・国際業務
③留学・特定活動等での資格外活動許可による就労
④技能実習生
となります。この中で、④技能実習生に関しては研修先となる受入会社での雇用関係が継続できなくなった場合に転職活動が出来る等、技能実習が途中で嫌になったので転職活動をするという事は認められず、求職者の自発的な転職活動が行いにくい事から本日のニュースでは取りあげません。
外国人社員を専門とする人材職業会社の中には、➀➁③すべての求職者登録を行っている会社や➀➁③のどれかのみ募集しているパターンそれぞれあります。
そのような前提を踏まえて、会社側が良い外国人人材紹介会社を探す際の見極め方をお伝えいたします。下記のような人材職業紹介会社は注意した方が良いかと個人的には思います。
●求職者情報のヒアリングが甘く、外国人求職者の資質や能力が見えない
●求職者への求人票内容の伝達を上手く行っていない
●求人者にとって採用するメリットやビジョンが語れず、外国人雇用が目的となっている
以上の3点となります。詳しく深掘りしていきます。
●求職者情報のヒアリングが甘く、外国人求職者の資質や能力が見えない
これは良くありますが、求人者側の企業に対して外国人求職者を積極的に紹介するものの、肝心な求職者情報の聞き取りがあまり出来ていないパターンです。また、外国人求職者がどのような理由で転職活動を望んでいるかの真の理由が分からず、外国人求職者の資質や能力の情報収集があまり出来ない事が挙げられます。
今までの職歴・キャリアの変遷や学歴、今回転職活動を志望するきっかけ等があまり不透明で、求職者との直接の面談の際に企業側が本当に採用すべきどうか困ってしまう状況が挙げられます。
一般的に、外国人社員を雇用する際にはより具体的な質問を求職者に投げかけたり、会社で働く上でのビジョンや将来の夢を本来深掘りしたりして面接すべきところを、事前の情報収集が無い場合だと上手く求人者側が面接対応が出来ない事がよくあります。
そして最終的には紹介会社の営業担当に押し切られて外国人社員を雇用し、その後すぐ退職してしまったというケースも良くあります。必要な時、疑問に思ったときに都度情報提供をしてくれ、具体的に説明してくれる担当者がいる人材職業紹介会社は信頼がおけます。
●求職者への求人票内容の伝達を上手く行っていない
採用面接が終了して雇用契約を締結したものの、入社後「思っていた労働条件じゃなかった」「労働条件についてしっかりと説明を受けていない」と外国人求職者が企業にクレームを言ったり、労使で労働トラブルになったりする事はよくあります。
外国人社員を雇用する上では、日本人を雇用するのと大きく違う慣習や法律等が多くあるので、まず人材職業紹介会社から外国人求職者に対して、日本の労働法や給与支払い時の慣習、その他母国の労働法と異なるポイントについて簡単にでも説明してもらうことが重要です。
いざ採用面接が始まると雇用契約締結、入社手続き等瞬く間に求人者側は忙しくなるので、願わくば求職者登録の際に細かく日本の労働法等の知識について説明してもらえる紹介会社は良い会社だと思います。
●求人者が採用するメリットやビジョンが語れず、外国人雇用が目的となっている
良い人材職業紹介会社とは、ただ多く求職者を募集・登録し、求人者とマッチングさせるのではなく、求人者側の企業が将来的に考えているビジョンや、社内での人材育成等の計画についてしっかりと理解し、外国人求職者がその会社でどう成長し、どう会社に利益をもたらすかのシナリオを熱く語れる社員が運営している会社だと私は個人的に思います。
紹介会社の営業担当者は、求職者の専門就職アドバイザーかつ、そのキャリアを築く為に求人者側の企業の良い就労環境整備に向けて前向きにさせる役割も果たさなければなりません。
紹介会社とのファーストコンタクトの際に、外国人雇用をする事での具体的なメリットや将来的に予想できる求人者側の事業ビジョンまで踏み込んで語ってもらえるかを判断基準として面談してみると良いかと思います。
本日は外国人社員専門の人材紹介会社の選び方やポイントについてお話させて頂きました。
日本人社員と異なり、外国人社員に直接リーチする事は難しい為、このような外国人専門の人材紹介会社は、会社が事業の積極的な海外展開を行っていく上では重要なパートナーです。
その為、適切で正しく人材紹介会社とお付き合いをする事は非常に重要ですので、ぜひ今回のニュースを参考にしていただければ幸いです。
執筆者:田村陽太(社会保険労務士)
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナーとしてPRブランディング事業も手掛ける。
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