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執筆者の写真田村陽太

【第110回】ウィズコロナでの企業の海外進出は海外駐在員or現地ローカル社員どっちに任せる?(ローカル社員考察編➀)


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は「ウィズコロナでの企業の海外進出は海外駐在員or現地ローカル社員どっちに任せる?(ローカル社員考察編➀)」についてお話していきたいと思います。



前回は、海外駐在員制度のメリットや現状直面している課題についてご説明しました。今回は反対に日本人海外駐在員を配置せず、現地に住むローカル社員のみで海外事業を行っていく上でのメリットをお伝えしたいと思います。



【ローカル社員で運営するメリット】

⑧進捗管理やタスク管理がなくなり、成果主義を導入する事からモチベーションが上がる

➈営業地域や対象とする業界に関してのマーケティングを海外に任せる事が出来る

⑩日本本社の社内意識の向上や技術革新を起こす事が出来る



等が主に挙げられます。



⑧については、海外の企業では日本と異なり職務給制度を導入している所が多くあり、従業員自身の職務範囲をはっきりと明確にして、その達成度に応じて昇給・賞与に反映させるところが多いです。



駐在員を配置せずローカルの社員だけで運営するという事は、ローカル社員を評価する上長もローカルの管理職という事となり、そうなると職務給・成果主義で従業員の頑張りを評価する風土となっていきます。



日本企業にありがちな業務の進捗やタスク管理を綿密に行って業務のプロセスも評価対象にする形ではなく、従業員本人が達成した成果自体がどれ程かを基に評価対象とする事で、人事評価の不透明性がなく、海外社員にとってより働きやすい職場となり、それが最終的には更なるローカル社員の採用に繋がる事に寄与すると思います。



➈については、今まで日本本社が競合他社の動向や成功事例を見て、ある程度攻略すべき地域や業界を海外現地法人に指示していたのが、海外事業の戦略を設計する主体がローカル社員となる事で、海外現地法人がどの地域を攻略していくかの地域をより詳細かつ綿密に設定する事ができ、更なる海外顧客の発掘に繋がります。



また営業戦略を立てる主体がローカル社員となる事で、海外社員に良くある「コネ」での営業活動がやりやすくなり、新しい顧客の開拓にも繋がります。仮に海外駐在員制度を導入していれば、ある程度ローカル社員の営業活動地域の設定を日本本社から圧力を加えられながら調整していたところが、その縛りが無くなり現地ローカル社員が自由に営業する事に繋がります。



海外では知人や友人からの紹介を使って営業活動を行っている国・地域も沢山あり、一見「この案件は小企業案件だな」と思っていたのが、その企業の知人がその国では有名企業だったことから、紹介で次の受注に繋がる等コネでの営業は重要な方法の一つです。



ですので、ローカル社員に現地営業活動を任せる事で、本来大きな受注案件に繋がるはずだったローカル社員から紹介されたプロジェクト案件でも、日本本社や海外駐在員がローカル社員の営業手法にフィルタかけをしてしまう事がなく、ローカル社員の属性を活かした顧客の新規開拓に繋がりやすいというメリットもあります。



⑩については、現地ローカル社員に営業を任せるという事は、今までだったらローカル社員のアイデア出しや意見出し等を全て海外駐在員に任せていた事を一切出来なくなるので、より日本本社としては海外の現地法人に対して明確なメッセージを伝えかつ的確な業務を行わなければなりません。



その為には最低限日本企業の現地法人で働く上で守らなければいけない業務マニュアルの作成や、海外顧客からの受注に対応出来るような日本本社内における国際化対応をする必要があります。



また、今までだったら値段や品質等が顧客の希望に合わなくても、駐在員自身の努力で営業活動を行った結果、失注していた状況が良くありましたが、ローカル社員が売りやすいような形で自社のサービスを新しく開発していこう、改善していこうと本社が働きかけていく事で、社内の技術革新や業務生産性の向上をしようとする風土作りに繋がります。



本日は「コロナ禍において企業の海外進出は海外駐在員配置or現地ローカル社員に任せる?ローカル社員考察編➀」についてお話しました。次回は(ローカル社員考察編②)をお話したいと思います。




執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナーとしてPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。



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