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執筆者の写真田村陽太

【第162回】副業社員を会社で雇用する際のポイント②


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は『副業社員を会社で雇用する際のポイント②』についてお話していきたいと思います。



前回のおさらいですが、副業を会社で許可するメリットとしては大きく5つあると私個人的には考えております。



➀採用を強化できる事

②退職者を減らす事

③在職者の人件費抑制(昇給等のコントロール)となる事

④株主様向け(上場対応等)にアピール出来る事

⑤従業員満足度の向上や福利厚生の充実に寄与できること



今回は『③在職者の人件費抑制(昇給等のコントロール)となる事』についてからお話していきたいと思います。



少子化の影響等による人口減少により企業の事業活動においても、以前に比べて相対的に売上が低下してきている会社も増えてきています。また最近では働き方改革の影響で最低賃金の上昇や勤務時間減少等による採用コストの増加により、販売管理費が増加する傾向にあります。



よって会社の財務的余裕も少なくなり、会社が既存の従業員に対してかけられる人件費が絶対的に少なくなってきている傾向にあります。今までは長期的に継続雇用される事で昇給や賞与、また退職金等の安定的な収入が確保されてきましたが、そのような事を従業員に確実に約束させることは難しくなってきています。



また、将来的に会社を退職した後にもらう年金に関しても今の20代~30代の世代にとっては何歳から受給できるかがわからない状況となってきています。よって今の世代の中にはいかに現役世代、つまり働ける世代に効率よく沢山働けるかという視点に絞って、求職活動している方が増えている傾向にあると個人的に思います。



そのような『将来従業員に満足した待遇を提供できるか分からない』会社や、『いつまで会社で働くか分からない』従業員にとって、副業が出来るという自分の努力次第で収入やキャリアアップを獲得できる『確実』な福利厚生は非常に魅力的にであると個人的には思います。



会社がどんなに事業活動を一生懸命にやったとしても確実な利益が社内に留保されるかは経営者も誰も分かりません。そんな状況の中、『今辞めたら幹部候補になれるのにもったいないよ。』とか『今後昇格したら将来この会社では安定だよ。』という確実に保証できない既存従業員への声かけは、今の世代の従業員には伝わりません。



また、そんな声かけを今の従業員は信用していません。今の世代の従業員は自らのリスクヘッジに非常に敏感で、自分の人生の舵取りを他者ではなく、自分自身で操縦できるよう、あらゆることを自分の決断に任せる傾向にあるのが個人的な印象です。



よって企業のあるべき姿勢としては、まずはひたむきに事業活動を行い、人件費として還元できる時には従業員に還元する姿勢を貫く事だと思います。決して安易に従業員に保証できないことを口に出さない事が重要です。



そんな会社の正直な姿勢は従業員に真摯な姿勢として伝わります。副業を許可する事で会社は健全に事業活動を続ける事が出来る一方、従業員にとっては風通しが良い魅力的な職場に映ると個人的には思います。



次に『④株主様向け(上場対応等)にアピール出来る事』ですが、今後会社が事業活動を継続する事で必要な事は、「いかに応援してくれるファンを作ってくれるか」だと個人的には思っております。



人口が少なくなり、市場のパイが小さくなっているからこそ、会社にとって必要なものは何かを考え、厳選して選択しつつ事業活動を行うという傾向が強くなってきていると思います。



そんな中「この会社の事業活動に投資したい」「この会社と共に日本を良くしていきたい」と思ってもらえる、会社のファン作りを行う事が今後非常に重要になってくると思います。



会社のファンづくりにはいろいろなアプローチがある為ここでは割愛しますが、IPO等の上場対応に積極的に取り組み、取引先や消費者だけでなく、投資家等から応援してもらう関係者を増やす取り組みも重要になってくると思います。



『この会社を応援したい!』と投資家から会社に応援してもらうために必要な事は、



・今までに見た事が無い取り組みを会社でしている

・投資した事で自身が社会貢献をしていると実感できる事業を行っている

・その会社に投資した事で投資家自身が自慢できる



の3つだと私個人的には考えています。その中でも従業員の福利厚生に尽力している会社は、そこで働く従業員の満足度も上がり、投資家にとっての投資対象としても魅力的に映る傾向に高いと思っております。



また副業を許可する事は、その従業員にとって在籍する会社だけではなく、他の会社との接点を作ってもらう事にも繋がります。そのような取り組みは投資家にとって「自社だけに閉じこもっているのではなく、対外的にもオープンで社交的な会社だな」とプラスに感じてくれると個人的には思っております。



本日は『副業社員を会社で雇用する際のポイント②』についてお話させて頂きました。



次回も続編として、副業を会社で許可するメリットの続編からお話していきたいと思います。




執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナーとしてPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。



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