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執筆者の写真田村陽太

【第163回】副業社員を会社で雇用する際のポイント③


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は『副業社員を会社で雇用する際のポイント③』についてお話していきたいと思います。



前回のおさらいですが、副業を会社で許可するメリットとしては大きく5つあると私個人的には考えております。



➀採用を強化できる事

②退職者を減らす事

③在職者の人件費抑制(昇給等のコントロール)となる事

④株主様向け(上場対応等)にアピール出来る事

⑤従業員満足度の向上や福利厚生の充実に寄与できること



今回は『⑤従業員満足度の向上や福利厚生の充実に寄与できること』についてからお話していきたいと思います。



前回までのニュースでもお伝えさせて頂きましたが、副業制度を導入する事で採用時のミスマッチの低下、社内の職場環境の向上、これからの現役世代の働き方の価値観に合った勤務制度の提供等、より会社が魅力的な職場になる事を手助けしてくれるものになると個人的には思います。



なぜ副業制度の導入がそのような魅力的な職場づくりに貢献するかというと、「働き方の価値観が多様化している事」が一番の前提にあると私は思っております。



以前までは会社に就職する事は「就社」する事を意味していました。つまり高校や大学を卒業したらいろいろな職場や仕事を経験していきながらマネージャー職、経営層となっていく等、その一つの会社での仕事をやり遂げる事、「あらゆる側面からその会社を良くできるジェネラリストとして働く事」が良しとされていました。



しかし、今は会社で人件費に計上できる余剰資金が少なくなってきており、賞与や退職金制度等も廃止される事で、今までだったら長期的に働いていればもらえる給与額も次第に増えてきたのが、そのような時代ではなくなってきました。つまり「その会社に長期的に働くメリット」を別の部分で見出す必要が出てくる時代になってきました。



そのような前提がある中で、働く側、すなわち従業員側としてはその会社でがむしゃらに働き続けるよりかは、「その会社で何を得る事が出来るか、何をスキルとして自分の能力として身につけられるか」というような、働く事を「手段」としてとらえている方が私たちの世代、30代より下の年齢の世代では増えてきています。



働く事が手段として考えられるようになった場合、働く人それぞれの今までの人生観や価値観によって会社が選択されるようになるため、働く側から会社が選ばれる理由も多様化されていきます。



そのように、会社が選ばれる価値観が多様化されているからこそ、人材を採用する会社としても従業員の働き方だけでなく、従業員の「働かせ方」まで意識して勤務制度や福利厚生の充実に力を入れていかなければならないと個人的には思っております。



副業制度は従業員の「働かせ方」を会社が意識して考えていく上での施策の一つだと思います。副業を行う事での労務管理の煩雑さや注意点等、導入する会社としては「負」の点に目が向きがちです。



しかし、今運用している会社の勤務制度に魅力が無ければ、副業制度を導入する話云々関係なく、会社の労務管理、勤務環境として従業員にとって良くないものとなっている可能性も十分にあります。



話が少し脱線しますが、私個人的な考えとなりますが、今の20代や30代等比較的若い世代は「当たり前の事は当たり前にやってほしい」と思っている世代です。



例えば最近法改正された育児介護休業法関連や60時間超えの残業の割増賃金が5割増しになる事等、一般にメディア等で広く知られている制度等は法違反なく導入できている会社に就職したいと考えております。



給与額は一般の企業に比べて高いけど、他の労務の面では法違反を犯している会社等、当たり前の事が出来ていない会社は働く側に選ばれない傾向にあります。つまり1出来ている事を5にしてくれる会社よりも、0出来ていない事を1にしてくれる会社の方が選ばれるという傾向にあります。



これは副業制度についても同様で、これだけ各メディアや厚生労働省等でも「副業制度」について取り上げている中で、会社に制度を導入するか関係なく、自社で副業制度を労務管理上のテーマとして取り上げていない会社は、若い世代にとって「当たり前の事が当たり前に出来ていない」会社と認識されてしまう可能性があります。



すぐには自社で副業制度を導入する事が難しいと思った場合でも、まずは経営層、人事部等で自社の勤務制度が従業員にとって満足がいくものなのか、満足いかないものであるならどのようにして働き甲斐を高めていくかをまず考える機会を持つ必要があると思います。



その働き甲斐を高めていく施策の一つとして副業制度が候補として上がるのであれば、今回まで3回でお話してきましたが、副業制度の導入を会社で真剣に考えていくのが非常に重要であると個人的には思っております。



本日は『副業社員を会社で雇用する際のポイント③』についてお話させて頂きました。



次回からは続編として、副業を会社で導入する際の会社の注意点についてお話していきたいと思います。



執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナーとしてPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。



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