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執筆者の写真田村陽太

【第164回】副業社員を会社で雇用する際のポイント④


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は『副業社員を会社で雇用する際のポイント④』についてお話していきたいと思います。



前回までで、副業を会社で許可するメリット主要5点について私なりの考えをお伝えしてきました。今回からは副業制度を自社で導入しようと考えた場合にどのような点について注意していく必要があるかについてお話していきたいと思います。



会社で副業制度を導入する上での注意すべき点としては以下5点あると私個人的には考えております。



➀副業制度を導入する目的や定義づけをしっかり行う

②副業が出来る対象者や副業の内容を精査する

③運用書類や就業規則等の帳簿書類の準備を行う

④万が一の労務トラブルの際の懲罰、人事処分のプロセスを明確化する

⑤副業先への連絡等対象従業員へ綿密な説明を行う



以上が重要になると考えております。本日は『➀副業制度を導入する目的や定義づけをしっかり行う』事についてからお話していきたいと思います。



前回までのニュースでもお伝えした事により、副業制度を導入する事で従業員側にも会社側にもそれぞれメリットがあると個人的には考えております。そのため、会社で副業制度を導入する際には、「副業制度」を導入する事の目的や、会社が従業員に期待する副業はどのようなものかを事前に定義づけする事が非常に重要かと思います。



具体的には定義づけする内容としては、


・副業制度を導入しようと思った会社側の背景

・従業員に副業を許可する事で従業員にもたらされる良い効果

・副業はどの範囲までのものを会社は想定しているか



この3点を意識して定義付けをすることが重要かと思います。まず「副業制度を導入しようと思った会社側の背景」ですが、会社を運営していく中でどのような点に課題をもち、人事労務管理を行っていく上でどうしていくべきなのかを社内でしっかり考え話し合った上で、副業制度を導入しようと思った一番の決め手・背景を定義づけする事が重要です。



前回までのニュースでお話した「副業を会社で許可するメリット」5点から考えてもらっても良いと思います。ただ、ここで重要なのが一番の決め手を定義づけする事、つまり副業制度を導入するにあった背景を会社として「1つだけ」しっかり決める事です。



副業制度を導入する事であらゆる人事労務管理の問題点を一気に解消したいと考えるのは私も良く分かりますが、一つの副業制度であらゆる労務管理の課題を解決しようとすると副業を対象とする社員の定義づけや運用ルールも緩くなり、一言で言うと「締まりのない」副業制度となってしまいます。



他の人事労務の制度導入全般に言えますが、対象とする社員を明確化し、対象となる社員にとっては運用しやすいものとするのが人事労務制度設計の上で一番重要です。また対象とならない従業員がその制度を悪用しない為に、ルールを厳格化するのも非常に重要です。



よって、会社が解決したい人事労務管理上の問題点や課題を一点まず明確化し、それに沿ったルールで運用される副業制度を構築していく為にも明確な定義づけを行っていく事が大切です。



次に「従業員に副業を許可する事で従業員にもたらされる良い効果」ですが、副業制度は会社の制度だけでなく、従業員の制度であるからこそ「副業を導入する事で従業員がどうなるか、どういうポジティブな要素をもたらすか」等の会社から従業員へのメッセージを盛り込むことも非常に重要です。



このメッセージ部分があやふやになると、会社側としても副業を許可する際のルール設計が難しくなりますし、従業員側としても仕事上、プライベート上共に「無目的」に副業に取り組んでしまう可能性があります。副業をする事で生活面、仕事面等様々な角度からメリットが従業員にある事を伝える意識を会社は持つことが非常に重要です。



最後に「副業はどの範囲までのものを会社は想定しているか」ですが、これは本業の業務の性質や通常の業務の忙しさ等本業での仕事の内容や、副業で得たスキルや能力をどう本業に還元していくか等、副業の内容をどう定義していくかに関わってきます。



・いつ副業を行っていいのか(同日勤務後でもOK?休日のみ?)

・雇用・非雇用(業務委託等)等の副業の勤務形態

・本業と同業種、あるいは異業種での副業は可能かどうか



等を定義づけする必要があります。あくまで副業は自社の給与・待遇の補填等生活設計の意味合いが強いのであれば、雇用系の副業を許可するのが望ましいでしょうし、能力・スキルアップ等を含めた副業を従業員に許可していきたいのであるならば、自営等の非雇用での副業も許可するのも選択肢としてあるかと個人的に思います。



このカテゴリで一番伝えたかった事は、会社で副業に関しての定義づけをしっかりと行わないと、それに紐づく副業を行う対象者や対象職種、そして社内でのルール付けも厳密に行う事が出来ませんので、まずは自社で副業をどの範囲まで許可していくかを明確化していく作業を行っていく事が重要です。



本日は『副業社員を会社で雇用する際のポイント④』についてお話させて頂きました。



次回からも続編で、副業を会社で導入する際の会社の注意点についてお話していきたいと思います。




執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナーとしてPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。



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