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執筆者の写真田村陽太

【第174回】海外駐在員の労務管理Q&A~なぜ駐在員の労務管理が重要か?~②



こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は『海外駐在員の労務管理Q&A~なぜ駐在員の労務管理が重要か?~②』についてお話していきたいと思います。



今回も続編で日本企業が海外駐在員の労務管理をしっかりと行わなければならない理由についてお話していきたいと思います。



前回のおさらいですが、日本企業が海外駐在員の労務管理をしっかりと行わなければならない理由としては大きく3つあると私個人的には考えております。



➀海外駐在員は専門職であるため、適切な成り手が絶対的に少ないから

②日本企業が海外事業を運営するには海外駐在員という存在が必要であるから

③風評被害や損害賠償請求等の企業の損失に大きく繋がるから



今回は②から深掘りしてお話していきたいと思います。



②日本企業が海外事業を運営するには海外駐在員という存在が必要であるから



今までのニュースにおいても、日本企業が海外事業を運営するにあたって、多くの日本企業では海外駐在員だけの力だけではなく日本本社とうまく連携する事が必要となっている現状についてお伝えしてきました。



詳しくはこちらの記事をご覧ください。


【過去回ブログ】ウィズコロナでの企業の海外進出は海外駐在員or現地ローカル社員どっちに任せる?(駐在員考察編➀)





ただ一方で、海外駐在員を一切派遣せず日本本社の海外事業部のみで現地ローカル社員に事業運営を任せたり、海外販売代理店に現地営業活動を任せたりすることで、海外事業を運営する事にも限界がある事をお伝えしてきました。


詳しくはこちらの記事をご覧ください。


【過去回ブログ】ウィズコロナでの企業の海外進出は海外駐在員or現地ローカル社員どっちに任せる?(まとめ編)





コロナ禍を一度経験した事でリモートワークでの仕事も普及し、現地ローカル社員に海外事業を任せる選択肢を取る事も重要ですが、ただその上でも定期的に海外駐在員が現地法人をマネジメントし、海外事業を行っていく事が今後も必要であると私個人的には考えております。


詳しくはこちらの記事をご覧ください。


【過去回ブログ】なぜ日本企業の国際化対応は進まないのか?(後編)





自社の製品サービスが海外市場でどう販売できるかを身近かつ肌感覚で実感できる海外駐在員の存在は絶対的に重要ですし、その海外駐在員の意見をくみ取って海外市場をどう攻略するかを意思決定する日本本社とのコミュニケーションをしっかりと行う意味でも、海外駐在員の存在は必要不可欠であると私個人的には考えております。



これは「結果」よりも「プロセス」を重視し、意見の「質」よりも意見の「総意」を大事にする傾向がある日本企業、ひいては日本人の性格や価値観にも由来する事だと思います。



そういった深いところに根付いて日本企業が事業経営を行っている以上、海外事業において海外駐在員が先陣を切って、そして日本本社の意見を軽視してまでも海外事業の運営を行う事は非常に難しいですが、海外駐在員を海外市場と日本本社をつなぐ重要な「ハブ」として活用する事は日本企業の海外事業運営には絶対的に必要です。



海外現地法人の管理者層や経営者として赴任する事が多い海外駐在員は、同じ企業のグループ社員ではあるものの、本来事業運営の決定権は日本本社と独立して保持されているのが構造的な原則です。



ただ上述しましたように、海外駐在員は、日本本社の意見をくみ取りながら海外事業経営を行わなければいけない会社の一「従業員」としての側面を持つ必要性も一方であります。



以上の事から、この非常にセンシティブな立ち位置である海外駐在員を社内でしっかりと労務管理を行っていく事は非常に難しい課題であると私個人的には思います。それは詳しく言うと、例えば、



・海外駐在員の就業モチベーションの維持

・海外駐在員の赴任中のストレスの軽減

・海外駐在員の働き過ぎによる過労の防止



等多くの事に配慮しなければなりません。また、普段海外駐在員は日本本社と距離的にもそして時差等の時間的にも隔離された場所で就業する必要がある為、日本国内の従業員と比較して労務管理上のサポートが相対的に遅れてしまう事やサポートの質が一定程度下がってしまう事も否めません。



そういった意味でも、海外駐在員の労務管理がおろそかになり、駐在員の思わぬ退職やメンタルヘルス不調等による休職という事態をもたらさないように、日本企業は海外駐在員の雇用に関して特に配慮していかなければならないと私個人的には思います。



本日は『海外駐在員の労務管理Q&A~なぜ駐在員の労務管理が重要か?~②』についてお話させて頂きました。次回も続編をお話していきたいと思います。




執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。



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