こんにちは。サンキャリア代表の田村です。
本日は続編で『従業員採用時に取り交わす必要がある書類とは?②』についてお話していきたいと思います。
(2)職務経歴書
前回お話しました履歴書と付随して求職者から受領するパターンが多いです。履歴書に記載されている職歴面をより具体的に記述・説明してもらう資料として受領する事が多いです。
職務経歴書をもらう事での会社側のメリットとしては、
➀今までの業務歴や勤務経験が分かり、自社で採用する際のイメージが出来る
②従業員の得意分野や自己PRポイントが分かる
③文章力、説明力等のその従業員の知性が分かる
以上が挙げられます。①については、前職までのおおよその勤務歴が分かる事で、採用した後、研修や教育、また各部署への配置・転換をする際に会社側がどのような点に注意すれば良いか事前にチェックする上で重要な資料となります。
②については、今までの経歴においてどのような成果に貢献したかを詳細に記述してもらう事で、その方の仕事上の得意分野やどのような業務に自信があるかが分かり、教育や業務分担を行う上で重要な資料となります。
③は個人的に一番重要かと感じておりますが、職務経歴書という比較的長文の資料を作成してもらう事で、国語力や論理力等の普段備わっている能力をチェックできるというメリットがあります。
働く方誰でも、「話す」事が得意な方もいれば、「書く」事が得意な方もいます。ただ「話す」事は何となくの意味でも相手に伝わってしまう事があり、話した言葉をいざ文章に起こしてみると、その文章が中途半端な表現であったり、具体的な意味を成さなかったりする事も良くあります。
私個人的には「書ける」人は「話せる」人と考えております。しっかりと正しい言葉を使い、論理的に書く事ができる方は、相手にも正しい表現で話す事が出来ると個人的には思っております。(相手に分かりやすく伝える上で、話し方が流暢か表現豊かかは一旦置いておきます。)
一方で、職務経歴書を作成する事での従業員側のメリットとしては、
④他の求職者と差をつけやすく、採用されやすくなる
⑤今までの職歴、業務歴の洗い出しが出来、面接や今後のキャリア設計にも生かされる
⑥その会社で希望する職種や部署に就きやすくなる
以上が挙げられます。④については、採用面接時に職務経歴書まで求める企業は熱心に従業員採用を行っている所が多いです。その為、職務経歴書の内容によっては採用試験でも他の求職者と比較して有利になる事が多いです。
⑤については、職務経歴書を作成する機会に、今まで培った経験を具体的に棚卸する事は非常に重要な事だと個人的には思います。
そうする事で、会社目線に立ってPR出来る部分を会社側に伝える上での材料にもなりますし、今後自分のキャリア設計をする上でも、自分の得意な事(Can)や、やりたい事(Will)、会社・社会から求められる事(Must)の3軸で考える練習にもなります。
新卒採用時や中途採用時どちらの際にも、今までの学歴や職歴を振り返る経歴書を作成する習慣を持つことは重要だと個人的には思います。
⑥は個人的に一番重要だと感じておりますが、職務経歴書をうまく使いこなして会社側に自分自身をPRする事は、今後自分のやりたい仕事や就きたい仕事をするための一番の近道だと私個人的には思っております。
会社に対して従業員が自分自身を思う存分PR出来るタイミングは面接時です。例えば、一度会社に採用されると普段の仕事で忙殺されてしまったり、半期や年に1回の上司との面談においても人事評価に悪い影響をきたさないよう無難な話で終始してしまったりする事も良くあります。
面接時にはその求職者が今後就く予定の部署の担当だけでなく、人事担当者も同席する事が多いです。将来配置転換や昇格等のキャリアアップの際には人事担当者が必ず関わる事を考えれば、面接の際に直属の上司だけでなく人事担当者にもPR出来る採用面接の機会を上手く利用する事に越したことはありません。
職務経歴書を用いて会社側に自分自身の存在感を強くPRする事は、今後その会社で働きたい像に近づくためには非常に重要な事だと私個人的には思います。
本日は『従業員採用時に取り交わす必要がある書類とは?②』についてお話させて頂きました。次回も続編をお話させて頂きます。
執筆者:田村陽太(社会保険労務士)
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
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