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  • 執筆者の写真田村陽太

【第186回】『労務管理Q&A~一度従業員に支給した賞与の返還を求める事が出来るか?~』



こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は『労務管理Q&A~一度従業員に支給した賞与の返還を求める事が出来るか?~』についてお話していきたいと思います。



年末も近くなり、冬季賞与を支給される会社も中にはいらっしゃるかと思います。そんな中で本来支給すべきではない従業員に賞与を振り込んでしまった場合に、当該従業員から賞与の返還を求める事が出来るのかについて考えていきたいと思います。



(※以下はあくまで私個人的な考えでのお話となりますので、ご容赦ください。訴訟案件等は弁護士に関係する分野でもありますので、賞与の未払い請求等労働トラブルに関してはお近くの弁護士さんにご相談よろしくお願いいたします。)



上記のようなトラブルが生じるパターンで考えられる例として



➀本来振込対象ではない(査定対象ではない)方に賞与を振り込んだので返還してもらう

②当初は賞与支給対象で振り込んだが、査定の結果支給対象でない事が判明した為返還してもらう



2つのパターンが考えられるかと思います。



➀については、当該社員が賞与振込対象ではない事が会社として証明できれば可能であると個人的には思います。その為会社で賞与を支給する際に整備しておくべきものとして、



・賞与査定結果表(各従業員に賞与支給する際に考慮した根拠や計算結果を記したもの)

・賞与明細書や賞与支給控除一覧表(従業員に賞与支給する際の手取り額を記したもの)



この2つは準備しておく必要があると私個人的には考えております。



また賃金規程に賞与を不支給とする条項や万が一の賞与返還条項等を明示しておくことも非常に重要かと思います。



民法第703条には(不当利得の返還義務)の項目で「法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。」となっており、就業ルール上不当にもらった給与や賞与に関して、従業員は返還の義務を負う事となっております。



ただ、一度払った賞与を返還してもらう行為は明らかに会社のミスにより発生したものなので、過誤払いの金銭を返還してもらう際も「一括で返還してもらう」のか「毎月分割して返還もらうのか」等従業員と真摯にコミュニケーションを行っていく事が重要かと個人的には思います。



②については、以下の項目に反していなければ賞与の返還はルール上可能かと思います。



・従業員への返還要求日が賞与査定期間内である事が就業規則や賃金規程上分かる事

・賞与査定結果表等、会社が賞与を不支給とする事になった根拠に正当性がある事



以上2つが満たされれば可能であると個人的には思います。しかし、通常賞与支給日よりも賞与査定期間を前に設定する事が多いので、従業員への返還要求日が賞与査定期間内の為「賞与を振り込んだ後に賞与の査定が覆る」事は本来そう多くはありません。



その為他の社員は通常通り賞与をもらっているのに対し、賞与を返還された従業員としては、会社での人事管理の不透明さに不信感も高まり、会社への定着度が下がる可能性はあると個人的には思います。



本日は『労務管理Q&A~一度従業員に支給した賞与の返還を求める事が出来るか?~』についてお話してきました。会社経営者の中には、「給与は毎月払うもの」という意識はあっても「賞与は会社任意で払うもの」という意識が強い方も中にはいらっしゃるかと思います。



その為賞与を払う際のルールが曖昧になったり、制度自体がしっかりと作れていなかったりと、賞与支給の際に従業員とトラブルになる事も良くあります。その為賞与を支給する際にも就業規則や賃金規程、さらには賞与を支給する際の根拠等はしっかりと社内で作成する事が必要です。



また万が一、会社が賞与支給をする際にミスを起こしてしまった際も、最低限の損失に減らす事が出来るように、あらゆるリスクを想定したそれらを未然に予防できる会社制度を構築していく事が重要だと個人的には思います。



労務顧問のご依頼等いつでもご相談お請けしておりますので、お問合せフォームからご連絡をお待ちしております。





執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。



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