こんにちは。サンキャリア代表の田村です。
本日は前回の続きで、『外国人社員を採用する事で得られる会社側のメリット③』についてお話していきたいと思います。
前回のおさらいとして、外国人社員を採用する事で得られる会社側のメリットは以下が挙げられると考えております。
➀自社の社員の英語力の向上
②暗黙知の廃止と業務や風習の見える化
③社内コミュニケーションの活発化
④社内制度の更なる充実化
⑤多様な価値観を受容できるマインドの育成
以上5点が大きく挙げられるかと考えております。本日は⑤からお話していきたいと思います。
⑤ですが、外国人社員と一緒に働く事で今まで日本に住むことで当たり前だと思っていた価値観の枠を広げ、より多くの他者の価値観を理解する事を助ける事に繋がります。
今までのニュースでもお話してきましたように、日本人社員と外国人社員では仕事をする際に会社から評価してもらいたい項目も大きく違いますし、仕事をする上でストレスとなる項目も大きく違うように、根本的な価値観が違う傾向にあります。
日本では教育システムや娯楽、カルチャー、メディア等自分から積極的に情報収集をしない限りは、比較的同質のサービスを受ける事が多い事から、社会人として働くビジネスマン同士でも働く際の姿勢や価値観等も大きく違わない傾向にあります。
特に日本では「自分はこうしたい」とか「私はこう思う」というようなアイデンティティや独自性を持つよりも、「他者の話を受け入れる」事や「周りに迷惑をかけない」というような協調性を持つことが善とされてきているため、「自分以外の人と違う考え方を持ち、その違いについて他者と議論を交わす」という習慣をあまり持たずに育ち、社会人として働いている方が多いように思います。
その為、「他者から言われた仕事を忠実にこなす事」に関しては得意ですが、「その仕事をこなすために何が大事かを自分で考えて対応する」事等自分から生み出して行う仕事は得意では無いと思います。
そして、他者と議論を交わすという経験が少ないために、他者から与えられた単一的な意見を受け入れがちである事もよくあります。また、自分が意見を発信する側になった際に相手に自分の意見を否定されると、相手から否定される経験がないため、すぐに心が折れてしまうという傾向もあります。
そうした背景がある中、外国人社員と一緒に働く事で、そのような状況を打破する事が出来ると私は思います。そして多様な価値観を受け入れる習慣が身に付き、精神的にもゆとりを持って働く事が出来るようになると思います。
今後日本の人口はどんどん減少していく事が言われている中で、日本人に必要な事は「他者から言われた事を忠実にこなす能力」ではなく、「自分に必要だと思う事を発見し、行動する能力」が重要になってくると私は思います。
「私は従業員だから会社から与えられたことをやっていれば良いんだよ」と言う方もいるかもしれませんが、それらの能力は経営者だけでなく、会社で働く従業員の方にも必要になってくる能力だと思います。
「自分に必要だと思う事を発見し、行動する」為には、机に座ってじっと自分の頭で考える事が重要なのではありません。自分から進んで人と会ったり、色々な媒体から情報収集をしたり等、インプットしたものを素直に自分で咀嚼し、吸収するという能力が必要になってきます。
表面的には「そうですね」と肯定したとしても、自分の心の中で相手の価値観を受容していなければ、それは多様な価値観を受け入れた事にはなりません。多様な価値観を受け入れる為には、とにもかくにも「多様な価値観を日々シャワーのように浴び続け耐性を身に付ける」事が非常に重要だと私は思います。
本日は『外国人社員を採用する事で得られる会社側のメリット③』についてお話させて頂きました。次回も続編をお話していきたいと思います。
執筆者:田村陽太(社会保険労務士)
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
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