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執筆者の写真田村陽太

【第221回】『中小企業の人事部がやるべき業務やミッションとは?~⑤』



こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は『中小企業の人事部がやるべき業務やミッションとは?~⑤』についてお話していきたいと思います。本日は続編で、中小企業の人事部が行うべき業務や必要となる能力やマインド等について中心にお話していきたいと思います。



前回は【人事部で働く方が持つべき能力や、素質・性格等のマインド】として、



①秘密事項や重要事項等を外部に漏らさない、守秘義務事項をしっかり守る

②リスクの予知やトラブルの発生の影響を最小限にする選択肢を迅速に出せる

③誰よりも「人」に関して興味があり、何よりも「人」が好きである



があるというお話をしました。今回は②からお話していきたいと思います。



次に②ですが、以前のニュースでもお話ししましたが、人事部のミッションとしては、労働トラブルを未来永劫発生させない為に通常時から「平穏」に仕事を行う事です。



平穏に仕事を行うためには、日頃のお仕事からそのようなトラブルが起きないよう事前にリスクの洗い出しを行い、万が一そのリスクが発生した際に、その影響を最小限にする為に出来ることは無いかを普段から人事部で考えておく事が求められます。



そのため、人事部で働く方は普段のお仕事をする時から「自分の一つ一つの行動がリスクを防止できる行動たるか」を常に考えられる方が人事部で働く方の素質として重要だと私個人的には思います。



例えば、メール一通を送信するにあたっても「この文章を送ることで、他の意味に伝わってトラブルになったりしないか?」と文章を二義的に解釈されないようメールの文章を推敲したり、また給与計算においても「最近この部署の残業代が多いが、業務や組織的に何か問題は発生していないか?」等、常に広く深くリスクに関して考えられる方が人事部で働く能力として重要だと私個人的には思います。



またこういった深く広く考えられる能力は労働トラブルが起きた時にも生かされます。各従業員の性格や価値観、思考パターン等その人に関してしっかりと理解し、熟知しているからこそ、どのような言い回しや話し方であれば、問題を円滑に解決できるかを普段から自分自身の選択肢として持ち、どんな問題でも自信をもって解決することが出来ます。



普段からリスクを予見して考え、常日頃から行動している方は、万が一トラブルが発生した時でも情報収集を十分に行っている為、迅速かつ円滑に行動できます。そのようなリスク予知能力が人事部で働く方には求められると私個人的には思います。



最後に③ですが、会社で働く従業員だけの話にとどまりませんが、自分や相手、そして第三者等の「人」についてとても興味がある方が人事部で働く方の素質として重要だと思います。というのも、社内の労務トラブルは感情的な問題で発生することがとても多いからです。



「一般的にはこうなるだろう」とか「論理的に考えたらこう行動するだろう」というような、当たり前が通用しない事も労務に関して言えばよくあります。会社で起きる様々な問題はお金で解決出来る事項は多いですが、こと労務のトラブルで言うと、お金を支払ったら円満に解決出来るかというと難しい問題も多くあります。



それほど人間の感情は扱うのが難しいということです。なぜなら社会人として働くまでに生きてきたその人の価値観やまた色々なライフステージで培ってきた考え方が、色々な従業員のバックグラウンドとして深く根付いているからです。



そういう「人」を扱う難しさや奥深さをむしろ「楽しい」「興味深い」と思える方こそ人事部で働く方として重要なマインドかつ能力だと思います。



「人」が好きである事は友人が多い事や所属しているコミュニティの多さとは関係がありません。多くの人と接してきて、多くの価値観や考え方、それに付随する性格等の多種多様なパターンが感覚として理解している等、「深く人について考えてきた事」こそが、人事部で働く方の素質として重要だと思います。



本日は『中小企業の人事部がやるべき業務やミッションとは?~⑤』についてお話させて頂きました。人事のお仕事は会社の売上を獲得してくる部署ではなく、バックヤードのお仕事であるからこそ、あまり仕事内容や重要性を理解されていない方も多いかと思います。



しかし、今までのニュースでお話ししましたように、人事部のお仕事は大変奥深く、社内でも重要な部署であることがご理解頂けたのではないでしょうか?人事のお仕事は「売上に直結しないから要らない」ではなく、「どの会社にも人がいるから要る」のです。



弊社では人事部で働く従業員の育成や面談等、中小企業の人事部構築に力を入れています。その他にも労務管理のご相談等、労務顧問のご依頼等いつでもご相談お請けしておりますので、お問合せフォームからご連絡をお待ちしております。





執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。



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