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【第313回】『離職を防ぐより選ばれ続ける会社を目指す重要性』

  • 執筆者の写真: 田村陽太
    田村陽太
  • 5月29日
  • 読了時間: 6分

こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は「離職を防ぐより選ばれ続ける会社を目指す重要性」というテーマでお話ししたいと思います。



会社で若手社員を採用した後に、1年や2年といった比較的短い期間で退職されてしまう事があります。



これは、会社の人材採用や組織づくりにおいて非常に大きな悩みの一つです。



会社としては、若手社員にこれから定着してもらいたいという思いから、教育を行ったり、多少の失敗は長い目で見ながら育成したりする事も多いと思います。



それだけに、早い段階で退職されてしまうと非常にもったいないと感じる会社も多いのではないでしょうか。



ただ、前提として、離職するかどうかを最終的に決めるのは従業員本人です。

会社が無理やり従業員の離職を防ぐ事はできません。



だからこそ大切なのは、「辞めさせない」ではなく、「この会社に在職し続けたい」と思ってもらう事だと考えています。



今回は、若手社員の離職を防ぐ為に会社ができる事を、3つの視点から整理してみたいと思います。




① 会社にいることが「楽しい」と思える環境をつくる




まず大切なのは、若手社員にとって、今の会社にいる事が離職するよりも魅力的だと思える状態を作る事です。



人は1日24時間のうち、多くの時間を仕事に使っています。




仮に1日8時間会社で働くとすれば、生活の約3分の1を職場で過ごしている事になります。




だからこそ、会社に来る事自体が苦痛になってしまうと、長く続ける事は難しくなります。



ここでいう「楽しい」とは、単に仲が良い職場という意味だけではありません。



自分の興味がある仕事に関われる

自分の成長を感じられる

所属部署の人間関係が良い

上司や先輩からの指示が分かりやすい

自分の仕事が会社の役に立っていると感じられる



こうした要素が積み重なる事で、若手社員は「この会社でもう少し頑張ってみよう」

と思いやすくなります。



また、日頃の評価も大切です。



会社が設定している業務内容や成果に対して、適正に昇給する

昇給が難しい場合でも、賞与や面談でしっかり評価を伝える



こうした積み重ねによって、社員は自分の仕事が見てもらえていると感じられます。



若手社員の定着には、制度だけではなく、日頃のコミュニケーションが欠かせません。




② 今の会社で経験を積むことに価値を感じてもらう




次に大切なのは、離職するよりも今の会社に在職し続けた方が、自分にとって良い経験になると思ってもらう事です。



若手社員が退職を考える背景には、



「このままでいいのだろうか」

「もっと自分に合う場所があるのではないか」



という不安がある事も多いです。



もちろん、転職自体が悪いわけではありません。



ただ、自分の力が十分に身についていないまま転職を繰り返してしまうと、新しい会社でも評価される前にまた不安になってしまう事があります。



その結果、



自己肯定感が下がる

自分のキャリアを自分で作る感覚が持ちにくくなる

うまくいかない理由を環境のせいにしやすくなる



という状態になってしまう事もあります。



だからこそ会社としては、今の職場で経験を積む事の意味を伝える必要があります。



この仕事を続けるとどんな力が身につくのか

今の業務経験が、将来どのように役立つのか

本人の強みがどこで活かされているのか

今後どんな成長が期待できるのか



これらを日頃から伝えていく事が大切です。



人は自分が成長していると感じられると、今いる場所に意味を見出しやすくなります。



若手社員が自分の能力や貢献に自信を持てるようにする事は、離職防止において非常に重要だと感じています。




③ 不満の原因になる「当たり前」を整える




3つ目は、今の会社に対する不満をできるだけ減らす事です。



これは、いわゆるハーズバーグの「動機付け・衛生理論」における衛生要因の考え方にも近いものです。



人は、給与や労働時間、職場環境など、普段は当たり前だと思っているものが整っていないと気づいた瞬間に、大きな不満を持ちやすくなります。



例えば、



給与の未払い

長時間労働

休みが取りづらい

不適切な労働環境

上司や同僚との関係性の悪化

評価基準が曖昧



こうした問題があると、どれだけ仕事内容にやりがいがあっても、離職のきっかけになってしまいます。



若手社員に長く働いてもらう為には、特別な制度を増やす前に、まず基本的な労務環境を整えることが必要です。



不満をゼロにする事は難しいかもしれません。



ただ、会社として改善できる不満を放置しない姿勢は、従業員に伝わります。



不満が小さいうちに拾い上げ、必要に応じて面談や制度改善に繋げていく事が、結果的に離職防止に繋がると考えています。




まとめ|離職を防ぐより選ばれ続ける会社になる




若手社員の離職を、会社が完全に防ぐ事はできません。



従業員には仕事を選ぶ自由があり、会社に残るかどうかを決めるのは最終的には本人です。



ただし、会社ができる事はたくさんあります。



会社にいる事が楽しいと思える環境をつくる

今の会社で経験を積む価値を伝える

不満の原因になる基本的な労務環境を整える



この3つを意識することで、若手社員に「他の会社に行くよりも、今の会社で頑張った方がいい」と思ってもらいやすくなります。



大切なのは、辞めさせない事ではなく、自然と選ばれ続ける会社を目指す事です。



サンキャリアとしても、若手社員が無理なく定着し、会社とともに成長していける組織づくりを、これからも支援していきたいと考えています。



本ニュースをご覧になり、人事労務管理に関するご相談・ご質問等がございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。




執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。


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