【第315回】『外国人社員にとって働きやすい会社とは何が重要か?』
- 田村陽太

- 6月12日
- 読了時間: 6分

こんにちは。サンキャリア代表の田村です。
本日は「外国人にとって働きやすい会社とは何が重要か?」というテーマでお話ししたいと思います。
日本では少子高齢化が進み、働く人の数も減少していく中で、外国人社員の方に日本で働いてもらう必要性はますます高まっています。
外国人社員といっても、特定技能や技能実習、今後運用が進む育成就労制度のように現場を支える在留資格で働く方もいれば、技術・人文知識・国際業務のように専門的な知識や経験を活かして働く方もいます。
在留資格や業務内容は様々ですが、外国人社員が「この会社は働きやすい」と感じる為に大切なポイントは共通していると感じています。
今回は、外国人社員にとって働きやすい会社を作っていく為に、私が大切だと思う3つの視点を整理してみたいと思います。
① 外国人社員が疎外感を持たない職場を作る
まず大切なのは、外国人社員が職場の中で疎外感を持たないようにする事です。
日本語である程度コミュニケーションが取れる
周りの日本人社員が英語で話せる
業務上の指示や共有事項は伝わっている
一見すると、問題が無いように見えるかもしれません。
しかし、仕事に直接関係する情報は伝わっていても、普段の雑談、社内文化、部署外で起きている事、ちょっとした背景情報が分からないままだと、外国人社員は「自分の知らない所で話が進んでいる」と感じやすくなります。
これは、本人の日本語力だけの問題ではありません。
会社として、情報にアクセスできる状態を作れているかどうかも大きな問題です。
例えば、
会議や打ち合わせを録画し、後から確認できるようにする
議事録や社内共有事項を日本語だけでなく英語でも残す
重要な社内ルールや制度を多言語で整理する
口頭だけでなく、文章や資料でも情報を残す
こうした工夫があるだけで、外国人社員は自分から情報を取りに行きやすくなります。
大切なのは、全て会社が手取り足取り説明する事ではありません。
外国人社員が「知りたい」と思ったときに、自分で情報にたどり着ける状態を作っておく事です。
それが、外国人社員の疎外感を減らし、安心して働ける職場作りに繋がると私は思います。
② 評価制度とキャリアパスを明確にする
次に重要なのは、評価制度とキャリアパスを明確にする事です。
外国人社員が働きやすい職場を目指していても、実際の評価基準が日本人社員の暗黙の慣習に寄りすぎている事があります。
例えば、
報告・連絡・相談ができているか
先輩や上司を敬っているか
空気を読んで行動できているか
日本的な職場文化に馴染んでいるか
こうした要素が、明文化されないまま評価に影響しているケースがあります。
もちろん、報告・連絡・相談や周囲への配慮は仕事を進める上で大切です。
ただ、それを「日本人なら当たり前」として曖昧に評価してしまうと、外国人社員にとっては何をすれば評価されるのか分かりにくくなります。
だからこそ、会社は部署ごとに、
どのような行動が評価されるのか
どのような成果を出せばよいのか
どの範囲まで従業員本人がコントロールできるのか
どのようなステップを踏めば社内で成長できるのか
を明確にする必要があります。
外国人社員にとって大切なのは、「日本人らしく振る舞えるか」ではなく、「仕事の成果や行動が正当に見られている」と感じられる事だと私は思います。
自分が努力すれば評価に繋がる
自分がどう頑張れば良いかが分かる
この安心感がある会社は、外国人社員にとって非常に働きやすい会社になると思います。
③ 日本人社員もグローバル化していく
3つ目は、外国人社員だけに変化を求めるのではなく、日本人社員側もグローバル化していく事です。
外国人社員を採用する会社の中には、日本国内の人手不足対応や、インバウンド対応の為に外国人社員を雇用するケースもあります。
もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
ただ、会社全体がドメスティックなままで、外国人社員だけが特別な存在として扱われてしまうと、本人は「自分は異分子なのではないか」と感じやすくなります。
本来、外国人が日本で働く事も、日本人が海外で働く事も、どちらも自然な事です。
その為には、日本人社員も海外出張や海外駐在、海外顧客とのやり取りなどを経験し、会社全体としてグローバルな視点を持つ事が非常に大切です。
日本人社員も海外で働く事がある
外国人社員も日本で働く事がある
お互いが異なる環境で働く可能性を社内で持っている
この状態があると、外国人社員だけが特別視されにくくなります。
また、外国人社員の採用をきっかけに、海外事業部を立ち上げたり、海外向けサービスを考えたり、インバウンド・アウトバウンドの事業展開を進めたりする事も、会社にとって大きな成長機会になります。
外国人社員を「日本人の不足を補う人材」としてだけ見るのではなく、会社をグローバル化するきっかけとして捉える事が、外国人社員にとっても、日本人社員にとっても働きやすい会社に繋がると考えています。
まとめ|外国人社員だけに合わせるのではなく、会社全体を変えていく
外国人社員にとって働きやすい会社を作る為に大切なのは、
疎外感を持たないように情報にアクセスできる状態作る事
評価制度とキャリアパスを明確にする事
日本人社員も含めて会社全体がグローバル化していく事
この3つです。
外国人社員に働きやすい会社は、決して外国人社員だけに優しい会社ではありません。
情報共有が分かりやすく、評価基準が明確で、多様な働き方や価値観を前提にできる会社です。
それは結果的に、日本人社員にとっても働きやすい会社になるはずです。
サンキャリアとしても、外国人社員の雇用管理だけでなく、企業全体が多様な人材を活かせる組織づくりを、これからも支援していきたいと考えています。
本ニュースをご覧になり、人事労務管理に関するご相談・ご質問等がございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。

執筆者:田村陽太(社会保険労務士)
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
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