【第319回】『相談されやすい社労士になる為に大切にしている事』
- 田村陽太

- 7月10日
- 読了時間: 6分

こんにちは。サンキャリア代表の田村です。
本日は「相談されやすい社労士になる為に大切にしている事」というテーマでお話ししたいと思います。
社会保険労務士、いわゆる社労士の仕事は、企業との顧問契約などを通じて、人事労務管理の相談に対応したり、働きやすい職場づくりを支援したりする事です。
法律上の問題や労務トラブルへの対応はもちろん、従業員の方が安心して働ける環境を作る為に、会社と従業員の双方に関わっていく役割もあります。
ただ、顧問契約する社労士事務所はその会社の従業員ではありません。あくまで外部の第三者です。
だからこそ私は、社労士が会社を直接変えるのではなく、会社自身が良い職場を作っていく為のきっかけを与える事が、重要な役割だと考えています。
その為に欠かせないのが、「相談のしやすさ」です。
単に手続きを代行したり、会社から依頼された業務をそのまま処理したりするだけなら、相談のしやすさはそれほど重要ではないかもしれません。
しかし、会社が相談を通じて自分達の組織を良くしていこうと考えるのであれば、私たちは「何かあったらこの社労士に話してみよう」と思ってもらえる社労士である必要があります。
今回は、私が相談されやすい社労士である為に大切にしている3つの事を整理してみたいと思います。
① 専門用語を相手に分かる言葉へ変える
社労士は、人事労務の専門家です。
その為、日常的に法律用語や制度上の専門用語を扱ってお仕事をしています。
ただ、専門家にとって当たり前の言葉が、相談する企業にとっても当たり前とは限りません。
むしろ、専門的すぎる説明を続けてしまうと、
「よく分からないので先生に任せます」
という状態になりやすくなります。
一見すると、専門家として頼られているように見えるかもしれません。しかし、私はこの状態が必ずしも良いとは思っていません。
人事労務管理の主体は、あくまで会社です。社労士の説明を会社側が理解し、自分達なりに考えた上で、最終的な判断をしていく事が大切です。
その為、私たち社労士には、専門用語を使って説明する能力だけでなく、相手の状況や知識に合わせて、分かりやすい言葉に変える力が必要です。
「説明したから終わり」ではなく、「相手が理解できたか」「自分の言葉で説明できる状態になったか」まで確認する事。
相談されやすい専門家になる為には、難しい事を難しく話すのではなく、難しい事を分かりやすく伝える姿勢が大切だと思っています。
② 分からないことは「分からない」と正直に伝える
社労士は、時に「先生」と呼ばれる仕事です。
その為、「何でも知っていなければいけない」と思ってしまう事があるかと思います。
しかし、実際には一人の専門家が全ての分野に詳しいわけではありません。
私自身も、
「この分野については、今の段階では分かりません」
「確認してから改めてお答えします」
と正直に伝える事を大切にしています。
無理に知っているふりをしてしまうと、間違った情報を伝える可能性があります。
それだけでなく、企業側にも、
「専門家が言っているから、その通りにすればいい」
という依存を生んでしまう事があります。
私は、人事労務管理で大切なのは、企業自身が従業員と向き合い、自分たちで考え、判断する姿勢だと思っています。
その為には、社労士事務所と企業が対等でなければならないと思っています。
社労士の方が詳しい事もあれば、その会社の業界や事業について、顧客や従業員自身については、企業側の方が圧倒的に詳しい事もあります。
お互いの得意な事を持ち寄りながら、一緒に答えを考えていく。
その為にも、分からない事を分からないと言える正直さが、相談されやすさに繋がると私は考えています。
③ 自分から歩み寄り、相手に関心を持つ
最後に大切なのは、自分から相手に歩み寄る事です。
人は、自分に興味を持ってくれる人に対して自然と話しやすさを感じます。
これは顧問契約でも同じです。
相談が来るまで待つだけではなく、
「最近、この件はどうなりましたか」
「以前話されていた課題は、その後どうでしょうか」
と、自分から関心を持って声をかける。
クライアントが大切にしている事や、今悩んでいる事に対して、こちらも関心を持ち、一緒に考えている事を伝える。
この姿勢が非常に重要だと思います。
顧問契約では時々、
「今月は特に何も頼んでいないのに、顧問料を払うのがもったいない」
という話が出る事があります。
ただ、本来顧問契約とは、会社が自分たちの目的を実現する為に専門家を活用する関係だと思っています。
その一方で、社労士側も、相談が来なければ何もしないのでは十分ではありません。
実務的な依頼がない時期でも、会社がどこを目指しているのかを普段から理解し、必要な時にすぐ相談できる位置にいる。
その為に、自分から相手に関心を持ち、歩み寄り続ける。
私は、この姿勢こそが、長く顧問契約を続けていく上で最も大切な事の一つだと考えています。
まとめ 相談されやすさは専門知識だけでは生まれない
相談されやすい社労士になる為に、私が大切にしているのは、
専門用語を分かりやすく伝える事
分からない事を正直に伝える事
自分から相手に歩み寄り、関心を持つ事
この3つです。
社労士にとって専門知識は当然必要です。
ただ、知識があるだけでは、必ずしも相談される専門家にはなれないと私は考えます。
相談する側が、
「この人なら話を聞いてくれる」
「分からない事も正直に言ってくれる」
「自分達の会社を本当に気にかけてくれている」
と思える事が、相談しやすさに繋がるのだと思います。
サンキャリアとしても、単に答えを与えるだけではなく、企業自身が考え、行動し、より良い職場を作っていけるように、相談しやすい存在であり続けたいと考えています。
本ニュースをご覧になり、人事労務管理に関するご相談・ご質問等がございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。

執筆者:田村陽太(社会保険労務士)
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
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