【第327回】『持ち帰り残業を防ぐ為に会社が整えるべき事とは?』


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。
本日は『持ち帰り残業を防ぐ為に会社が整えるべき事とは?』というテーマでお話ししたいと思います。
会社で働く中で、業務量が増えたり、仕事のレベルが上がったりすると、就業時間内だけでは仕事が終わらず、自宅に仕事を持ち帰ってしまうケースがあります。
いわゆる「持ち帰り残業」です。
本来、会社が従業員に仕事をさせる場合は、会社の指揮命令に基づいて行われるべきです。
会社が命令していないにもかかわらず、従業員が自宅で勝手に仕事を進めてしまう状態は、会社にとっても従業員にとっても望ましいものではありません。
実際に業務を行っていれば、その時間について賃金の問題が生じる可能性があります。
一方で、会社が把握していない場所や時間で仕事が行われていると、労働時間管理や健康管理の面でも大きな問題になります。
だからこそ、持ち帰り残業は「本人が勝手にやった事」として片づけるのではなく、会社として防ぐ仕組みを作る必要があります。
今回は、持ち帰り残業を防ぐために会社が意識すべき3つの視点をお話しします。
① 仕事の量を適正にする
まず大切なのは、仕事の量です。
従業員は、日々の業務の中で優先順位をつけながら、1日8時間の就業時間内で仕事を進めています。
しかし、上司や経営陣から与えられる仕事量が多すぎると、本人は「このままでは終わらない」と感じます。
その結果、会社に残って残業するのではなく、自宅に持ち帰って作業しようとしてしまう事があります。
特に真面目な社員ほど、納期を守ろうとして無理をしてしまいます。
会社としては、持ち帰り残業を禁止するだけでなく、そもそも持ち帰らなければ終わらない量の仕事を与えていないかを確認する必要があります。
今週中に終わる量なのか?
他の業務との優先順位はを明確にして依頼しているか?
本人が一人で抱え込んでいないか?
こうした確認をしながら、適切なタイミングと分量で仕事を割り振る事が大切です。
② 納期の時間設定を工夫する
次に大切なのは、納期の設定です。
例えばですが、納期が「翌朝の始業時」になっている場合、従業員は前日のうちに終わらせなければならないと考えます。
朝出社してから作業する時間がない為、結果的に自宅に持ち帰って対応してしまう事があります。
また、「明日の午前中まで」と言われても、その午前中に会議や別の予定が入っていれば、本人にとっては実質的に今日中の納期と同じです。
納期を設定する際には、単に日付だけを見るのではなく、その人が実際に作業できる時間があるかを考える必要があります。
どんなに早くても翌日の夕方以降に設定する
午前中に提出してほしい場合は、前日に作業時間を確保する
急ぎの場合は、他の業務を止めてもよいのかを明確にする
このように、納期の時間設定を工夫するだけでも、持ち帰り残業は減らしやすくなります。
③ 完了基準を明確にする
3つ目は、仕事の完了基準を明確にする事です。
管理職が業務を指示する際に、目的やゴールが曖昧なままだと、従業員は必要以上に仕事を深掘りしてしまうことがあります。
もっと質を高めた方がいいのではないか?
過去の事例も調べた方がいいのではないか?
ここまで作り込まないと評価されないのではないか?
このように考え、結果として自宅で追加作業をしてしまう事があります。
これは、本人の責任感の強さでもありますが、会社の指示が曖昧である事も原因です。
だからこそ、業務を依頼する際には、
何の為に行う仕事なのか
どこまでできていれば完了なのか
今回はスピード重視なのか、品質重視なのか
どの段階で一度共有してほしいのか
をあらかじめ伝える事が重要です。
完了基準が明確であれば、従業員は余計な不安を抱えずに仕事を進める事ができます。
まとめ 持ち帰り残業は、仕事の出し方で防ぐ
持ち帰り残業を防ぐ為に大切なのは、
仕事の量を適正にすること
納期の時間設定を工夫すること
完了基準を明確にすること
この3つです。
持ち帰り残業は、従業員本人の努力や責任感だけの問題ではありません。
会社の仕事の出し方、納期の設定、評価の基準が曖昧な事によって生まれることも多いです。
また、私自身の実感としても、仕事は夜よりも日中に行う方が圧倒的に効率的です。
一度プライベートのモードに切り替わった後、再び仕事に戻るには大きなエネルギーが必要です。
夜間は集中力も下がりやすく、見落としやミスも増えやすくなります。
本来休むべき時間に仕事をする事は、生産性の面でも、心身の健康の面でも望ましくありません。
会社が持ち帰り残業を防ぐ事は、従業員を守る事でもあり、結果的に仕事の質を高める事でもあります。
サンキャリアとしても、従業員が本来のパフォーマンスを発揮できるように、業務量・納期・評価基準を整えた労務管理を支援していきたいと考えています。
本ニュースをご覧になり、人事労務管理に関するご相談・ご質問等がございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。

執筆者:田村陽太(社会保険労務士)
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
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