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  • 代表 田村陽太

【第31回】日本企業が海外駐在員の労務管理を行う上で重要な事(➁海外駐在員勤務時の給与待遇・福利厚生・職務内容・人事制度等の社内設計を行う上で重要な事 前編 )


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。


明けましておめでとうございます。昨年は大変お世話になりました。

今年も多くの事業者様の身近な戦略的パートナーとなれるよう精一杯頑張って参りますので、引き続き宜しくお願いいたします。



本日は【海外駐在員を派遣するまでの人事部がすべきステップ】の第二段階目、➁海外駐在員勤務時の給与待遇・福利厚生・職務内容・人事制度等の社内設計を行う上で重要な事(前編)をお話致します。



海外駐在員として、日本企業の海外支店の一戦力として働く事は、言語や文化、時差、地理的な問題等の影響から、駐在員自身が派遣される前に想像しているものよりも大変ハードなものという印象を駐在員の方からよく聞きます。



また、単身で海外駐在に行くだけでなく、配偶者や子供と一緒に同伴して海外駐在する場合には様々な生活費や子供の教育費、現地での情報収集に必要な書籍やネット媒体ツール等にかかるコストも発生します。



そのため多くの企業では海外駐在員の給与待遇に関しては日本で勤務するものと別のシステムで運用している企業が多いです。




海外駐在員の給与待遇を決定する際の考え方として以下の3つがあります。



・購買力補償方式

日本国内で働いていた時と比較して海外で働く事で不利益にならないよう、日本で支払われていた給与と同等またはそれ以上の待遇を与えようとする考え方の支給方式です。民間会社が発表している生計費インデックスと為替レートを参考にしながら給与を決定する方式です。



・別建方式

海外赴任者の給与を海外法人の「給与体系」に則って支払う方法です。




・併用方式

「購買力補償方式」と「別建て方式」を組み合わせたもので、赴任地での一般的な生活水準と今までの日本での生活水準を考慮して、現地の給与水準に近づけて設定する方式です。



上記の考え方に基づき各企業で基本給を設定し、海外駐在員での勤務の独自手当として海外赴任者手当や危険地手当、家族を帯同しての駐在であれば、家族手当や子供の教育費に充てる子女教育手当を設けて、海外赴任者向けの給与規程を作成している企業が多いです。




また海外駐在員として1年以上勤務する場合には日本の税法上非居住者と扱われ、日本の所得税が原則かからず、赴任国で税務申告をしますが、日本本社から役員報酬が支給される場合に関しては国内での所得となり、日本国内の源泉所得税の対象となる等、税務申告の複雑さや現地でかかった税金をどのように日本本社で補助するかの税務アドバイスも重要です。



また派遣中の社会保険料に関しても注意が必要です。雇用保険料や健康保険料・厚生年金保険料に関しても日本本社から給与が出ている場合に関しては継続できますが、社会保障協定国への派遣で5年以内の派遣であれば継続して日本の健康保険・厚生年金保険に加入するため、海外駐在が始まった以降に支払った日本の健康保険・厚生年金保険料に関しては、非居住者の給与となるため、掛け捨てになる場合がある事も注意が必要です。(海外赴任前に年末調整をします。)




また、海外でケガや病気にかかった際の健康保険に関しても、日本国内で給与が支払われる場合には継続して加入しますが、赴任国によってはその海外の国の健康保険にも加入しなければならない場合(二重加入)や、加入しなくて良いパターンもあります。



加入しなくて良いパターンの場合、海外での医療体制が不十分な事から、海外の腕の良い病院への通院費用が高額になるケースもあるため、民間の医療保険に企業で追加加入することも企業が海外駐在員を派遣する際には重要かと思います。




また伝染病やその他感染症に関する予防接種を行う事や、駐在員の健康管理・メンタルヘルス不調対策としてスポーツジムの会員費用の補助、運動器具の補助等を行う事もハードな海外駐在での業務からのリフレッシュ対策として重要かと思います。



以上で、海外駐在員勤務時の給与待遇・福利厚生・職務内容・人事制度等の社内設計を行う上で重要な事をお話しました。次回も続編で詳しくお話していきたいと思います。