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  • 代表 田村陽太

【第56回】貿易実務書類の準備方法(輸出編④)


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日のテーマは、前回の続きで、海外企業と商談を行うステップで相手企業との契約締結時に必要とされる「貿易実務書類の準備方法(輸出編④」についてお話していきたいと思います。



無事にL/Cの開設が海外顧客の銀行を通じて無事に終了し、注文書(PO)に基づいた契約内容もL/Cに記載されており、契約に基づいた納期通りに生産を行った後、海外へ輸出する際に必要な、輸出物の検査を受け、輸出の許可を得て税関を通過させる手続きである「通関」のプロセスにおいて重要な、貿易実務書類に関してお話していきたいと思います。



通関時に必要とされる貿易実務書類の代表的なものとして以下が挙げられます。



・インボイス(Invoice)

・パッキングリスト(Packing List)

・原産地証明書 (Certificate of Origin)



インボイスとは、輸出者が輸入者に対して売買契約に基づいた商品を「正しい内容」で、「正しい金額」で、「正しい契約条件」で輸出したことを証明する書類です。



インボイスは、契約通りに輸出された商品である事を示すものであるだけでなく、輸出物が大量破壊兵器や軍事兵器等に転用される恐れがないかを証明する書類としても意味します。



外為法において製品が軍事兵器等の転用に利用されず、安心して輸入先で使用されることを促す安全保障輸出管理が全世界で徹底されています。リスト規制やキャッチオール規制等、海外輸出には細かい輸出時のルールが存在し、輸出物が規制に違反しない商品なのか、輸入先がキャッチオール規制の未加入国なのかどうか等、本来輸出する際には細かい事前調査が必要です。



自社で製作した商品が規制に違反しないかどうか、商品を輸出する先の国は規制対象国なのかどうか等の事前調査を行った後、会社として海外輸出を適正に行ったことを証明する意味合いがインボイスにあるので、契約内容に基づいてしっかりと記載する必要があります。



パッキングリストとは、輸出した商品の梱包内容について詳細に説明している書類です。



輸出した製品を木枠や段ボール等で梱包し、そのカートン一つずつにどのような商品が何個入っているか、商品の総重量はどれくらいか、梱包物込みの総重量はどれくらいか、カートンの大きさは縦×横×高さでどれくらいか等、輸出者が梱包物をどのような形態で輸入者に対して輸送したかを証明する書類です。



貨物船に商品を搭載したコンテナで輸出する上で、コンテナの商品のどこまでが自社の製品なのかを明らかにするためにこのパッキングリストは重要です。



コンテナで輸出する際の方法としてはFCLとLCLの二つがあります。FCLは自社でコンテナを丸ごと一つ貸し切って輸出する方法、LCLとは一つのコンテナを複数の会社で貸し切って混載して輸出する方法です。



FCLの場合は自社の商品のみですので、貨物の引き取り時に間違う可能性は比較的少ないですが、LCLの場合は、複数の会社に商品が混載しているため、間違って荷物の引き下ろし(デバンニング)してしまう可能性も高いです。そのような事を防止する為、パッキングリストは重要な役目を果たします。



また、輸入時の税務申告でもパッキングリストの内容に基づいて税金の額が決まりますので、輸入者の信頼獲得の為、確実に記載するようにしましょう。



原産地証明書とは、字のごとく貨物の原産地を証明する書類ですが、この書類を必要とされる場合は大きく二つあります。



一つは、輸出先の国が法規制で輸入を禁じている国の産品ではないことを確認するためや、輸入者が原産地名を商品に記載する際の担保として必要とする場合です。



もう一つは、経済連携協定(EPA)税率の適用のため、原産地を証明する必要があるという理由です。協定国から輸入する際には、通常の関税よりも安い金額で輸入する事が出来る為、輸入者から求められる事が多いです。



原産地証明書は商工会議所が申請の窓口となりますので、輸入者から求められた場合や輸入者の国の法規制で必要とされると分かった際は一度相談してみる事をお勧めします。



今回は、「貿易実務書類の準備方法(輸出編④)」に関してお話させて頂きました。輸出する際には契約前、契約後、輸出前それぞれのタイミングで準備しておく貿易実務書類が違う事がご理解できたかと思います。



輸出の際に貿易実務書類の準備が必要な事は勿論ですが、一番大事な事は、貿易実務書類はあくまで「海外顧客との契約のツールであり、手段である」という事です。まずは顧客との信頼関係の構築や契約内容のすり合わせを確実に行い、都度メールでのコレポンや貿易実務書類等の書面に落とし込む事が海外顧客とビジネスを行う上で非常に重要です。



次回以降のニュースも引き続きどうぞよろしくお願いいたします。


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