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  • 代表 田村陽太

【第61回】海外販売代理店の決め方(契約編)


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日のテーマは、「海外販売代理店の決め方(契約編)」についてお話していきたいと思います。



自社製品を海外展開するにあたって、いきなり海外に工場等の現地法人を設立するのではなく、海外で自社製品の販売代理店となってくれる会社を探し、代理店契約を締結する事から始める事が、リスクが比較的低く、安全な海外展開方法として良いでしょう。



その代表的な理由としては以下が挙げられます。

➀海外市場の売上の目途が立たない為。

②海外での人材の確保を行うのが難しいため。

③海外での法規制や税務関係等、経営管理が大変なため。



海外代理店に任せておけば、契約の内容次第ではありますが、会社を運営する上でのコストとなる工場の賃料や人件費等の固定費を圧縮する事が出来、また海外に精通した現地代理店によって自社のブランドの積極的な宣伝や拡販をしてくれる可能性が高まります。



まず、海外で販売代理店契約を締結する際には大きく二つの方式がある事を理解しておくことが大事です。それは、ディストリビューター(販売店)方式・エージェント方式(代理店)方式の二つです。



ディストリビューター(販売店)方式とは、自社の製品の販売権利を譲渡し、販売価格の決定や購入管理、在庫管理、販売促進等を販売店に一任して行ってもらう方式です。



販売店が販売価格の決定権を持つことが出来るため、仕入れの金額や販売金額のいかんによっては転売差益が高まり、大きな収益を得る事が出来ますが、在庫や代金回収リスク、顧客からのクレーム対応を販売店が責任を持たなければならないデメリットもあるため、海外代理店を販売店に選択する際には契約内容に関して厳重に注意する必要があります。



エージェント方式(代理店)方式とは、自社を代理して当該地域での売買契約を、手数料をもらってサポートする契約関係で、製品の発注や価格の決定は自社が顧客と直接行います。



あくまで自社と顧客の販売契約の間を取りもって業務を行うのが代理店方式での業務の基本となりますが、販売価格のコントロールが出来ず、会社本体からの製品やサービスについての技術提供や情報提供が限られてしまうため、代理店の製品・サービス販売のモチベーションが上げにくい事がデメリットとして挙げられます。



どちらの契約方式で行うかに関しては既に競合他社がいるのかどうか、製品・サービスの在庫性が高いものであるのかどうか(ロスが頻繁に発生する商品ではないのかどうか)、進出国の政治的経済的動向や治安がどうなのか等を総合的に判断する必要があります。



また、その販売店や代理店に対して、その国の他の企業に対しての販売権を与えず、独占的に販売してもらう権利を付与するか「エクスクルーシブ(Exclusive)」、他の企業も販売できるものとするか「ノンエクスクルーシブ(Non-Exclusive)」を決める事も重要です。



そして、代理店の月次、年次における最低販売量を設定するか、決めずに契約期間と年会費や登録費用をどうするか等の契約内容も詰めていく必要があります。



ただ重要な事として、販売店契約、代理店契約をどちらに締結するにしても、一度契約したら内容の見直しを行わずそのままにしてしまうという事はやめましょう。



契約を締結する上で、現地の販売代理店からのよくあるクレームの一つとして、販売実績や目標達成度に対して手数料や契約内容が見合っていないという事です。



ついつい販売代理店の売上の調子が高くても、「自社の製品やサービスの質が良いからだ。」「自社から代理店へのフォローが適切だから大丈夫だ。」「販売価格に対して〇〇%の手数料だから現地相場に比べて高いから大丈夫だ。」のような慢心が、日本本社が海外営業を行う上で社内に蔓延してしまい、海外事業が失敗に繋がってしまうというのは良くあることです。



定期的に販売代理店の成果や実績を確実にチェックし、また評価を行い、それに対する現地への明確なフィードバックを行いながらも、少なくとも毎年1回は契約内容の見直し(内容自体が変わらなくても実施は必須)を行う事が重要です。



本日は「海外販売代理店の決め方(契約編)」についてお話しました。次回はフォロー編をお話したいと思います。