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  • 代表 田村陽太

【第67回】海外現地法人設立の進め方(②海外拠点形態の決定方法その2)


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は「②海外拠点形態の決定方法(その2)」についてお話していきたいと思います。



前回のニュースで、代表的な海外拠点形態である(1)駐在員事務所、(2)海外支店、(3)現地法人のうち(1)と(2)の決定方法についてお話しました。本日は(3)現地法人設立のタイミングについてお話していきたいと思います。



現地法人とは、日本本社と別法人として登記され、自己資本や株式等の出資を受けて資本を運用し、海外で本格的に事業活動を行う海外拠点形態です。会社としての機能の全てを兼ね備えた「日本本社のグループ会社海外版」という理解が分かりやすいかと思います。



現地法人を設立するメリットとして大きい代表的なものは、

・現地労働者の雇用に必要な人件費のコストが安い。

・法人税等の税金が日本と比較して安い。

・海外で資本運用すると日本よりも金利が高くつき、法人全体の資産運用に効果的。

・銀行等の融資だけでなく、投資家等からの資金調達の可能性も広がる。



が挙げられます。また駐在員事務所や海外支店と比較しても、営業行為だけでなく工場の設立等の生産活動にも着手できる可能性が高まるので、海外顧客の大口顧客が見込まれ、人件費の圧縮や社内の生産性向上を通じた「効率的な海外事業活動を行いたい」企業は現地法人という海外拠点形態は向いているかと思います。



現地法人の出資比率のパターンとして「独資(日本法人100%出資)」と「合弁(日本法人と現地パートナー企業で出し合って出資)」がありますが、進出国によっては合弁での出資かつ現地企業の出資比率が50%以上を占めなければならない場合もあり、現地法人の経営の決定権の占有が難しかったり、利益・配当の分配が少なくなってしまったり等のデメリットもありますので、現地法人設立時には注意が必要です。



また現地法人を運営していく中で重要事項の一つとして、現地従業員の採用面接や雇用契約の締結、人材の定着等「従業員のマネジメント」を行わなければならないという課題もあります。



ローカルの社員の採用に関しては直接現地法人が求人募集をかけて行うパターンもありますが、一度入社したローカル社員の紹介等の縁故採用で新規従業員を雇用せざるを得ないパターンも頻繁にあります。



入社した従業員によって現地法人の職場の風土やカラーが変わってきますので、縁故採用だけでなく、現地の懇意にしている人材紹介会社や現地で提携している弁護士事務所や会計事務所からの紹介等で雇用する等も念頭に置いておくことが重要です。



また雇用契約に関しても給与額と業務内容に関しての提示を明確にし、決して人材紹介会社任せにせず雇用契約締結時に必ず同席するようにしましょう。また日本の労働法と違って、休日や休暇の事項等海外と日本で異なっている事項もありますので、現地国の労働法についての理解は確実にする事と、不明点があれば必ず採用前に各紹介会社等に確認する事が重要です。



最後におさらいですが、現地法人の設立のタイミングとしては、

①海外支店と比較して、法人税等の税金を含めたコストと売上を考慮した結果、配当の分配をカバーしても利益を確保できる

②10年20年と長期的に考えて様々な逆風(大口顧客の流失、従業員の採用難や人件費増等)が起こりうる中でも現地法人の進出を考えた方が総合的にメリットが大きい



上記二つを特に考慮する事が海外現地法人を設立する際に重要です。弊社でも海外進出時の形態に関する相談もお受けできますのでまたご相談くださればと思います。



今回は②海外拠点形態の決定方法(その2)についてお話しました。次回は③現地法人設立成功の秘訣(現地サプライヤー調査発掘編)についてお話させて頂きます。