検索
  • 代表 田村陽太

【第68回】海外現地法人設立の進め方(③現地サプライヤー調査発掘編その1)


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は「海外現地法人設立の進め方(③現地サプライヤー調査発掘編その1)」についてお話していきたいと思います。



前回までのニュースで、海外進出する際にはどのような法人形態や事務所形態で考えれば良いかのポイントをお伝えしました。



今回は、現地法人を設立する際に重要な事の一つとして挙げられる、現地での部品や資材の仕入れを行ってくれるサプライヤーをどのように発掘していくか、またそのサプライヤーが自社の現地法人の事業活動において適当なのかどうかを調査するために重要な事をお話していきたいと思います。



例えば、現地法人を設立する事が多い主な業種として取り上げられる製造業で考えてみると、全体的なプロセスは比較的簡易的な加工塗装組立等を海外現地法人で行い、ある程度完成した製品を日本に逆輸入し、日本工場で更に加工、検品、出荷するという流れが多いです。



現地法人の比較的安価な人件費を使って製造する事がオペレーションコストを削減する事に繋がり、製品の価格競争力が高まる事は間違いないですが、一方で、「製造組立で必要な部品や資材をどのように仕入れるかが大きな問題である。」と現地法人の駐在員から大変な事としてよく聞きます。



現地法人の進出国によっては、一定以上の仕入れは進出国内のサプライヤーで対応しなければ、日本からの輸入関税を高くしたり、現地法人の海外での税務申告上優遇が受けられなくなったり等の問題点も発生しますので注意が必要です。



そのような背景の中、出来るだけサプライヤーからの仕入れを現地の進出国で対応するために、どのように発掘すれば良いか以下の点から考察していく事をお勧めします。



➀日本企業のサプライヤーと一緒に現地法人を設立する



日本国内で部品を供給してもらったり、試作部品の組み立ててもらったり等の依頼をしていた日系の協力メーカーに、一緒に現地法人を立ち上げてくれないかの相談を持ち掛ける事が選択肢として挙げられます。



発注方法や納期等の管理的な問題を無くしたり、製品製作の指示や品質の担保等の製造プロセスの円滑化を図れたりすることがメリットとして挙げられます。



デメリットとしては、ある程度の海外での売上見込が担保できないと、協力メーカーが現地法人進出に興味を持たない事と、協力メーカーが海外進出した後々、海外事業自体の売上が低下した際の企業間の信用問題に繋がる事がある事に注意が必要です。




②現地に既に進出している日系のサプライヤーにコンタクトを取る



日本国内では今までお取引が無かったが、海外進出と同時に連絡を取ってみて、部品の供給や試作等の依頼に応えてくれないか相談してみるという事も選択肢の一つです。



メリットとしては、日本の商習慣が事前に共有されているので、価格交渉や納期決定等の取引が比較的円滑に進みやすいという事が挙げられます。



デメリットとしては、現地のローカル企業と比べて比較的コンタクト自体が取りにくく(門前払いが多い事もあります)、また日本本社との意思伝達の遅れによる購入意思決定プロセスに時間がかかる事もあり、発注の仕様の変更等で時間ロスや受注の機会ロスが発生する事が挙げられます。



③日本で外注していた部品を現地法人で内製化する



これは上記①で取り上げた内容の規模が小さいバージョンと考えてもらえば良いです。日本でお付き合いしていた日系の協力メーカーで製作していた部品を現地法人の工場で内製化するという事です。



良くある例としては、日系の協力メーカーの技術指導者に出張ベースもしくは派遣の形で来てもらい、現地法人の工場労働者に技術指導をしてもらうというパターンが挙げられます。



メリットとしては、協力メーカーにとっては少ないリスクと費用で海外進出の機会や売上を得る事が出来るので、賛同を得やすい事が挙げられます。



デメリットとしては、基本的には協力メーカーの技術者を指揮命令下において業務をさせる事が出来ず(あくまで企業間同士では請負の関係)、また海外派遣とする場合には協力メーカーに派遣業の許可を申請してもらう等負担をかけてしまう事が挙げられます。



今回は海外現地法人設立の進め方(③現地サプライヤー調査発掘編その1)についてお話しました。次回は現地サプライヤー調査発掘編その2についてお話させて頂きます。