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執筆者の写真田村陽太

【第69回】海外現地法人設立の進め方(③現地サプライヤー調査発掘編その2)


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は「海外現地法人設立の進め方(③現地サプライヤー調査発掘編その2)」についてお話していきたいと思います。



前回までのニュースで、海外現地法人が現地サプライヤーからの部品・資材の供給を円滑に行うために重要な事や、サプライヤーと関係性を築くためにどのように進めれば良いかのポイントを、日系企業のサプライヤー発掘に焦点を絞ってお伝えしました。



今回は現地ローカル企業の発掘と自社の現地法人の事業活動において当該ローカル企業が適当なのかどうかを調査するポイントを中心にお話したいと思います。



それでは前回からの引き続きで、どのように発掘すれば良いか以下の点から考察していくポイントをお伝えします。



④現地ローカル企業にコンタクトを取り、発注してみる



ローカル企業に連絡する前に重要な事は、まずは自社の製造プロセスにおいてどの工程の生産性を高めたいか、例えば人件費等のコストが高いか、製造品質が担保できていないかを正確に見極めて、その欠点や課題を整理する事から始まります。



自社で外注するべきポイントの整理が出来れば、次はその工程の専門性を発揮できそうなローカル企業にコンタクトするという流れです。



そしてそのコンタクトの方法としては、

(1)現地でお付き合いのある日系企業(同業種・異業種の完成品メーカー等)に聞いてみる

(2)JETROの駐在員事務所に聞いてみる

(3)日本国内の大使館の商務部に聞いてみる

(4)海外の国独自で行っている公的な産業振興センターに聞いてみる

(5)現地の日系の商社に聞いてみる

(6)インターネットで検索してみる

(7)ローカル企業からのメール等での営業の際に問い合わせてみる



等が挙げられるかと思います。



(1)→(7)の順に、今までに当該ローカル企業との接触が無い事から、適性なローカル企業の発掘可能性や発掘率が下がってくると考えられます。



一番良いのは、(1)の既に自社と同規模でお付き合いしている現地日系メーカーの担当者に良いサプライヤーを紹介してもらう事が良いでしょう。



ただし、ロット数や納期等によって販売価格等が異なりますので、価格交渉等は自社が直接紹介して頂いたサプライヤーと行うようにしましょう。紹介してくれた日系メーカー経由で交渉して日系メーカーの手間や迷惑をかけないような配慮が必要です。



(2)(3)(4)は国や政府が公的に行っている産業振興事業を利用して、コンタクト先を引き出す方法です。機関によってはお付き合いのある企業リストを送付してくれたり、ローカル企業を検索できる現地で運営しているホームページを紹介してくれたりする事もあります。



(5)に関しては、膨大なデータベースやこれまでの商談の経験から多くのサプライヤーを知っていることが利点として挙げられます。ただ紹介料として商社に対してのマージンが発生する事やサプライヤーの選定に関して主導権を握りにくいことがデメリットとして考えられます。



(6)(7)はある意味自社の今までの商談ノウハウや会社の見極め等、これまでの「海外経験」が存分に問われる方法です。むやみやたらにコンタクトしてみるのではなく、まずは企業HPを見てみて、具体的な製品事例や会社の経営理念等を調査してみましょう。動画やブログ等があればそれらも合わせて参照してみましょう。



そして「これだ!」と思うローカル企業があれば、まず直接会うのではなく、メールにてしばらくやり取りを行ってみる事をお勧めします。メールの文面には担当者の人柄や会社の風土、組織間の体制、自社技術や相手企業の関心・理解度がどうであるかが如実に表れます。



メールでのやり取りがスムーズにいかない、聞いたことに対して的外れな回答をしてきた等、交渉の上で怪しかったりおかしかったりする点があれば次の面談や発注をしないという判断も大事です。



今回は「海外現地法人設立の進め方(③現地サプライヤー調査発掘編その2)」についてお話しました。次回は現地サプライヤー調査発掘編その3についてお話させて頂きます。




執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナーとしてPRブランディング事業も手掛ける。



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