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  • 代表 田村陽太

【第74回】海外売上向上の為のマインドセット(輸入編)


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日のテーマは、「海外売上向上の為のマインドセット(輸入編)」についてお話していきたいと思います。



企業が海外市場で売上を上げていく為には、自社の製品・サービスを海外顧客に購入してもらい、継続的な商品購入に繋がるような新製品の開発や商品提案、メンテナンスサービス等の顧客満足度向上の為の企業施策が重要な事は間違いありません。



ただ、昨年からの新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延から、展示会や商談の為の海外出張に行く機会の減少やオンラインでの商談の場の増加により、かつては日本ブランド、日本製品だからという理由で海外顧客に購入してもらっていたのが、簡単にユーザーから購入してもらえなくなってきています。



その理由として一番大きいのは、オンライン業務への移行に伴い、海外の顧客自身が直接担当者から商談時に感じる販売に対する熱意や思い、誠実さを受け取りにくくなった一方、商品の性能や効果、当該商品を導入する事でのメリット等、より「自社に意味がある商品やサービスが欲しい」という企業の意欲が強まったことだと考えます。



例えば、商談を行う前に、事前に相手企業を調査するためのホームページが整備されているのかどうか、Youtube等動画コンテンツの充実さやSNS等で積極的な情報発信が行われているのかどうか、利用者の口コミはどうなっているのか等、face to faceで商談しなくても相手企業について情報収集する事が可能になり、そしてその姿勢さえあれば企業の営業活動としてもある程度十分であると理解し始めてきた事が大きな一因だと考えます。



商談をする為に海外出張に行く事や海外展示会に積極的に出展する事が、今後海外事業活動において日本企業にメリットになるとは必ずしも言えなくなってきています。



その為、日本企業は海外事業の売上を上げる為に、海外顧客から自社を知ってもらう為のツール、例えば上記で挙げたような自社HP、Youtube等の動画コンテンツ、各種SNSの整備や情報発信を行っていく事はこれからの時代では必須です。



そして、もう一つ海外事業を攻略する上で重要な事は、輸出だけでなく、「輸入を積極的に行う」事も海外事業展開の重要なアプローチであるという事です。



海外企業に輸出をすれば自社の「売上」になりますが、海外企業から輸入を行う事は、簡単に言うと会社の「経費」となります。そのような意味で、自社が小売店でも商社でも無ければ、直接的な海外売上とならない輸入を積極的に行うメリットを感じられない企業も多いのではと思います。



海外事業をこれから攻略する為に、企業が輸入についてもアプローチとして行っていくべき理由としては、



➀海外取引の進め方や注意点を、取引を通じて理解することが出来る

②比較的海外企業とコンタクトを取りやすく、更なるコネクションに繋がりやすい

③自社の強みの洗い出しや海外顧客への逆営業・逆提案が行いやすい



事が挙げられます。



➀は、輸入のやり方を理解すれば、今後自社が輸出者となった際にどのような点について注意すれば良いか、どう交渉すれば輸出が有利に出来るかを理解する事に繋がります。海外企業は契約書主義の企業が多いので、輸出者である海外企業の実務対応をウォッチする事で勉強になる事も非常に多いです。



②は、自社が購入者であるがゆえに、相手企業としても海外売上となる案件なので、輸出と比較して引合のオファーをした際にもコンタクトが取りやすいというメリットがあります。商談がうまくいけば、さらに相手企業と良い関係を構築でき、将来的には他の海外企業を紹介してもらえる可能性も秘めています。



③は、海外企業の製品を実際に輸入してみる事で、日本市場で今後販路展開する際には自社の技術やサービスをこのように生かしたら良いというようなアイデア出しに繋がり、自社の技術ならこのように貢献できるというような自社の強みの洗い出しにも生かされます。

また、輸入を通して相手企業としっかりとした関係性が出来るので、たとえ日本企業が逆営業したり、逆提案したりしても、無下に海外企業が断りにくいという意識的な制約や営業面からのメリットもあります。



まとめますと、輸入を行う事は決してコストではなく、自社の製品の強みを洗い出し、人脈等のコネクションを創出し、今後自社の製品を海外に販売する際の貿易実務の知識を得る事が出来る大変有益なアプローチですので、海外事業をこれから攻略したい企業は是非ご検討下さればと思います。



今回は、「海外売上向上の為のマインドセット(輸入編)」についてお話させて頂きました。次回は、貿易実務書類の準備方法(輸入編➀)についてお話していきたいと思います。