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  • 代表 田村陽太

【第76回】貿易実務書類の準備方法(輸入編②)


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日のテーマは、海外企業から製品を輸入する際に書類作成の必要がある「貿易実務書類の準備方法(輸入編②)」についてお話していきたいと思います。



③ヒアリングシート

 自社の生産工程や工場環境に適した商品を客先から円滑に輸入出来るかどうかを事前に確認する為にヒアリングシートを使って相手企業に綿密に事前確認する事が重要です。



 確認すべき代表的な点として

(1)対応電圧、アンペアの確認

(2)輸入する機械の耐熱、耐湿状態の確認

(3)本体と付属品のチェック

(4)各オプションの詳細と価格

(5)操作手順について(動作マニュアルや取扱説明書が附属してあるかどうか)

(6)輸入時の通関チェック



が挙げられます。(1)~(3)に関しては、海外で標準とされている製品仕様が日本国内の法規制や工場の安全衛生基準に適合していない場合があるので、まず輸入する上で必要とされる自社の環境(電源チェックや工場の温度環境等)がどのようなもので、それに耐えうる輸入製品なのかどうかを確認する必要があります。



また(4)に関しては、海外製品の標準装備とされている機能と別添のオプションとなる使用に関しての機能を細かく確認しましょう。カタログをチェックしたり、商品説明を受けたりした際には必要だと考えていたオプションも、日本国内では不要であった、もしくは利用できない仕様である事も多々あるので確認が必要です。



(5)に関しては、製品の簡単な使い方やインストールの方法についての動作マニュアルや製品の取扱説明書がしっかりと添付されている事を確認しましょう。海外の製品の中には、他国で使用されることを想定されておらず、取扱説明書が添付されていなかったり、自国の言語での取扱説明書しか作成されていなかったりする場合があります。



取扱説明書や動作マニュアルの内容が不十分な事により、製品購入後に具体的な使用方法が分からず、本格利用までに時間を要したり、間違った使い方をしてしまい使用前から故障させてしまったりする可能性がありますので、見積書作成依頼等の本格的な商談に入る前に確認しておくことが重要です。



(6)は、日本で海外製品を輸入する際には、関税法で規制される輸入禁止項目でないか、または外為法にて規制される輸入時に許可・承認を得るものでないかを綿密に確認する必要があります。



化学兵器への転用が可能な製品や、日本国内の著作権や商標権等の知財関係を侵害する製品等は輸入規制の対象となっておりますので、事前に輸入する製品が規制に該当する可能性がある場合は税関に確認する事が重要です。



上記(1)~(6)が主にヒアリングする項目ですが、一番良い解決策としては、これから製品を輸入する海外企業に「日本への製品輸出実績があるか」を確認する事です。日本への製品輸出実績があれば、製品購入前の上記懸念点に円滑に回答・対処する事が出来ますし、輸入後の納品フォローも手厚く行ってくれる指標となるためです。



④テスト実施、報告書の作成依頼

海外製品を輸入する上でのトラブルとして良く挙げられる事として、期待していた機械の目標値が輸入後達成できなかったという事です。カタログや製品紹介ページでは機能性が良いと信じていた製品が、実際に輸入して利用してみたら使い物にならない場合も多々発生します。



これは、先述した自社の生産工程や工場環境が海外のそれと大きく内容が違う事に起因しております。事前に会社の工場やオフィス等の利用環境やテストサンプルの情報を相手企業に共有し、自社の環境と完璧に同一でなくても、最大限自社と一緒の環境下で輸入製品をテストした際にどのような結果が出るかを確認する事が非常に重要です。



理由としては、これを事前に行う事で、事前にテストした内容と大きく違う結果が製品購入後に起きた際に、契約違反という理由で相手企業に損害賠償やクレームをしやすくなるためです。また、見積書を作成する前に相手企業に製品の改善やメンテナンスを促す事により、値下げ交渉がしやすくなり、今後の商談を有利に運ぶことが出来るので、確実に事前テストは実施しましょう。



今回は、「貿易実務書類の準備方法(輸入編②)」に関してお話させて頂きました。次回は続編で貿易実務書類の準備方法(輸入編➂)についてお話していきたいと思います。