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  • 代表 田村陽太

【第77回】貿易実務書類の準備方法(輸入編➂)


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日のテーマは、海外企業から製品を輸入する際に書類作成の必要がある「貿易実務書類の準備方法(輸入編➂)」についてお話していきたいと思います。



⑤見積書


製品カタログや価格表、ヒアリングシート等で自社の環境に適した商品を輸入する事が出来ると確認できた場合、次に対応する事が見積書の作成依頼です。


見積書に関しては、第54回のブログにも記載しておりますが、


・貿易取引条件(建値)

・支払条件

・納期



の3点は特に気を付けて記載しましょう。貿易取引条件(建値)に関しては、輸入が初心者である場合に関しては、CIF等の客先が輸送費や海上保険費用込みで対応してもらう方がハンドリングしやすいです。



ただ、CIF等客先が船舶・保険を手配するデメリットとしては、客先が船舶費用や国内輸送費等の見積金額を多少上増しで計上している場合があったり、船舶の予約を客先が行うので、貨物の到着が遅れたり、輸送状態の途中経過をトラッキング出来にくかったりする事があります。



建値を決める際には自社でお取引しているフォワーダー(乙仲・通関業者)に海外・国内輸送の手配や保険手配の見積をかけ、自社フォワーダーの見積金額と客先の見積金額を比較し、また業務・責任範囲や日頃のメールでのやり取り等を総合的に判断して決める事が重要です。



支払い条件に関しては、T/T送金もしくはL/C決済の二つのパターンが考えられます。

T/T送金とは電信送金というもので、銀行振込の海外版のようなものです。L/C決済とは、第55回のブログにも記載しておりますが、輸出者が確実に代金を回収し、輸入者が確実に機物を受け取る事が出来るように、自社、客先でお付き合いをしている銀行を経由して取引するプロセスとなります。



あくまでL/Cを使ったからと言って、銀行が輸出者、輸入者共に売買契約内容が正しいかどうかを審査したり、契約内容に違反した際に契約内容を保証してくれたりするわけではなく、代金支払いのルールを銀行内・銀行間で運用し、それに基づいて代金の送金を行うといういわば「銀行の商品」という意味合いです。



L/C取引は、ドラフトのチェックや取引の契約条件通りに商品が輸入出来るかも大事になってくる等、手続きが煩雑で多大な注意を払う必要があります。また、輸入者としてはL/Cを開設する費用や万が一L/Cの期限を延長する必要があった場合の手数料等も発生するので多額のコストが発生する場合もあります。



海外顧客と初めてお取引をする際にはT/T送金の方がL/Cと比較して手続きは対応しやすいですが、支払い条件によっては、機物が到着する前に輸入者が前金を支払わなければならない等、代金だけ支払って輸出者から機物が届かない等のリスクを負う事となります。



T/T送金での支払い条件の交渉(機物輸出前に〇%、日本到着後〇%の分納にする等)が難しい場合の次のステップとして、L/Cを提案する等行う事が良いかと思います。



納期に関しては、輸出者の工場出荷日がいつなのかを確実に明記してもらう事が重要です。「7週間~9週間」のような曖昧な表現ではなく、ある程度の納期を聞き予測した上で出荷日を「Before 〇/〇,November,2021」もしくは「90days after receipt of purchase order sheet from us(注文書発行後90日以内)」のように明確に記載するように依頼しましょう。



納期の遅延に関してのペナルティ(例えば、指定した工場出荷日よりも〇日遅れた場合は機物の出荷手続きが完了しているに関わらず全額返金等)や免責条件(例えば、天災やストライキ、クーデター等による出荷遅延は免責かどうか)に関しても、細かく規定する方が良いでしょう。


今回は、「貿易実務書類の準備方法(輸入編➂)」に関してお話させて頂きました。次回は続編で貿易実務書類の準備方法(輸入編④)についてお話していきたいと思います。