こんにちは。サンキャリア代表の田村です。
本日のテーマは、「インバウンド事業を攻略するための社内体制の整備と従業員雇用の秘訣」に関してお話したいと思います。
かつてまでは訪日観光客の増加で観光業や小売業、旅客交通業等において、外国人が日本で消費する旅行消費額の合計は、2019年にて4.8兆円に達し、そして訪日客は年々増加して2019年には3,188万人に達しました。(参照:観光庁「訪日外国人消費動向調査」)
湖北省武漢市を起点とされた中国全土に感染が広がった新型コロナウイルスの影響で、日本の入管を厳しく管理し、海外から来日する人の数を制限したことで、2020年の訪日客は3月が前年同月比93%減、4月から7月は4ヵ月連続で前年同月比99.9%減となるなど、厳しい状況が続いています。(参照:観光庁「訪日外国人消費動向調査」)
そんな中、ワクチンの開発や新型コロナ対策を徹底した事業活動、国民の新たな行動様式の徹底により、以前より新型コロナウイルスの蔓延が抑制されている中で、かつてのインバウンドで潤った事業を取り戻したいという事業者様も多いかと思います。
そこで、今回からは既にインバウンド効果を狙って事業活動を行っている企業やこれからインバウンド事業を始めたいという事業者様がウィズコロナ・ポストコロナでインバウンド事業を成功させるための秘訣や、インバウンド事業をする際に事業者が抑えなければいけないポイント、そしてインバウンド事業を攻略していく為に重要な外国人社員やグローバル人材の活用方法に関してもお話していきたいと思います。
まずインバウンド事業を成功させるためには、なぜ海外の訪日客が日本に来たいのか、何を目的に日本に来るのかを理解しなければいけません。私は今まで海外をバックパッカーで旅行したり、海外の友人やビジネス客を日本でアテンドした経験であったりなど、外国の方と触れ合う機会が沢山ありますが、海外の方が日本に来たいという目的として以下をよく聞きます。
・伝統的な家屋の建築様式を見たい
・日本の衣食住文化を経験したい
・日本の伝統芸能を体験したい
・日本のシステム化された社会を見てみたい
・日本の高度技術・テクノロジーを見てみたい
が例として挙げられます。
日本は島国かつ山林が地形の多くを占めているという特性から、建築様式や採れる食物、人の衣服や性格、考え方等、海外の訪日客のそれらと比べて多くの違いがある事から日本を訪問してみたいという方が多いです。
私が声を大にして言いたい事は、企業がインバウンド事業を行っていくときには「その違いを受容する事、理解する事」が重要という事です。
良くインバウンド事業を始める際の企業が間違うポイントとしては、多く訪日してくれる海外客の国や地域を分析して、その海外の方の地元の文化や風習に寄りすぎた施設やアメニティを整備してしまい、「日本らしさ」が失われてしまう事です。
「お客様から頂いたクレームを無くすことが事業を成功させるために重要」と日本では口酸っぱく言われておりますが、海外の顧客からのクレームは、提供したサービスの質が顧客が求めていたものよりも低かったことに起因するのではなく、提供するサービスの質がどのような内容か、どのような効果があるのかを「具体的に説明していなかった事」に起因します。
そのため、本当は海外の顧客に対して「なぜこの商品はこのような形態なのか」を理由づけて説明すればお客様も理解し満足するはずなのに、顧客とのコミュニケーション不足から客観的なデータやや他人から聞いた一過性のコツを信じて事業を行ってしまい、どんどんと自社らしさ、日本らしさが失われてしまい、インバウンド事業が上手くいかなくなるというループに陥ります。
ですから、企業は海外の顧客に対して商品やサービスを提供する際には、まず自社の提供するサービスのすばらしさを海外の顧客に対して論理的に説明でき、かつ自信をもって言える社内体制や従業員教育を行う事が非常に重要です。
今回はインバウンド事業を成功させるための戦略構築の概論をお話致しました。次回からは訪日観光客が良く利用する業種である、旅客交通業、小売業、宿泊業、飲食業ごとにインバウンド事業を戦略的に攻略していく為の重要なポイントをお話していきたいと思います。
執筆者:田村陽太(社会保険労務士)
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナーとしてPRブランディング事業も手掛ける。
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