こんにちは。サンキャリア代表の田村です。
本日のテーマは「⑧外国人社員が勤務しやすい環境を整備する(2)」についてお話させて頂きます。
(2)入社後
・外国人社員からの相談に乗る事が出来る窓口や担当者を設ける
入社後外国人社員が日本企業で働き始めて、様々な風習や日本人との考え方の違いでストレスが溜まってきます。一番大きいのが日本語でのコミュニケーションストレスです。
思っていた事が上手く上司や同僚に伝わらない事や良かれと思って行った事が部署にとって必要な事ではなく、上司に怒られてしまう事が良く起こる外国人社員のストレスの要因です。
あらかじめ人事部主催で、外国人社員が配属される部署の関係上司や同僚に対して外国人社員との異文化コミュニケーション研修を行う事で未然に外国人社員との付き合い方に対しての免疫力を身に着ける事も重要です。
研修が難しければ、週替わりや月替わりでも構いませんので外国人社員担当者を設けて、定期的に声掛けする体制を作る事も重要です。
その際に注意すべきことは「何か困ったことはない?」と職場での問題点があったら相談してくださいというスタンスで聞くのではなく、今の業務で任されている事、大変な事や仕事のやり方での不明点等、外国人社員が担当している業務を詳しくイメージし、外国人社員自身が自問自答できるような形での質問を心がける事です。
なぜならば、外国人社員の中には職場での弱みを見せる事で自分自身の人事評価に繋がり、昇給や昇格に影響するのではないかと心配し、表面的に強がるような社員も比較的いるからです。外国人社員だから気にする必要な事はないという事ではなく、日本人社員以上に質問の仕方や質問の組み立て方には注意しましょう。
・外国人社員の日本での生活支援をする事
外国人社員にとって職場で働く以前に日本という異国で居住する事自体が異文化なので、本来日本人なら当たり前に行っていることを遵守出来ていない事も良くあります。その理由としては、新聞やSNS等を利用して外国人社員自身で情報収集を行っていても、日本語能力が足りない事や母国での常識で考えてしまうからです。
居住地の市町村の役所でゴミ捨てや役所での手続き等一般的なルールを教えてくれたり、中には英語等の外国語で作成されたルールブック等を配布してくれる役所もあったりしますが、実際にそれをしなければいけない理由や意義に関して深くまで外国人社員が理解している訳ではありません。
就寝時間を除いて、正社員であれば1日の半分を過ごしている会社での生活はただ単に勤務して給料をもらう場所だけではなく、日本の文化や価値観を知り、「日本とはこのような国だ。」「日本人とはこのような人だ。」と外国人社員が日本を判別する大きな要因の場所の一つともなります。
日本人社員が日本の生活でしなければいけないルール、常識はこうであるというあるべき模範を外国人社員に対してしっかりと見せてあげる事、教えてあげる事が何よりも重要です。
例えば税金面ですが、第8回のブログでもご説明しましたが、日本独自の税金徴収システムや様々な納税の優遇制度等、人事関係や税務関係の仕事で働く日本人であれば知っている、いわゆるお得な情報を資料の形で作成しておきましょう。
外国人社員の母国のルールと大きく違うので、しっかりと説明できるような体制にしておきましょう。これは日本人社員の日本の税制度や社会保険制度への理解に繋がり、円滑な労使関係の構築にも良い方向に繋がります。
生活面に関しては、プライベートと仕事の時に関係するルールに関しては特に説明できる資料を作成しておきましょう。例えば車や自転車を乗るルールであれば、自転車の軽車輌としての扱いやウィンカー出しのタイミング等比較的日本人でも感覚で行っている行為に関してはしっかりと説明できるようにしておきましょう。
以上で、外国人雇用をこれから行っていく中で企業がすべき重要な事を連載でお送りさせて頂きました。私がお伝えしたかった事は、企業が外国人社員の為を思って取り組んだ施策への熱意はしっかりと外国人社員にも伝わるという事です。外国人社員が長く日本で戦力として働いてもらうために重要な事をコンパクトにお伝えさせて頂きました。
より詳しくお聞きになりたい際はいつでも弊所までお問い合わせください。ここまでお読みくださりありがとうございました。
執筆者:田村陽太(社会保険労務士)
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナーとしてPRブランディング事業も手掛ける。
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