こんにちは。サンキャリア代表の田村です。
本日のテーマは「③求人募集をかける」についてお話させて頂きます。
外国人社員を雇用する前に、まずやらなければいけないのは、自社の求人募集に外国人社員に応募してもらう事が重要です。その方法には大きく二つあります。
「受け身リーチ型」と「攻撃的リーチ型」の二つです。
受け身リーチ型とは、外国人社員に何らかの手段で直接自社に連絡してもらい、自社で面接等の採用試験を行い雇用に結びつけることです。何らかの手段とは多く手法があるのですが、
・ハローワーク等の公的な求人媒体に掲載する。
・民間会社の求人媒体に掲載する。
・企業合同説明会や面接会等のマッチングイベントに参加する。
・直接行きたい会社の採用情報を見て応募してもらうため自社のHPを拡充する。
が代表的な方法として挙げられます。
攻撃的リーチ型とは、自社の社員や知人、周りの経営者等が今までの人脈や知識を利用して外国人社員を自社に紹介してもらったり、自社から潜在的求職者に連絡してみたり等攻めの姿勢で雇用に結びつけることです。代表的な例としては、
・リファラル採用
・SNSを利用したソーシャルリクルーティング
・ダイレクトリクルーティング
が代表的な方法として挙げられます。
人手不足が深刻化している日本で、受け身リーチ型の手法で求人を募集する事は、コストや時間的な負担もかかりますし、コストに対しての結果(アウトプット)が長期的に考えないと分からない点で、今後は採用数を増やす手段としては厳しくなります。
受け身リーチ型を利用するにしても、単に求人票を掲載して面接の応募がある程甘くはありません。A4一枚程度の企業情報や仕事の内容、待遇・福利厚生等の欄をインターネットや紙媒体を見て、すぐさま応募する事は会社の風土や職場環境等の内部情報が見えない分、求職者にとって非常に心理的ハードルが高いです。
そのため、公的・民間求人媒体以外に自社のHPで、具体的な仕事の内容や一日の仕事の流れ、先輩の声、10年後20年後のキャリアプラン、給与形態等の、求職者がその会社で勤務する事がイメージしやすい仕組みを整備する事が重要です。
日本人社員を雇用するならまだしも、外国人社員を雇用するには、上記の流れの仕組みで採用活動をしたとしてもさらにハードルが高いです。
理由の一つは、求人票の内容を外国人に完璧に理解させることが難しいという事が挙げられます。外国人にリーチさせるための求人票を作成するには多言語化することが重要ですが、外国人に伝わる文章を作成するためには、相手が関心を持っている事や自国の文化的・倫理的特徴を理解する事が重要だからです。
もう一つは、職業観の違いです。日本企業の職業習慣は、年功序列や職能型人事管理が挙げられます。出世する事はジェネラリストを目指す事を意味している企業が多いです。一方で外資系企業の職業習慣としては、実力主義や職務型人事管理等が挙げられ、スペシャリストを目指す事が出世の一つと考えている事が多いです。
頻繁な転勤や職種転換を外国人社員に理解してもらう事、昇級の仕組みが職能型に基づいていると理解してもらう事を、企業としてしっかりと対策をしなければ外国人社員を雇用する事は難しいという事です。
結論として、今後外国人雇用を積極的に行うには、攻撃的リーチ型を取り入れていくべきです。例えばリファラル採用を取り上げてみます。自社の社員の知人に、転職を考えている外国人がいたとした際、その外国人に声をかけてみるよう自社の社員に働きかけてもらいますが、自社の社員がその外国人社員を紹介したいという気持ちになってくれれば声をかけてくれるでしょう。
つまり、リーチの対象が受け身リーチ型は会ったこともない潜在的求職者に対して直接働きかけるのに対し、攻撃的リーチ型は身近な顕在的求職者に対して働きかけるという面でリーチ可能性が高くなり、採用率が上昇するからです。
本日は外国人社員に対して求人募集をするにあたっての手法に関して語りました。次回もこの続きをお送りいたしますのでお楽しみください。
執筆者:田村陽太(社会保険労務士)
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナーとしてPRブランディング事業も手掛ける。
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