• 代表 田村陽太

【第18回】従業員を海外出張させる際の労務管理で重要な事(⑤日本本社での出張時リスクマネジメント体制構築 具体例その1)

最終更新: 4月13日



こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日のテーマは、従業員に海外出張をさせようと考えている企業が労務管理を円滑に行う上で必要なプロセスの第五段階目である、「⑤日本本社での出張時リスクマネジメント体制構築」の重要性の続編、各リスクに対しての具体的なリスクマネジメントの流れや進め方(その1)に関してお話したいと思います。


前回お伝えしましたが、海外出張や海外営業を行っていく中での代表的なリスクは以下となります。




【突発的事件・事故により、赴任者が死傷するリスク】

➀犯罪被害(窃盗、スリ、恐喝、置き引き等)

②テロ・誘拐(自爆テロ、身代金要求等)

➂自然災害(大地震、津波、竜巻、大雨等)

④政情不安(クーデター、反政府デモ等)


【疾病や環境に起因する健康被害等で、赴任者が健康を害するリスク】

⑤感染症(新型インフルエンザ、コロナウィルス等)

⑥大気・環境汚染(PM2.5、自動車排気ガス等)

⑦メンタルヘルス不全(心的負担、過労等)

⑧医療水準の問題(医療機関の不足、誤診等)

⑨飲食物の安全性(水質、化学物質等)



(引用「東京海上日動リスクコンサルティング株式会社 海外危機管理のポイント②海外赴任者の危機管理・健康管理」)



それぞれの起こりうるリスクに対して、どのように企業が予測して対処すれば良いか、また社員のどのような教育をすれば良いかの具体例を以下に説明します。



➀犯罪被害(窃盗、スリ、恐喝、置き引き等)


これらの被害で防がなければならないのは、一時的に被害に遭うだけではなく、刃物で刺される等自身の身の危険を傷つけられる等の二次被害です。



そのため、犯罪被害が多発している地域の犯罪傾向(ケチャップ強盗、ATM強盗)を掴み、Youtube等の動画を使った犯罪をイメージしやすいような研修を行い、犯罪に遭ったからといって逆上せず、その場で犯人に対して安全姿勢を取り、すぐに警察や大使館、会社に連絡するような体制を従業員に周知しましょう。



②テロ・誘拐(自爆テロ、身代金要求等)


例を挙げると、自爆テロ等の爆発事故やテロで銃撃音が聞こえるような事態に遭遇した場合に一番重要なのが社員の身の安全を守る事です。



爆発音や銃撃音が聞こえた瞬間に、まずは「出来るだけ身を地面に這うような形で低く伏せる」事が重要です。その後、音の方向を把握し、出来るだけ低い体勢で音の反対方向に移動する事を徹底させましょう。



サイフ等の貴重品や会社の貸与品であっても移動に支障をきたす場合は、その場で置いて逃げるようなシミュレーションを海外出張に行く社員に対して行いましょう。



➂自然災害(大地震、津波、竜巻、大雨等)



例を挙げると、大地震が起きた際には自らの身の安全を確保するためには、屋内にいる際にはテーブルの下に隠れる等落下物が頭部に落ちてくる事から防ぎ、また続いて火事が起きないように火の元の確認を行いましょう。




屋外にいる際には高い建物から離れ、海から近い所から離れて高台に移動する等の避難行動の意識徹底を国内外問わず行っておきましょう。また大使館等に確認して現在の被害状況等正確な情報を収集し、本社への安否確認を行っておきましょう。


④政情不安(クーデター、反政府デモ等)


クーデターや反政府デモ等発生場所が一定化せず、急な被害を受けたり行動を予測する事が出来なかったりする所が難しいです。大使館等に確認してクーデターやデモが起こる可能性のある地域の情報収集を行い、出来るだけその付近には近づかない事や通勤が必要な際には場合によって自宅待機も取れるような体制を周知させましょう。



また出張国それぞれの宗教的な行事や祝日には繁華街や教会、モスク等の礼拝施設には近づかない事も徹底させましょう。


以上が突発的事件・事故により、赴任者が死傷するリスクが起きた際の企業が行うべきリスクマネジメントの具体例をお伝えしました。次回は後編で、疾病や環境に起因する健康被害等で、赴任者が健康を害するリスクの具体例をお伝えします。

9回の閲覧0件のコメント