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執筆者の写真田村陽太

【第12回】従業員を海外出張させる際の労務管理で重要な事(⓪概論)



こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日のテーマは、自社のサービス・商品を今後海外に輸出し、海外展開する上で重要になってくる海外出張をする社員の労務管理に関して注意すべきことについてお話したいと思います。


新型コロナウイルスの影響で、日本国内から海外へ渡航することが難しくなり、相手国の入国管理局も自国以外の方の入国を厳しく制限している国もあり、出入国前後2週間の自主隔離生活を強いられることから海外出張をこのタイミングでするべきではないと企業決定で海外渡航をキャンセルする企業も増えております。



それでも、海外の企業と長くお付き合いするには実際にフェイストゥーフェイスの連絡を密に取り合い、顧客に信用されること、本気で海外企業とビジネスを行いたいという熱意を伝える事は非常に重要です。



例えば、欧米の展示会に出展し、実際に見込み顧客から大型取引をしてくれる顧客となってもらう過程には、何年間も展示会に出展し、潜在顧客にやる気や誠意を見せる事が重要です。



展示会出展3年後に初めて、海外の顧客から「君たちは3年間ずっと展示会に出ていたよね。3年間も真面目に展示会に出展しているとは感心だよ。是非名刺交換したい。」と言われる事もあります。



WEB会議システムを利用しての面談も最近流行ってきており、海外顧客との商談もわざわざ海外に渡航しなくても良いのでは?という風潮が出てきておりますが、それに頼り切るのは海外のビジネスを今後円滑に行っていく為には難しいでしょう。



そのためには顧客をしっかりと獲得したいという意思や姿勢を顧客に見せる事は必須です。今後も海外出張をするという選択肢は消える事はないでしょう。(またいつかの回で海外展開に必要な企業の条件や海外ビジネスを成功させる秘訣に関してもお話したいと思います。)

前置きが長くなりましたが、そのような中で自社の社員を海外出張に行かせる上で、従業員の労務管理上必要な事をこれからお話していきたいと思います。



最初のうちは社長や幹部等の経営層が海外出張に行く事が多いかと思いますが、新規顧客の獲得や販路が確保され、海外子会社の営業活動も順調に行き、海外販売代理店との信頼関係が築けてきた後は従業員に海外出張を任せる事も出てくるかと思います。


海外と日本は文化や生活様式、考え方が丸っきり違います。今まで海外に行ったことがある従業員であればまだしも、今までに海外旅行に行ったこともない従業員が海外出張に行く事は大変なリスクがあります。


例えば、海外でケガや病気をしたとき。高熱や寒気、下痢、吐き気、食あたり等、慣れない気候と時差ボケ、外国語を使った仕事によりストレスや疲れから上記の症状を患う事が多いです。



一日二日ホテルで寝て治るような病気であれば良いですが、例えば長期化してしまったら?重症になってしまったら?軽症で済みそうだが現地の病院はどうしたら良いか?現地代理店から医薬品を勧められたら飲んでいいのか?ケガや病気の話だけでもお話する事は沢山あります。



仮にその従業員がケガや病気の為亡くなってしまったり、障害が残ってしまったりした場合は、会社にどれだけの損害があるでしょうか。大きい事として従業員からの損害賠償請求リスクがある事、もう一つは企業への風評被害です。(ここでは説明を省略させて頂きます。)



弊所が考える、これからわが社の従業員に海外出張をさせようと考えている企業が、労務管理を円滑に行う上で必要な事は以下となります。


【①海外展開、海外ビジネスを行っていく国の洗い出し、情報共有】

【②海外事業対象国の治安、地理、医療体制、文化等に関する調査】

【③海外現地の連絡体制、大使館等の公共機関、パートナーとの関係構築】

【④海外子会社、海外販売代理店との意思疎通、リスク情報共有】

【⑤日本本社での出張時リスクマネジメント体制構築】

【⑥海外営業部署内での出張知識に関する情報共有】

【⑦海外出張ルート、タイムスケジュールの部署内共有】

【⑧海外出張時の密な連絡、相談体制を確保する】

【⑨出張からの報告、暗黙知等の洗い出し、情報共有】

【⑩ 適宜①~⑤を見直し、⑥~⑨を円滑に繰り返す】


文量の制限が来てしまいましたが、次回以降は各ステップで必要な重要点や具体例等を交えて説明していきたいと思います。お楽しみください。




執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナーとしてPRブランディング事業も手掛ける。



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