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  • 代表 田村陽太

【第22回】従業員を海外出張させる際の労務管理で重要な事(⑧海外出張時の密な連絡、相談体制を確保する)



こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日のテーマは、従業員に海外出張をさせようと考えている企業が労務管理を円滑に行う上で必要なプロセスの第八段階目である、「⑧海外出張時の密な連絡、相談体制を確保する」事に関して重要な事をお話したいと思います。



前回のお話では、社員の海外出張ルートや出張中のタイムスケジュール管理、日本本社の社員が出張中にどのような体制で勤怠管理を行っていけば良いかのお話をさせて頂きました。



海外出張にはトラブルや急な予定の変更がついて回ります。例えば現地顧客の工場への機物の納品やメンテナンスでの出張中に、顧客の要求する水準の生産力やクオリティを出す事が出来ずに営業社員やサービスメンテナンスの担当社員が長期で海外で付きっきりで対応する事もよくある事例です。


その際に本社の対応としては、既に出張で滞在している社員が的確かつ効率よく理解できるような指図をする事が重要です。なぜならば海外の時差の影響で、メールや電話でのやり取りがうまくいかず、現地でのスムーズな業務が滞ってしまうからです。



本社からの指示が滞り、現地の滞在期間が延びるだけであればまだ良いですが、現地顧客が早急に工場や事務所を稼働したいという理由で納期厳守を顧客から言われた場合、出張社員が顧客のクレーム対応に追われる可能性もあります。



また、本社からの業務指示が的確だと思い込んでいて、出張スケジュールを延期したことに関して本社が早急に対応しなかったり、国内での通常業務と同感覚で対応したりする事の理由で、現地の出張社員がクレーム対応でストレスを抱えてしまう事も事例として良くあります。



そのため、日本本社の体制としてスケジュール管理を行うだけでなく、出張社員との密な連絡を欠かさず行う事を心がけましょう。そして本社が確認する事項としては以下が挙げられます。


・タイムスケジュールの進行状況

→予定通り日程は進んでいるのか。

・報告すべき問題(クレーム対応、納期の遅れ等)があるかどうか

→その問題や責任に関しての担当部署はどこか。

・現地社員の体調や健康管理

→出張中でも休日に関しての取得が出来るように指示・配慮しているか



以上が特に重要です。



また海外営業社員で良くある事例として、国内担当の社員と比較して外国語を話すことが出来る、海外経験が豊富である事から責任感や自己肯定感が高く、業務を抱え込んでしまう、業務過多で大変なのにも関わらず、弱みを見せないという事例です。



現地で自分一人の力では既に対応しきれないのにも関わらず業務を多く抱え込んでしまい、誰にも相談できずメンタルヘルス不調になってしまうケースです。



ですので、海外出張社員の方が気楽に相談できる窓口を設ける事が重要です。社内の従業員で運営する場合は該当社員が所属している部署や業務の関係上関わりがある部署の社員ではなく、第三者の部署、出来れば人事部が中心となって運営するようにしましょう。




そして、海外営業部にも相談窓口担当を決めて、人事部から海外営業部に適切なアドバイスが出来るように、定期的に人事部と情報共有を行う事が重要です。


または外部の機関と業務委託をして相談窓口を設ける事も一つの手段です。産業医のような医療の専門家やカウンセリング会社等の民間企業、社会保険労務士等の士業やコンサルティング会社に外部委託するというのも一つの手段です。


弊所でも企業単位での労務顧問サービス以外に、海外営業部等の部署単位での労務顧問やカウンセリング窓口事業(別途費用は応相談)も請け負っておりますので、お気軽にお問い合わせください。



以上で、海外出張時の密な連絡、相談体制を確保する事において重要な事をお伝えしました。次回は最終回で、出張からの報告、暗黙知等の洗い出し、情報共有する際の重要な事をお話します。