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  • 田村陽太

【第13回】従業員を海外出張させる際の労務管理で重要な事(①海外展開、海外ビジネスを行っていく国の洗い出し、情報共有)



こんにちは。サンキャリア代表の田村です。


本日のテーマは、従業員に海外出張をさせようと考えている企業が労務管理を円滑に行う上で必要なプロセスの「①海外展開、海外ビジネスを行っていく国の洗い出し、情報共有」についてお話したいと思います。


従業員を海外に出張させる目的、それはもちろん海外マーケットでの新規顧客獲得や、販売ルートの確立、顧客を継続的に確保するためのフォローの為です。目的がしっかりしていなければ、その後の海外出張でも事後的なトラブルのせいで、費やした時間に対しての損失・コストが大きくなる事も考えられます。



ここで大変な重要な事を申し上げると、確実に海外展開を成功していく為には経営層だけでなく自社の従業員を巻き込んで一体となって考えていく事が非常に重要です。実際に実務を行う従業員がその海外の企業とやり取りをする事で事務や営業等で大変にならないかという視点でもしっかりと研究していきましょう。



海外展開、海外ビジネスを行っていく国の洗い出し・情報共有の上で重要な視点は弊所としては以下の事項を考えております。



【①自社の商品・サービスの海外ニーズはあるのか】


まずは、自社の商品・サービスが海外のどの国に需要があるかを顧客購買層、社会インフラ的需要、将来的な市場の可能性等を踏まえて、決定して頂くのが海外マーケット攻略の最初の段階となります。


顧客購買層が比較的日本より若い国であれば、いずれトレンドも日本と同じように変わっていくのではないかと考え、自社の若手社員を集めて商品展開に関する会議や意見収集の場を設ける事が必要です。



発展途上国であれば産業の発展に伴い、いずれ大気汚染や水質汚濁等の環境問題に意識が高まる事を含めて、自社の技術部や品質保証部の知見を交えて意見交換の場を設ける事も重要です。


【②対象国での英語の教育レベルはどれ程か】


またその国の英語の教育レベルに関しても事前に調べておきたいところです。海外出張に行かなくても日本国内で海外現地の販売代理店や海外現地顧客、展示会出展者と英語でコミュニケーションを取る以上、英語が国民の教育水準的に問題なく会話できるのかは非常に重要なファクターかと思います。



ここで一番大事なのが、コミュニケーションというのは英語を「話す能力」ではなく英語を「書く能力」がしっかりと出来ているのかというところが非常に重要です。



海外取引においては、現地での商談や展示会での対応を除いては基本的にメール等の文書でのやり取りが多くを占めます。



説明した英語がしっかりと理解でき、それに対応した内容をしっかりと英文メールで伝える事が出来る事が海外取引においてとても重要です。(どんなに流暢な英語を話せる人がいても、商談における言った言わないのトラブルを回避する為に海外取引においては英語をしっかりと書ける事が非常に重要です。)


【③現地金融機関、政府・公的機関の信用度、安定性はどうか】


また銀行等の金融機関、官公庁等の政府機関、市町村等の地方自治体等の公的機関が正常に運営できる状態なのか、他の国からも対外的に信用度が高いのかは海外進出の一つとしての重要点として考えて頂きたいです。


例えば、実際に海外企業と取引をし始めて、売上金の回収の手段として使う信用状での取引(L/C取引)は、海外企業が提携している現地の金融機関の口座を開設して頂き、入金までのプロセスを安全かつ確実に回収できる手段ですが、入金までの事務手続きと時間が非常にかかります。


これは海外の輸出入で良くあるケースですが、海外の経済情勢や治安等の影響で金融機関の営業が長期的にストップし、日本からの船積みの手配はしたが一向に入金の手続きに進んでもらえなかったり、現地での大規模なストライキの影響で商品が現地海外顧客の港に着荷したが、国内輸送できない等の問題から工場の稼働等に間に合わず顧客との契約トラブルになったりする事もあります。



海外顧客へ商品を納品する際の納期の算出や事務手続きの煩雑さを、現地信用度のレベルに応じて都度見積金額に反映する必要がありますし、海外販路開拓の選択肢としても重要な要素なので、ぜひ一度上記①~③の海外の状況について社内で調べてみましょう。


次回は海外事業対象国の治安、地理、医療体制、文化等に関する調査を行う上で重要な事をお伝えしますのでお楽しみにしてください。




執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナーとしてPRブランディング事業も手掛ける。



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