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  • 執筆者の写真田村陽太

【第66回】海外現地法人設立の進め方(②海外拠点形態の決定方法その1)


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は「海外現地法人設立の進め方②海外拠点形態の決定方法(その1)」についてお話していきたいと思います。



前回のブログで、代表的な海外拠点形態として、(1)駐在員事務所、(2)海外支店、(3)現地法人があるとお伝えしました。



現地での事業活動が大きくなっていくにつれて、(1)→(2)→(3)の順に大きくしていく事が望ましいと言われています。ただどのタイミングで現地法人を設立していくべきなのか判断が難しいというお悩みもあるかと思います。



本日はどのタイミングで駐在員事務所を設置するか、海外支店や現地法人を設立していくかの一般的な目安やチェック項目についてお話していきたいと思います。



駐在員事務所とは、海外支店や現地法人を将来設立する際の不動産探しやクライアントの獲得、原材料の輸入時の現地パートナー企業の発掘の為の市場調査、各種税金や研究開発費の補填等におけるインセンティブの調査、法人登記や各種許認可申請を行う上での情報収集等、これから本格的に海外拠点を作ろうと考えている企業の前段階の「戦略基地」と捉えて頂ければ良いと思います。



駐在員事務所を設置する上での前提条件としては、以前から海外出張の経験があり、ある程度事務所を設定する予定の国を訪問していて、地理的な土地勘や商習慣も理解している事が重要です。



また現地での本格的な営業活動が基本的には出来ないので、情報収集等が主になります。基本的には会社の売上にならない活動を駐在員に継続して行ってもらう事になるので、明確な駐在期間を決めて、必要な情報収集すべき事項は何かが明確である企業は駐在員事務所という海外拠点形態は適していると思います。



また、駐在員事務所で勤務させるべき駐在員は海外出張経験者が望ましいですが、上述したように会社の売上にならない活動をいかに駐在期間内に効率的に行ってもらう事が重要ですので、簡単な言葉で言うと「成果重視で働く」社員ではなく、「コツコツ仕事出来る社員」が向いています。



まとめますと、駐在員事務所は「既に海外拠点のビジョンや経営方針、進出時期が決まっているが、細かな情報収集を効率的に行いたい」企業が取るべき海外拠点形態です。



海外支店に関しては、



➀製造業をやっているが進出先に具体的な大口の海外取引先はなく、これから大口の現地企業の獲得を考えている

②製造業以外の商業・サービス業、コンサルティング業等の専門サービス業で海外支店でも許認可必要なく事業活動が行える企業



が海外拠点形態として向いています。①に関しては現地企業からのコンスタントな大口受注や海外代理店からの発注数が増えてきているまでの事業規模ではなく、海外現地法人を設置して事業を行うよりも日本本社からの出張ベースや代理店経由での販売を行った方が事業的に良い企業に向いています。



日本本社からの製品輸出入時のサポートや現地代理店の営業やメンテナンスの教育等、日本本社と現地企業の売上のパイプを繋ぎつつも、現地での広告活動や現地法人設立の為の足掛かりの情報収集をしたいという企業には向いています。



また②に関しては、進出国の法律や許認可制度によって異なりますが、現地国の技術や知識では対応する事が出来ない日本企業独自の技術やサービスを提供する専門技術系の企業であれば海外支店という形態でも営業活動が出来る可能性があります。



海外支店の赤字は日本本社の売上と通算できるので、財務面でも海外での売上や経費、現地法人を設立した際の法人税等の各種税金と照らし合わせて海外支店を設置するかを決める事が重要です。



今回は②海外拠点形態の決定方法(その1)をお話しました。次回は「現地法人の設置のタイミングについて」を中心に、海外拠点形態の決定方法(その2)についてお話させて頂きます。





執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナーとしてPRブランディング事業も手掛ける。



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