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執筆者の写真田村陽太

【第176回】海外駐在員の労務管理Q&A~なぜ駐在員の労務管理が重要か?~④


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は『海外駐在員の労務管理Q&A~なぜ駐在員の労務管理が重要か?~④』についてお話していきたいと思います。今回は今まで3回の連載でお話してきた内容を再度まとめ、海外駐在員の労務管理の重要性についてお話していきたいと思います。



今までお話してきた内容から再度まとめさせて頂くと、海外駐在員という職務は



➀誰もが担当できる業務ではない専門性を備えている役割である事

②海外事業という国内営業とは違うマネジメント手法を必要とされる観点から非常に重要なポストであるという事

③海外市場に日本企業が販売していく上での企業ブランドイメージを左右する重要な職務である事



以上の観点から、海外駐在員の労務管理を適正に行う事で、会社の海外事業を円滑に進める事が出来る理由をお伝えさせて頂きました。以後今回のまとめに関しては、私個人的な思いを含めて海外駐在員の労務管理の重要性について記載していこうと思います。



私は社労士として独立する前に産業機械メーカーの海外営業で勤務していたのですが、海外駐在員というポストを作って日本企業が海外事業展開をしていく事の難しさを強く感じました。



その難しさを構成する一番の大きな理由としては、海外駐在員というやりがいに見合った適切な評価体制や賃金制度、そして海外駐在中・駐在後のキャリアアップ制度が企業で整備できていないという所だと私個人的には思います。



私もそうでしたが、日本を飛び出して海外で働いてみたいと思う方のキャリアの選択肢として海外駐在が出来る会社を選ぶ方は多いかと思います。そして海外駐在するまでに日本国内の海外事業部で貿易実務を学んだり、海外顧客との交渉術を学んだり等の内勤での業務や出張ベースでの海外営業を大体5年~10年間学んだ後、いよいよ従業員を海外駐在させる企業が多いかと個人的には思います。



企業によって海外駐在させるまでの期間が短い等色々あるかと思いますが、いずれにしても海外駐在するまでにその従業員としては「期待」と「希望」に満ちて海外駐在という夢を胸に抱き、働いているという事です。



つまり、日本企業の海外代表として海外駐在する事はその方にとっての達成すべき目標であり、その目標を良い結果とするために海外駐在中は海外営業時代と比較しても一層頑張っていこうと思うものだと私個人的には思っております。



ただ海外駐在も何年か経つと、海外駐在員にも色々な事が見えてきて、雇用する会社に不満を持つことが増えてきます。例えば、



・海外駐在中の評価が自分が想定しているよりも低く、評価処遇に適切に反映されていない

・既に帰任した海外駐在員の国内のポストが海外駐在中の業務と関係ない

・海外市場攻略の為にやるべき事はやっているが、日本本社の対応が遅い

・他の海外市場の売上の雲行きが怪しく、自分が次の駐在候補となっている(火消し対応)

・同じく海外駐在している同業・競合他社の話を聞くと自社の待遇が思わしくない


等々、海外駐在員の仕事の悩みを挙げると以上のようなものをよく駐在員経験者からお話を聞きます。いずれの悩みも自分自身がどう海外駐在員として頑張っていけば良いか分からない等の「個人」の不満ではなく、その駐在員の頑張りをどうモチベートしていくかという「会社」の不満に重きが置かれているのが良く分かるかと思います。



つまり、今まで海外駐在員になるという夢を追ってきて、ついに目標となるお仕事にその従業員が就けたとしても、その海外駐在中の頑張りを適切に評価できる仕組みや労務管理体制が社内で構築できないと、海外駐在員の勤務意欲は著しく低下する事が良く分かるかと思います。



次回以降『海外駐在員のモチベーション維持は、個人向け支援だけでなく企業向けにも支援していくべき理由』でお話しますが、いかに海外駐在員のモチベーションアップの為に駐在員向けのカウンセリングに力を入れても、大元の駐在員を雇用する会社の社内体制がしっかりとしていなければ円滑に海外事業を行う事は出来ません。



今回までの4回の連載で今後海外事業を展開していこうとお考えの会社様、そして既に海外駐在員を派遣している企業様が円滑に労務管理を行っていく上で重要なことを、比較的詳細にお話出来たかと思います。



本日は『海外駐在員の労務管理Q&A~なぜ駐在員の労務管理が重要か?~④』についてお話させて頂きました。当社は海外駐在員や外国人社員等の海外事業に特化した社会保険労務士事務所ですので、もし何かご相談等ありましたらお問合せフォームからご連絡を宜しくお願い致します。




執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。



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