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  • 代表 田村陽太

【第59回】海外市場での商品・サービスの価格設定(前編)


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日のテーマは、「海外市場での商品・サービスの価格設定(前編)」についてお話していきたいと思います。



海外の顧客に自社製品・サービスを販売する方法として、

➀日本から直接海外顧客に輸出し、販売する

②海外現地法人の工場で製造して直接販売する



の二つが考えられます。①は機械装置や検査機器等の高度技術が用いられる完成品や無形サービス等、②は部品や工具等のその商品単体では製品にならない補助的な製品が考えられます。



今回は、①の日本から直接販売する上での価格設定時の注意点に関してお話していきたいと思います。



まず海外顧客に販売するためには、輸出するための経費を除いて自社に利益が残る金額を設定する事は当然考えなければなりません。



海外顧客へ販売する際にかかる費用として代表的なものは以下が挙げられます。


・商品自体の原価

・自社工場から海外向けに輸出する為の梱包費用

・国内工場から輸出港までの運送費用

・輸出通関費用

・輸出港~輸入港までの船賃費用

・海上保険費用



これらの金額を算出し、最終的に自社の人件費や広告宣伝費、その他販売管理費を計上した価格で、海外顧客に販売する必要があります。ただ、顧客によっては自社でフォワーダー(貨物利用運送事業者)を選定したり、海上保険や船会社も得意にしている業者を利用したかったりという場合もあります。



そのような場合で購入者から依頼があったとしても、上記の製品の内訳が事前に細かく算出されていれば、相手からの交渉時にも販売金額を変更する事は容易ですし、仮に値引き交渉された際にもどの範囲までなら会社として値引き対応が出来るかがより明確になります。



ですので、販売価格の算出に関してはあらかじめ丁寧に行いましょう。



また製品の種類によっては、海外顧客へ納品した際のアウトプットがしっかりと達成できているかを実機で相手顧客と一緒に確かめる検収作業も発生する場合もあります。



自社の製品の不具合や輸出時のダメージにより、相手顧客が求める水準を達成できなかったり、相手顧客が契約時に想定していた工場環境や商品の状態の違いにより、アウトプットが出なかったりというような事態も、海外顧客へ販売する際に多々トラブルが発生します。



また、海外顧客によっては検収作業を請求書の内訳で別項目にして計上すると、「検収作業にそんなに時間は必要ないので、値引きして。」と交渉して来る事も多々あります。



ここで日本人の感覚だと、「自社の製品はしっかりしているし、確かに検収作業フィーは不要だな。」と内訳を削除してしまいがちですが、海外顧客は検収作業でのトラブルは頭に入れながらも、巧みに値段交渉してくる傾向がありますので十分に注意しなければなりません。



そのような状態に備えて納品や検収作業時の人件費やメンテナンスでの諸経費に関しては別途請求する旨を相手顧客に伝えるか、あらかじめ販売価格に検収費用等を含めて計上しておくことが重要です。



今回もお読みくださいましてありがとうございました。次回は②海外現地法人の工場で製造して直接販売する際の商品・サービスの価格設定方法についてお話したいと思います。