【第264回】『労務管理Q&A~外国人材の定着には何が本当に必要なのか?③~』
- 田村陽太
- 6月20日
- 読了時間: 5分
更新日:6月26日

こんにちは。サンキャリア代表の田村です。
本日は『労務管理Q&A~外国人材の定着には何が本当に必要なのか?③~』についてお話ししたいと思います。
前回は、【外国人材の定着に必要な3つの視点】として、以下の3点をお伝えしました。
① 自分が“歓迎されている”と実感できる情報発信や出会いの機会の提供
② 日本人社員と同じように公平に扱われていると感じられる職場環境
③ 外国人材の「穴」が出ないよう、定期的に採用できる仕組みづくり
今回は、③「外国人材の“穴”が出ないよう、定期的に採用できる仕組みづくり」について掘り下げてお話ししていきたいと思います。
外国人社員が辞めても「次」がいる仕組みを
外国人社員が退職した場合でも、常に次の外国人材とつながっておく、あるいは候補者となる人材の存在を確保しておくことが非常に重要です。
そのためには、例えば、
既に活躍している外国人社員の所属するコミュニティと連絡を取り続ける
その社員が卒業した大学や団体などと情報を共有しておく
といった形で、企業と外国人コミュニティが継続的につながる仕組みをつくっておくことが必要です。
外国人コミュニティとの関係づくりのポイント
繋がりを持つ上で重要なのは、「この会社では外国人社員がこうやって活躍している」という事実を、定期的に伝える事です。
外国人社員の母校や所属コミュニティの仲間たちは、その人が企業でどのように過ごしているのかを非常に気にしています。
その社員がいきいきと働き、やりがいを持って活躍している様子が共有されれば、
「自分もこの会社で働いてみたい」
「まったくゼロからの就職活動よりも、信頼できるつながりを活かして就職したい」
と感じる外国人材は多くいます。
説明会やOB・OG訪問、インターンの導入を
外国人コミュニティとの接点づくりとしては、以下のような活動が有効です。
外国人コミュニティ主催の企業説明会への出展
自社の外国人社員によるOB・OG訪問の機会提供
興味を持ってくれた人材への有償インターンや無償職業体験の提供
これらの仕組みを通じて、企業側が外国人材を“選ぶ”だけでなく、外国人材の側からも企業を選んでもらえる関係が築けるようになります。
採用コスト削減にもつながる「つながり採用」
外国人社員といっても、その性格や価値観、能力は人それぞれです。
まったく新しいコミュニティからの採用となると、一からの指導や社内ルールの説明に時間とコストがかかります。
それならば、既存の外国人社員の出身大学やコミュニティにあらかじめアプローチしておき、「人となりが分かる紹介者経由」での採用を増やすことで、研修・教育コストを抑えることができます。
家族や親戚への配慮も「定着」につながる
もう一つの有効なアプローチが、外国人社員の母国のご家族・親戚へのコミュニケーションです。
例えば、
社員の母国に出張する機会があるなら、そのご家族に短時間でもご挨拶に伺う
毎月、ニュースレターを母国のご家族に送る
(勤務中の写真や、上司・同僚からのコメントなどを含む)
これらの工夫は、家族の不安を軽減し、間接的に定着率の向上につながります。
「親の視点」で考えてみる
日本人であっても、自分の子どもが社会人になったとき、親としては「どんな様子で働いているんだろう」「ちゃんとやれているだろうか」と心配するものです。
ましてや、海外で暮らす我が子がどんな職場で働いているかは、日本以上に気になるはずです。
「うちの子は良い職場にいるんだな」
「安心して任せられる会社にいるんだな」
と感じてもらえることで、ご家族は安心し、その安心が本人にも伝わり、職場に対する信頼感と定着意欲につながるのです。
ご家族との関係構築が「次の採用」につながることも
こうしたご家族との関係づくりをしておくと、万が一その外国人社員が退職した場合でも、
「親戚で誰か良い人がいますよ」
「この人とつながってみては?」
といった紹介やネットワーク提供につながることもあります。採用の可能性を広げる上でも、ご家族との信頼関係は大きな資産となります。
本日は『労務管理Q&A~外国人材の定着には何が本当に必要なのか?③~』についてお話ししました。次回も引き続き、続編をお届けしたいと思います。

執筆者:田村陽太(社会保険労務士)
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
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