【第254回】『労務管理Q&A~社内でリモートワークを定着させるには何が必要か?③~』
- 田村陽太
- 4月11日
- 読了時間: 5分
更新日:4月18日

こんにちは。サンキャリア代表の田村です。
本日は『労務管理Q&A~社内でリモートワークを定着させるには何が必要か?③~』についてお話していきたいと思います。
前回は【従業員がリモートワークで働く為の土台となる能力】に必要なものとして以下を説明させて頂きました。
①指定された時間内にタスクを完了できる能力
②チャットやメール等文書で分かりやすく他者に説明する能力
③社内の『報連相』を過不足なく行う事が出来る能力
今回は続きの③から、お話していきたいと思います。
③ですが、リモートワークという上司や従業員を管理する方と空間を共にせず、業務を行っている環境下においては、上司に対して従業員が現状どのような状態で業務を行っているかや、共に業務を行っていない中でも相手の業務状況に配慮して報連相が出来る能力が重要だと個人的には思います。
例えば、『報連相』のうちの『報告』に関しては、
・上司から頼まれた業務をいつ完了したか
・業務を完了した結果、その後の進捗はどうなったか
・その後上司や他の同僚が対応すべき事項はあるか
等、業務を依頼した上司がその業務から精神的時間的に離れて次の仕事に取り組む事が出来るよう、適切な情報を報告する事が非常に重要です。
また『連絡』に関しても、
・当日行っている業務予定から変更があった場合に自他関係なく連絡しているか
・メールやチャット、電話等を駆使して、背景や理由等を含めて詳しく連絡しているか
・上司やその他同僚の予定を配慮して連絡すべきタイミングで連絡しているか
等、一緒にオフィスで業務を行っている際に得られる補足情報までしっかりと収集し、配慮しながら自他共に業務が出来るよう、連絡する事が重要です。
また、『相談』に関しても、
・相談する際は、相談内容・背景・どう動いてほしいのか等事細かに依頼内容相談する
・業務を相手に依頼する場合は、タイムリミットとその背景を相談する
・オフィスワーク時より相談内容の重要度が伝わらず、対応してもらいにくい事を知る
等、他者に業務を依頼する等リモートワーク中に相手に動いてもらう以上、自分の業務内容の優先度や重要度がいかに高いか等事細かく正確に伝え、相談する姿勢が非常に重要だと思います。
まとめとなりますが、今までにお伝えしました【従業員がリモートワークで働く為の土台となる能力】を、オフィスワーク時に対応できているかを都度上司が確認し、当該従業員が周りから信頼を得られる程度に仕事が出来ているかをチェックする事が重要です。
信頼を得られているイメージとしては、上司や他の同僚が『あの人と仕事していると仕事がサクサク進むな』と思ってもらえる程度に、対応できているかが目安だと思います。
そのような観点から、対象の従業員をオフィスワークからリモートワークに移行してもらうのが望ましいと個人的には思います。
本日は『労務管理Q&A~社内でリモートワークを定着させるには何が必要か?③~』についてお話させて頂きました。今回までの3回のニュースで、リモートワークを社内で効果的に運用する為に重要な事やポイントをお話してきました。
どんな人事労務管理制度の導入の際でも同様ですが、ただ単に制度を導入するだけは非常に簡単です。ただ、制度導入で一番重要な事は、
・その制度を運用する上で会社のリスクやデメリットとなる部分は無いか
・その制度を運用していく上でネックとなる部分は無いか
・その制度を運用する上で利益を得る(フリーライダー)従業員がいないか
等、導入時に懸念点となる部分を事前に洗い出し、制度を導入するのは目的ではなく、常に手段であることを肝に銘じて設計する事が非常に重要です。
リモートワークという働き方は、一見、従業員の働きぶりが上司から見えない為、従業員にとってはメリットだが、会社にとってはデメリットであるというような文章を他で見かける事がありますが、私は決してそうは思いません。
従業員の働きぶりを労働時間の長さではなく、上司から指揮命令された業務に関する成果や内容で評価する上で、リモートワークという働き方は非常に効果を発揮しやすいものだと思います。
その為には、オフィスワークの時から従業員がリモートワークという働き方に移行できる程度の能力を身に着けているかを都度会社でチェックし、上司や管理職は当該従業員がその能力を身に着けられるよう教育、フォローを都度行っていくという、忍耐強さや指導力を持って業務にあたる事が重要だと個人的には思います。
今回のリモートワークという働き方や労務管理のご相談等、労務顧問のご依頼等いつでもご相談お請けしておりますので、お問合せフォームからご連絡をお待ちしております。

執筆者:田村陽太(社会保険労務士)
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
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