【第322回】『AI時代における新卒一括採用と中途採用の使い分けとは?』
- 田村陽太
- 12 時間前
- 読了時間: 6分

こんにちは。サンキャリア代表の田村です。
本日は『AI時代における新卒一括採用と中途採用の使い分けとは?』というテーマでお話ししたいと思います。
企業が新しい従業員を採用する際、日本で代表的な採用方法として「新卒一括採用」と「中途採用」があります。
新卒一括採用は、簡単に言うと、高校や大学などを卒業した方を、卒業と同時期に採用する仕組みです。
社会人経験がない状態から育てていく為、企業側には教育体制や育成にかける時間、資金が必要になります。その為、どちらかといえば大企業で使われやすい採用手法だと思います。
一方で中途採用は、企業が必要とするポジションや業務内容を明確にし、その経験やスキルを持つ人材を採用する方法です。
即戦力を採用しやすく、年齢や時期に関係なく必要なタイミングで募集できる点が特徴です。
では、これからの企業は、新卒一括採用と中途採用をどのように使い分けていけばよいのでしょうか。
私は、今後は中途採用の重要性が高まる一方で、新卒一括採用の価値も改めて見直されていくと考えています。
① 中途採用は必要な人材を明確に採用しやすい
中途採用の大きなメリットは、企業が求めるポジションと応募者の経験を結びつけやすい事です。
例えば、営業経験がある人、経理経験がある人、海外取引に詳しい人、特定の社内システムに強い人など、必要な業務に合わせて採用する事ができます。
特に、AI技術の発達によって、定型的な業務や進捗確認などは少しずつ効率化されていく可能性があります。
そうなると、人間が担う仕事は、より専門性が高く、複雑な判断が必要なものになっていきます。
このような時代には、既に一定の経験やスキルを持つ人を採用する中途採用は、非常に分かりやすい会社経営上の選択肢です。
ただし、業務が専門化すればするほど、企業が求める水準も高くなります。
「この経験があるから大丈夫」と思って採用しても、実際には会社の文化や業務の進め方に合わず、ミスマッチが起きる事もあります。
中途採用は即戦力を採用しやすい一方で、求める役割や成果を明確にしておかなければ、入社後のズレも大きくなりやすい採用方法だと思います。
② 新卒一括採用は自社の文化を一緒に作りやすい
一方で、新卒一括採用にも大きな価値があります。
新卒社員は、他社での経験が少ない分、自社の仕事の進め方や価値観を吸収しやすい面があります。
会社として長期的に人材を育て、自社の文化を一緒に作っていきたいのであれば、新卒一括採用は非常に有効です。
もちろん、未経験者を採用する以上、教育には時間がかかります。
すぐに成果を出せるわけではありません。
しかし、会社がどのような人材に育ってほしいのかを明確に持ち、時間をかけて育成できるのであれば、新卒採用は大きな投資になります。
大切なのは、「若いから採る」「人数を確保したいから採る」という考え方ではありません。
将来的にどのような役割を担ってほしいのか?
どのような力を身につけてほしいのか?
会社としてどこまで育てる覚悟があるのか?
ここを明確にした上で、企業は新卒採用を行う必要があります。
③ AI時代だからこそ若いうちから全体を見る力を育てる
今後の人材育成で重要になるのは、単に専門業務をこなす力だけではないと思います。
これからは、AIを一つの部下や道具のように使いながら、案件やプロジェクト全体をどう進めていくかを考える力が必要になります。
この能力は、本来マネジメント層の中核を担う30代や40代になってから急に身につけるものではありません。
若いうちから、仕事の全体像を見て、必要な情報を集め、AIや周囲の人を活用しながら、業務を動かしていく経験を積む事がこれからますます大切になります。
中途採用では、どうしても特定の専門性や経験を基準に採用する事が多くなります。
それは大切な事ですが、専門性が高い分、業務の幅が狭くなる事もあります。
一方で、新卒採用では、まだ専門分野が決まりきっていない若い人材に対して、広い視野で仕事を覚えてもらう事ができます。
会社全体の流れを見ながら、AIも活用し、自分で考えて仕事を進められる、そういった人材を育てるという意味では、新卒一括採用は、企業規模に関係なく今後も重要な採用手法になると私個人的には考えています。
まとめ 即戦力とポテンシャルをどう組み合わせるか
新卒一括採用と中途採用は、どちらか一方が正しいというものではありません。
中途採用は、今必要な専門性や経験を持つ人材を採用する上で有効です。
一方で、新卒一括採用は、自社の文化や考え方を共有しながら、将来の中核人材を育てていく上で大きな意味があります。
AI時代には、仕事の中身がより専門化し、複雑化していく可能性があります。
だからこそ、即戦力を採用する中途採用だけでなく、若いうちから全体を見て仕事を動かせる人材を育てる新卒採用も大切になります。
これらの事から、企業に必要なのは、今足りない力を中途採用で補いながら、将来必要になる力を新卒採用で育てていく事です。
採用は、単に人を増やすためのものではありません。
会社がこれからどのような事業を作り、どのような人材と一緒に成長していきたいのかを形にするものだと私は考えます。
サンキャリアとしても、企業の現在の課題と将来の方向性を踏まえた採用・育成の仕組みづくりを、これからも支援していきたいと考えています。
本ニュースをご覧になり、人事労務管理に関するご相談・ご質問等がございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。

執筆者:田村陽太(社会保険労務士)
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
社会保険労務士事務所Sun&Careerホームページはこちらです。
インターネットラジオ・ポッドキャスト番組「企業と従業員の働き方を考える 『社労士ラジオ サニーデーフライデー』」のリンクはこちらです。
社労士労務顧問、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター、ポッドキャスト番組制作等のご依頼はお問い合わせフォームまでご連絡ください。
