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【第328回】『リファラル採用は中小企業に本当に向いているのか?』

執筆者の写真: 田村陽太
田村陽太
12 時間前
読了時間: 6分

こんにちは。サンキャリア代表の田村です。




本日は『リファラル採用は中小企業に本当に向いているのか?』というテーマでお話ししたいと思います。



人手不足が続く中で、企業の採用活動も難しくなっています。




求人広告を出しても応募が来ない

人材紹介を使っても、なかなか自社に合う人と出会えない

採用費をかけても、思うように良い人材を確保できない



このような中で注目される採用手法の一つに、『リファラル採用』があります。




『リファラル採用』とは、自社で働いている社員から知人や友人を紹介してもらい、その紹介をきっかけに採用する方法です。



既存社員から会社の雰囲気を伝えてもらえる事や、候補者の人柄、性格、仕事に対する価値観を事前に聞きやすい事は、大きなメリットです。



また、紹介した社員に報奨金を出したり、評価に反映したりする事で、既存社員のモチベーション向上に繋がる事もあります。



一見すると、中小企業にも向いている採用手法のように見えます。



しかし、私個人としては、従業員50人から100人未満程度の中小企業では、リファラル採用はかなり慎重に考えるべきだと思っています。



今回は、その理由を3つの視点から整理してみたいと思います。




① 中小企業は業務内容が変動しやすい



まず、中小企業では業務内容が非常に流動的です。



大企業のように、「この部署ではこの仕事だけを担当する」と明確に分かれているケースばかりではありません。



繁忙期には部署を超えて手伝う事もありますし、人が足りなければ、本来の担当ではない業務を一時的に任される事もあります。



つまり、中小企業では、決められた仕事だけではなく、その時々の状況に応じて柔軟に動く力が求められます。



しかし、リファラル採用では、紹介する社員が会社の実態をすべて正確に伝えられるとは限りません。



「うちの会社は雰囲気がいいよ」

「この仕事をする事になると思うよ」



という説明だけで入社すると、実際には想像以上に幅広い業務を任され、入社後に「聞いていた話と違う」と感じることがあります。



採用時点で会社の業務範囲や変動性を十分に伝えきれないと、ミスマッチが起きやすくなるのです。




② 人間関係が近いからこそ、厳しく指導しにくい



次に、中小企業では一人一人の社員の影響が非常に大きいという問題があります。



少人数の組織では、一人の働き方やコミュニケーションが、職場全体の雰囲気に大きく影響します。



リファラル採用の場合、紹介者と入社者が友人、知人、親戚など、もともと近い関係である事もあります。



その為、会社側も紹介した社員も、入社後に問題があった時に厳しく言いにくくなる事があります。



「紹介してもらった人だから言いづらい」

「紹介した社員の顔をつぶしたくない」

「友人関係等に影響が出るのではないか」



このような遠慮が生まれると、本来必要な指導や注意が遅れてしまいます。



その結果、周囲の社員から、



「あの人は仕事ができていないのに、なぜ何も言われないのか」

「自分たちだけが負担を引き受けている」



という不満が出る事があります。



中小企業では、一人のミスマッチが周囲の業務負担や人間関係に直結しやすいです。



だからこそ、知人紹介だから安心というよりも、知人紹介だからこそ慎重に見る必要があると感じています。




③ 中小企業では「経営者との相性」が大きい



3つ目は、中小企業では経営者の考え方が会社に大きく反映されるという点です。



大企業であれば、業務フローや人事制度、評価基準がある程度整っている事が多いです。



一方、中小企業では、会社の方向性、仕事の進め方、判断基準が経営者の考え方に強く影響されます。



つまり、中小企業に入社するという事は、その会社の業務だけでなく、経営者の価値観や判断基準とも向き合うという事です。



リファラル採用では、候補者が紹介者から現場目線の情報を聞くことはできます。



しかし、経営者が何を大切にしているのか、会社をどこに向かわせたいのか、どのような働き方を求めているのかまでは、十分に伝わらない事があります。



その結果、入社後に経営者の考え方と合わず、早期退職に繋がったり、組織内で対立が生まれたりする事があります。



中小企業では、経営者自身が面接に入り、しがらみのない状態で直接話す事が非常に重要です。



紹介者の言葉だけで判断するのではなく、経営者が自分の言葉で会社の現実と期待を伝える必要があります。




まとめ 中小企業こそ、紹介に頼りすぎない採用判断が必要



リファラル採用には、多くのメリットがあります。



既存社員から会社の魅力を伝えてもらえる事

候補者の人柄を事前に知りやすい事

採用活動等の採用費を抑えられる事

紹介者のモチベーション向上につながる事



これらは確かに大きな利点です。



しかし、中小企業では、業務内容が変動しやすく、一人の社員が組織に与える影響も大きく、経営者との相性も非常に重要になります。



だからこそ、リファラル採用を行う場合でも、紹介だから安心と考えるのではなく、通常の採用以上に丁寧な面接と説明が必要です。



特に、経営者自身が候補者と直接向き合い、会社の良い面だけでなく、課題や求める働き方も伝える事が欠かせません。



中小企業の採用では、誰から紹介されたかよりも、この会社で本当に一緒に働けるかを見極める事が非常に大切です。



サンキャリアとしても、採用手法そのものに振り回されるのではなく、会社の規模や組織の実態に合った採用設計を支援していきたいと考えています。



本ニュースをご覧になり、人事労務管理に関するご相談・ご質問等がございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。





執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。



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