【第332回】『親族社員がいる会社で大切にしたい職場づくりとは?』


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。
本日は『親族社員がいる会社で大切にしたい職場づくりとは?』というテーマでお話ししたいと思います。
会社経営をしていると、代表者の配偶者や子どもなど、親族が会社で働くケースがあります。
役員として関わる場合もあれば、一般社員として業務に入る場合もあります。
この時に、経営者の方からよくご相談頂くのが、「親族だからこそ、どう接すればいいのか分からない」という悩みです。
親族社員も、会社で働く以上、会社の一員である事に変わりはありません。
一方で、家族だからこそ言いやすい事もあれば、言いすぎる事で家庭内やプライベートの関係に影響してしまう事もあります。
また、親族社員への接し方は、周囲で働く一般社員にも見られています。
「あの人は経営者の家族だから特別扱いされている」
「親族だから注意されない」
「逆に、親族なのに厳しく怒られすぎていて気まずい」
このような空気が生まれると、職場全体が余計な気遣いをしなければならなくなります。
今回は、経営者の親族社員をどう扱うべきかについて、3つの視点から整理してみたいと思います。
① まずは労働者性と実態を確認する
まず前提として、親族社員と労働法の関係は、形式だけではなく実態で確認する必要があります。
例えば、同居の親族だけで事業を行っている場合には、通常の労働関係とは異なるものとして扱われる事があります。
一方で、別居している親族や、他の一般社員と同じように勤務時間を管理され、給与を受け、業務指示を受けて働いている親族であれば、一般の従業員と同じように扱われる可能性があります。
また、役員として会社経営に関わっている場合には、従業員とは異なる扱いになります。
大切なのは、「親族だから労働者ではない」「家族だから社員と同じで良い」と一律に決めつけない事です。
勤務実態や給与の支払い方、指揮命令の有無や役員としての権限などを確認し、どのような立場なのかを整理する必要があります。
② 業務中は一般社員と同じ基準で接する
次に大切なのは、業務時間中の接し方です。
親族社員であっても、会社の業務に従事している以上、基本的には会社のルールに沿って働いてもらう必要があります。
就業規則や業務上の指示、職場の細かいルールや他の社員との人間関係等、これらを親族社員だけ例外にしてしまうと、周囲の社員は敏感に感じ取ります。
「あの人だけ遅刻しても注意されない」
「あの人だけ自由に休んでいる」
「あの人だけ仕事のミスを見逃されている」
このように見えてしまうと、職場の公平感は大きく崩れます。
仮に法律上の扱いとして一般社員と完全に同じではない場合でも、職場運営上は、できる限り会社のルールに則って働いてもらう事が重要です。
業務中に必要な指摘があれば指摘する
良い成果があれば、他の社員と同じように褒める
困っている事があれば、同じようにフォローする
親族だから甘くするのではなく、親族だから過剰に厳しくするのでもなく、一人の職場のメンバーとして扱う事が大切です。
③ 業務外で意図をすり合わせておく
一方で、親族社員の場合、業務外でのすり合わせも非常に重要です。
例えば、親族社員がリーダー的な立場にいる場合、会社全体の士気を高める為に、あえて業務中は厳しめに指導する場面があるかもしれません。
そのような時は、事前に本人へ、
「会社全体を引き締めるために、業務中は少し厳しく伝える場面がある」
「ただし、それは個人的に責めたいわけではなく、組織運営上の意味がある」
という意図を共有しておく事が大切です。
事前のすり合わせがないまま、業務中に強く注意し続けると、本人との関係が悪くなるだけでなく、周囲の社員も気を遣います。
逆に、親族だからといって注意しなければ、周囲は不公平感を持ちます。
だからこそ、業務中は社員として接し、業務外では親族として意図を共有する、こういう意識の切り分けが必要だと思います。
まとめ 親族社員への接し方は、周囲の社員にも影響する
親族社員をどう扱うかは、単に家族内の問題ではありません。
職場全体の公平感や、一般社員の働きやすさにも大きく影響します。
大切なのは、
親族社員の労働者性や立場を実態で確認する事
業務中は一般社員と同じ基準で接する事
業務外で経営上の意図を本人とすり合わせておく事
この3つです。
組織で働く上で最も避けたいのは、周囲の社員に余計な気遣いをさせる事です。
親族だから甘かったり、逆に厳しすぎたり、親族だからこそ周囲がどう接していいか分からない等、このような状態になると社員は本来の業務に集中しにくくなります。
親族社員がいる会社ほど、経営者が公平な姿勢を示す事が大切です。
サンキャリアとしても、親族社員を含め、全ての社員が余計な気遣いなく働ける職場づくりを支援していきたいと考えています。
本ニュースをご覧になり、人事労務管理に関するご相談・ご質問等がございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。

執筆者:田村陽太(社会保険労務士)
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
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