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  • 執筆者の写真田村陽太

【第45回】海外駐在員が現地活動を成功させるために重要な事(マネジメント編、後編)


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。




本日は海外駐在員を抱える日本企業が課題としている「海外駐在員が現地活動を成功させるために重要な事(マネジメント編、後編)」をお話させていただきます。




海外駐在員がマネジメント職として機能していく為にもう一つ重要な論点として、「マネジメントとは何か」を今回は考えていきます。また、それを海外駐在員の業務として置き換えていくと具体的にどういう事であるかを深掘りしてお話していきたいと思います。




マネジメント(management)とは「管理する」「経営する」という意味ですが、普段カタカナで「マネジメント、マネジメント」と職場で使うため深く意味を考えたことがない方も多いかと思います。



海外の企業では会社と従業員の雇用契約において職務内容や職責、それに見合う給与待遇が明確になっているので、海外で働く社員は本社が決めた経営指針、それに対する各部署の達成目標、それを遵守するための具体的な行動があらかじめ明確化されています。




ですので海外の企業での「マネジメント」は主に、各社員の業務の進捗状況が当初立てた予想と比較して順調に進んでいるか等の「社員個人」の管理という意味合いが強い傾向にあります。




一方日本企業では海外の企業と比較して業務内容や職責に関する具体的な内容が不明確であり、社内で役職を与えられても実際の業務内容は部課ごとに個別に決めていく事が多いです。



その為本社が決めた経営方針もあらかじめ明確には決めているものの、具体的な達成目標、具体的な行動に関しては部署と話し合う事を念頭に置いてあり、あまり明確化されていない企業も多いです。




よって日本企業におけるマネジメントの意味合いは、各部署が目標を達成するためにはどの社員がどの業務を行えば円滑に機能するか、どの社員とどの社員が業務を一緒に行えば業務効率が上がるか等「所属部署」の管理という意味合いが強い傾向にあります。




日本企業と海外の企業ではマネジメントの意義や目的が違っている中で、「日本企業だが運営していく母体は海外かつ現地社員」というある意味経営方法がミックスしている海外現地法人ではどのようにマネジメントしていくかを構想していく事は非常に難しいです。




そのため、海外現地法人を「マネジメント」する海外駐在員は非常にチャレンジングで重要な役割を持つことがお分かりいただけるかと思います。




そのような背景の中で海外駐在員がマネジメントを行っていく中で重要な事は、「日本本社と現地社員との対話の通訳を丁寧に行っていく事」だと個人的には考えております。




現地社員に対しては個人個人の力量や能力、今後の業務に関する要望、本社への不満等、海外企業のマネジメントでは当然であるように社員個人と向き合う事は海外駐在員として大事な事です。




また一方で日本本社ならではの集団・組織的な管理をしなければならない背景がある事を事前に現地社員に理解してもらい、定期的に現地社員との報連相を行わなければならない等日本本社の事情をしっかりとお伝えする事が海外駐在員のマネジメントには重要です。




また日本本社に対しては売上の目標達成度合い、達成までの具体的なプロセス、固定費や変動費等の財務的な管理状況等の進捗管理を漏れなく徹底的に行っていく事も海外駐在員として大事な事です。




一方で海外企業ならではの個人ごとの業績評価や会社にもたらす利益、会社の事業に前向きに参画する積極性、会社に新製品を提案してくれるアイデアの奇抜性等、海外現地社員の個人の「頑張り」を日本本社に報告し、現地社員の頑張りが本社の目に届く環境を構築してあげる事が海外駐在員のマネジメントには合わせて重要です。




以上、今回は「海外駐在員が現地での営業活動を成功させるために重要な事(マネジメント編、後編)」をお話させていただきました。次回以降のニュースもどうぞよろしくお願いします。




執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナーとしてPRブランディング事業も手掛ける。



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