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  • 執筆者の写真田村陽太

【第63回】海外販売代理店の決め方(見極め編)


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日のテーマは、「海外販売代理店の決め方(見極め編)」についてお話していきたいと思います。



海外展開すべき国を決定し、その後どの海外販売代理店に依頼していくかを考える段階となっていきますが、その際に争点となるのが「本当にこの海外販売代理店に業務を依頼して良いのか?」という事です。



今までその国に海外展開したことがなく、この度初めて海外販売代理店を決定するという場合であったり、既に海外販売代理店と契約していたが思うような結果が得られず、新たな海外販売代理店に依頼するという段階であったりと様々なパターンの企業があるかと思いますが、今回はどの日本企業にも共通すべき見極めポイントをお話していきたいと思います。



➀製品を販売するビジョンが明確である事

これは当たり前の事かもしれませんが、日本企業の製品・サービスを販売するにあたっての販売先や販路展開すべき業種、適切な価格設定、現地企業と比較しての日本製品の強み等を明確に理解しており、「売れる」ビジョンが明確に語れる企業が理想的です。



よくある失敗例として海外販売代理店が日本企業の製品・サービスを取り扱いたいと考える目的の一つとして、代理店自身の現地での企業イメージ向上が挙げられます。日本製品のラインナップがあれば現地顧客にとっても信用度が増し、仮に日本企業の製品が販売出来なくても得になるだろうと考える海外販売代理店も多いです。



自社からもしくは相手企業からのコンタクトどちらからにしても、まず自社の製品・サービスを取り扱う事になった際のビジョン(誰に対して、何の製品を、どのように、いつまでに、どの地域で、どのような目的で)を詳しく相手から聞き出す質問を行う事が非常に重要です。



現地顧客に関しての商慣習や文化に関しては海外販売代理店にしか分からないというのはもっともですが、それに対するアプローチ方法を理解する事に関しては現地の慣習に詳しくなくても日本本社で理解しようと思えばできます。



最近ではテレワークも進んできており実際に会わなくてもメールやオンラインでも代理店のビジョンに関してヒアリングは出来ますので、必ず確認するようにしましょう。



②情報発信が消極的でなく積極的な姿勢である事



これは、代理店として現地顧客へ積極的に販売していきたい、または日本本社と長くビジネスのお付き合いをしていきたいのかというバロメーターの一つとなります。



海外販売代理店の姿勢で良くない例として、日本本社からの働きかけがないと顧客の営業状況や進捗についてレポートをしてこない事があります。例えば展示会の出展や海外出張の連絡をする際になってまとめて顧客別の現状の営業動向を報告してきて、通常時には何も連絡してこないという事等です。



日本本社の海外事業部は一つの国だけでなく、色々な地域の状況や動向に関しても目を配らなければいけません。こちらから情報発信や進捗確認をしなければ情報が来ないというのは円滑な海外ビジネスを行う事に繋がらず、海外販売代理店の商売意欲が無い事の表れの一つです。



また、これは現地顧客との商談に販売代理店と一緒に同行すると分かる事ですが、海外販売代理店の姿勢でもう一つの良くない例として、代理店が日本本社の代弁者に固執してしまうという事です。



日本人社員が英語で説明した内容に何もフォローを入れずに商談中はただ話を聞いていたり、英語が話せない現地顧客だと日本人社員が英語で話した内容をただ翻訳するのみで伝えてしまい、初歩的な質問でさえ代理店のみで受け答えしようとしなかったりという販売代理店の姿勢は受け身で良くないと判断できるでしょう。




本日は「海外販売代理店の決め方(見極め編)」についてお話しました。次回は販売戦略編をお話したいと思います。




執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナーとしてPRブランディング事業も手掛ける。



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