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執筆者の写真田村陽太

【第236回】『従業員の働き甲斐を高める評価制度と賃金制度の設計方法②』



こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は『従業員の働き甲斐を高める評価制度と賃金制度の設計方法②』についてお話していきたいと思います。



前回は【「評価制度」と「賃金制度」の意義】として、



【評価制度】


(意義)


①従業員の日々の業務の意欲向上

②公平性の担保

③職場の透明性を醸成


【賃金制度】


①信賞必罰制度の醸成

②責任回避型の風土を無くす

③人件費の適正化を促す



があるというお話をしました。今回は【評価制度】の意義②からお話していきたいと思います。



次に②ですが、評価制度を設ける事で、自社で働く従業員の頑張りを「誰にでもわかる客観的な制度」として評価する事で、従業員同士の不平不満を無くし、安心かつ安全な気持ちで働いてもらえるという意味でも重要です。



前回のニュースでもお話をしましたが、頑張りを褒める事は、頑張りを見ている方が頑張ってくれる方を主観的に褒める事なので、一種自己完結型なので、比較的簡単な行いとなります。



ただ、その「褒める事」を会社組織としてしっかりと評価し、賃金として反映する事は、従業員一人一人の頑張りを組織全体のパワーとして還元していくために非常に重要な為ですが、難しい事でもあります。例えば、



・褒めた事は一般的に見て相当程度良い行いなのか

・自社の他の従業員と比べて、その「褒めるに相当する行い」は、評価されるべき行為か

・頑張りを褒めた人は、評価者として最適なのか



等考えておくべきポイントが多く発生する事になります。なぜならば従業員を評価し、賃金として反映するべき自社の資金源には限界があるため公平かつ適正に評価すべきだからです。



評価制度だけ設けていても、その評価を何か従業員本人自身の為になる事に還元しなければ、会社で決められた目標に対して日々従業員が邁進して頑張ろうという気持ちは減退します。



少し脱線しますが、そもそも賃金制度は、その評価の結果を従業員の頑張りとして報いたいという一つの目的で設計すべきだと思っております。賃金制度以外に「表彰制度」というものもありますが、賃金制度は主に会社の業績に貢献した個々のスキルや能力、表彰制度は会社の従業員としてあるべき模範を見せた方に対して報いるものだと思います。



また、どこかのニュースで「賃金制度」と「表彰制度」を設ける事のメリットについてお話ししたいと思います。



話は戻りますが、会社の事業運営上、自社で利用できる資金が限られている為、自社で働く従業員の頑張りを公平に評価する事は、結果的に従業員同士の不平不満を無くし、安心かつ安全な気持ちで働いてもらえるという意味でも重要だと思います。



次に③ですが、透明性が高い職場を作る事で、どんな従業員でも安心して会社で働くことが出来る意味でも重要です。



自社で働く従業員を考えてみて頂きたいのですが、例えば、会社の経営理念やビジョンに理解し、共感してくれてはいても、元から持っている性格やコミュニケーションスタイル、仕事の進め方等、働く人の数ほど千差万別ですよね。



それら従業員ごとに違う働きぶりをしっかりと理解できる上司であれば、どんな従業員であっても適切に評価されますが、それらを理解できない上司にあたり、適切に評価されないとなると、まさに「運ゲー」「ガチャ」という運任せの状態となり、従業員の長期的な就業意欲の醸成に繋げていくのが難しいと個人的には思います。



どの部分で評価されるかを事前に従業員に明示し、それに対して適切な評価が行われる事で、そのような運任せで働く状態を防ぎ、従業員自身も会社の中で安心して働くことが出来ます。



評価制度を適切に設計する等、会社のルールを明確にして、透明性の高い職場作りを行う風土づくりは、その他の組織作りの部分でも透明性を高める職場設計に寄与するかと思います。



例えば、対応不要な業務の抱え込みや、一般にタスクとして評価されない「見えない業務」を「見える化」する等、会社の中の細かい暗黙知の業務までも明確化する事で、透明性の高い職場を作っていく風土を醸成する一歩目となるので、非常に重要だと個人的には思います。



本日は『従業員の働き甲斐を高める評価制度と賃金制度の設計方法②』についてお話させて頂きました。次回も続編をお話ししていきたいと思います。





執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。



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