【第271回】『AIの発達によって人事労務や社労士の未来はどう変わる?①』
- 田村陽太

- 8月8日
- 読了時間: 3分
更新日:8月12日

こんにちは。サンキャリア代表の田村です。
本日は『AIの発達によって人事労務や社労士の未来はどう変わる?①』というテーマでお話ししたいと思います。
近年、AI(人工知能)の発達により、企業内の業務効率化が進み、私たち人間が担うべき役割や行動様式にも変化が現れています。
特に働く現場では、これまでルーティーンワークや定型業務を担っていた従業員が、AIに業務を任せることで、より高度な業務に取り組む必要があるという意識が高まってきたのではないでしょうか。
私たちのような社会保険労務士事務所では、主に中小企業の人事労務に関するサポートを行っていますが、AIの発達により、従来請け負っていた業務内容の見直しや、業務領域の再定義が進み、支援できる分野にも変化が生じています。
今回から数回にわたり、AIの進化が人事労務の業務にどのような変化をもたらすのかを、人事部の役割の変化という観点からお話ししていきます。そして、それに伴い社会保険労務士が今後担っていくべき責任や役割についても考えていきたいと思います。
【AIの発達による人事部業務の効率化について】
まず最初に、AIの発達によって人事労務の仕事がどのような点で効率化されるのかについて整理してみましょう。大きくは以下の3点が挙げられます。
①給与計算や就業規則作成など、複雑な業務の簡素化
②メールや通知文などの文書作成業務の効率化
③従業員の人事労務に関する相談の心理的ハードルの低下
まず①ですが、毎月のルーティーン業務である給与計算や、法改正に応じて更新が必要となる就業規則の作成など、人事労務の中でも特に複雑な業務が、AIの活用によって簡素化されつつあります。
例えば給与計算においては、勤怠情報の自動集計や、従業員ごとの基本給・通勤手当などの手当計算、さらに月ごとの金額変更に応じた社会保険料の調整などが、AIによって精度高く自動処理できるようになってきています。
従来は手入力で行っていた作業が、既存のデータから自動抽出・反映されることで、ミスを防ぎ、正確な給与計算が実現可能になっています。
また就業規則の作成においても、AIの活用により、これまで人力では難しかった細かな対応が可能となってきました。
例えば、法改正に伴い規定に盛り込むべき内容や、従業員との面談結果を踏まえて必要な条項が含まれているかを、法令情報や議事録をもとにAIがチェックできるようになっています。
さらに、就業規則では誤字脱字が許されず、段落の構成や文章の読みやすさも非常に重要です。こうした点も、AIを活用することで誤字脱字のチェックや段落構成の確認などが自動で行えるようになっており、より精度の高い文書作成が可能となっています。
本日は『AIの発達によって人事業務や社労士の未来はどう変わる?①~』についてお話しました。次回も続編をお話しいたします。

執筆者:田村陽太(社会保険労務士)
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
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