【第272回】『AIの発達によって人事労務や社労士の未来はどう変わる?②』
- 田村陽太
- 6 日前
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更新日:7 時間前

こんにちは。サンキャリア代表の田村です。
本日は『AIの発達によって人事労務や社労士の未来はどう変わる?②』というテーマでお話ししたいと思います。
前回は、AIの発達によって人事部業務が効率化されるポイントとして、以下の3点についてお伝えしました。
【AIの発達による人事部業務の効率化】
①給与計算や就業規則作成など、複雑な業務の簡素化
②メールや通知文などの文書作成業務の効率化
③従業員からの人事労務に関する相談の心理的ハードルの低下
今回は、②「メールや通知文などの文書作成業務の効率化」についてお話ししていきます。
定型業務も、非定型業務も、文章作成は人事の大切な仕事
人事部門では、従業員や経営層からの依頼を受けて、従業員宛てに文書や通知文を作成する業務があります。例えば、年末調整の書類提出依頼や、給与に関連する社会保険料の変更通知など、毎月・毎年発生する定型的な通知業務がその一例です。
一方で、定型ではない、いわゆる「非定型」の通知も存在します。組織改編や部署異動、役員変更など、発生のタイミングが読めない連絡事項も多々あります。また、労働組合がある場合には、議事録や決定事項の周知など、組合対応に関する文書作成も必要です。
法改正・制度変更が通知内容を複雑にする
近年は、働き方改革や労働・税制関連の法改正が頻繁に行われており、それに応じて通知文の内容も更新しなければなりません。人事担当者はそのたびに情報収集を行い、文書に反映させる必要があります。
仮に内容が正確であっても、文書に誤字脱字があると、受け取った従業員に「本当に人事部はしっかりしているのか?」と不信感を抱かれる可能性があります。文書の正確性や読みやすさは、組織全体の信頼にも関わる重要な要素です。
AIの活用で、文章作成の負担を軽減
通知文の作成は、一から文案を考え、言い回しを検討し、構成を整えるという、非常に手間と精神的労力を要する作業です。しかし、AIの技術を活用することで、その負担を大きく軽減できます。
例えば、打ち合わせの議事録や音声の内容をAIによりテキスト化し、そこから通知文のたたき台を作成することも可能です。法律や社内ルールに基づいた自動文案生成の精度も向上しており、一定の品質を保った状態で文章化できる点も大きなメリットです。
「人の言葉」から生まれる温かみを大切にしたい
私は、文書にはその人の「人間性」がにじみ出ると考えています。一から作る通知文を、単に事務的に済ませるのではなく、柔らかく、相手にとっても読みやすいものにしたいと常々感じています。
その点でも、打ち合わせなどの“話し言葉”をもとにしたAIのテキスト化は、人間らしい言葉づかいが残りやすく、冷たい印象になりがちな通知文に温かみを加えることができます。
これにより、従業員がその文書を読んだときの印象が良くなり、会社への信頼にもつながるはずです。
本日は『AIの発達によって人事業務や社労士の未来はどう変わる?②~』についてお話しました。次回も続編をお話しいたします。

執筆者:田村陽太(社会保険労務士)
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
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