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【第279回】『時短勤務者への業務配分、社内の人事制度的にどう考える?』

  • 執筆者の写真: 田村陽太
    田村陽太
  • 10月3日
  • 読了時間: 4分
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こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は『時短勤務者への業務配分、社内の人事制度的にどう考える?』というテーマでお話ししたいと思います。




時短勤務制度の広がりと現状




近年、妊娠・出産を経て子育てと仕事を両立するために「短時間勤務制度(時短勤務)」を利用する従業員が増えています。主に短時間勤務制度とは、「1日6時間勤務」とする形の事を言います。



以前は「女性社員が子どもが3歳になるまで利用する」というパターンが一般的でしたが、男性社員の育児休業取得が広がる中、時短勤務を選ぶケースも増加しています。




給与・福利厚生面での悩み



時短勤務社員については、フルタイム勤務者と比べて不利益が生じないようにすることが求められています。



一方で、勤務時間が短くなる分、給与設定や福利厚生をどのように設計するかは企業にとって大きな課題です。



さらに、給与に見合った業務をどう割り振るかに悩む企業も少なくありません。



「6時間勤務では顧客対応や納期厳守が難しい」という理由から、比較的単純な業務やノルマの少ない業務を割り振るケースも見られます。




業務配分の難しさ



しかし、こうした業務配分が続くと、



・従業員本人のモチベーション低下

・会社として生産性に見合わない人件費の増加



といった課題につながります。



最初にすべきことは「業務の洗い出し」



時短勤務社員への業務配分で最も重要なのは、部署全体の業務を洗い出し、工数を把握することです。



勤務時間が「8時間→6時間」となることで、毎日2時間分の業務が不足する計算になります。この差を埋めるためには、



・業務の効率化

・社員の得意・不得意に応じた役割分担

・業務マニュアルの整備による属人化の防止



が欠かせません。




時短勤務社員に適した業務とは?




時短勤務社員には、「残業が前提となる業務」や「緊急性の高い業務」は原則避けるべきです。ただし、業務の難易度を下げすぎてはいけません。



具体的には、



・納期が厳しくないが重要度が高い業務(例:資料作成、マニュアル整備)

・一人で完結でき、他の社員と同レベルの責任を持てる業務



を割り当てるのが望ましいです。




ネガティブなイメージを防ぐために



このような配分ができると、



・時短勤務社員は「自分も貢献できている」という自信を持てる

・フルタイム勤務社員は「不公平感」や「不満」を感じにくい



という双方にとって良い循環が生まれます。



結果として、男女問わず「育児と仕事の両立を目指したい」という従業員が安心して働けるようになり、会社全体の働きやすさ向上につながります。




まとめ




今後、少子高齢化が進み、給与や待遇だけで従業員を惹きつけるのは難しくなります。

その中で、「プライベートとの両立ができる環境」を整えることこそが、企業にとって最大の強みになるでしょう。



本日は『時短勤務者への業務配分、社内の人事制度的にどう考える?』についてお話ししました。



本記事をご覧になり、人事労務管理に関するご相談・ご質問がございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。



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執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。



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