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  • 執筆者の写真田村陽太

【第108回】ウィズコロナでの企業の海外進出は海外駐在員or現地ローカル社員どっちに任せる?(駐在員考察編➀)


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は「ウィズコロナでの企業の海外進出は海外駐在員or現地ローカル社員どっちに任せる?(駐在員考察編➀)」についてお話していきたいと思います。



新型コロナウイルス感染症の蔓延の影響で、海外渡航が制限されたり、またコミュニケーション手法も以前まで主流であったリアル面談からオンライン化が急速に普及したりと、海外ビジネスの在り方が変わってきています。



今まで海外営業や海外駐在員として働いていた日本人社員や、グローバルに事業を行っている日本企業や外資系企業に入社しようと考えていた大学生等の若い方も、「海外出張が行けないなら、海外営業の部署に入っても意味ないかな?」と以前と比較して敬遠される方もよく聞きます。



そんな環境の変化や、人々の価値観・考え方もがらりと変わってきた中で、今後海外ビジネスを行う企業として海外駐在員を配置するべきか、完全にローカル社員に任せていくべきかのお話を今回からしていきたいと思います。それを検証すべく、今回からしばらくは海外駐在員制度についての特集をお話していきたいと思います。



まず、海外駐在員を配置する事のメリットについて下記でお話していきたいと思います。



【海外駐在員を配置するメリット】

➀日本企業のブランドコントロールがしやすい

➁日本本社から海外支店のローカル社員への伝達がしやすい

➂海外現地顧客にとって何でも相談できる日本本社を代表した駐在員がいて安心



というのが挙げられます。



➀については、特にメーカー等の製造業では、自社製品の類似品や会社ロゴの模倣品が出回ったりしないよう、自社の製品の優位性や特異性を意識した日本企業ブランドをコントロールしやすいというメリットがあります。「海外で出回っている製品がうちの会社のパクリだ!」と見つけやすいのは、もちろんローカル社員よりも普段日本製品を見る習慣がある海外駐在員だからなのは理解が容易かと思います。



➁については、日本本社で開発した新製品の販売戦略や、今後の各海外支店での事業戦略を共有するにあたって、海外の事や外国語が分からない日本本社の経営層が直接海外現地で働くローカル社員に伝えるよりは、日頃ローカル社員とコミュニケーションをとっている海外駐在員の方が伝えやすいのは言うまでもありません。直接会った事もない日本本社の方から言われるよりも、普段対面している海外駐在員の方がローカル社員にとっても安心であるという側面もありますね。



➂については、日本企業に在籍するローカル社員が現地海外顧客と営業して販売するよりも、現地ローカル社員をマネジメントする日本人駐在員がいることによって、現地国と日本の距離的・時差的なデメリットを払拭する位の安心感を顧客に与える事が出来ますし、より日本企業の製品の優位性・特異性をしっかり伝える事も出来る事が、顧客にとってさらに安心感に繋がると思います。



現地顧客にとって日本企業は「海外企業」ですから、お金を払ったらしっかりと製品を輸出してくれるのか、製品はしっかりとしたクオリティで作っているのか等の不安はより払拭させやすいかと思います。



では一方で、そのような海外駐在員制度を取り入れている日本企業にとって現状直面している課題をお伝えします。



【日本企業の海外駐在員制度の課題】

④現地ローカル社員達の自主性が育たない

⑤販売・仕入れ等の意思決定スピードが遅い

⑥駐在員自体の福利厚生・給与待遇制度の設定の複雑さ

⑦海外駐在自体が一人につき長くなりがち



が主に挙げられます。④については、日本企業の自社ブランドのコントロールの意識が強い傾向にある事から、日本本社から海外現地法人への一方的な意思伝達に重きが強すぎて、現地ローカル社員から日本本社への意見の吸い上げが出来ず、ローカル社員の仕事の「やらされ感」が日本企業の現地法人で働く社内には漂う事が良くあります。



字数が近づいてきましたので、本日はこの辺で終了です。本日は「コロナ禍において企業の海外進出は海外駐在員配置or現地ローカル社員に任せる?(駐在員考察編➀)」についてお話しました。次回も(駐在員考察編②)をお話したいと思います。





執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナーとしてPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。



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