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  • 執筆者の写真田村陽太

【第114回】グローバル企業を目指す企業の経営理念の作り方


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は「グローバル企業を目指す企業の経営理念の作り方」についてお話していきたいと思います。


私個人的に考えている事として、経営理念とは、


「わが社はなぜこの事業を始めたのか?」

「達成したいことは何なのか?」

「その目標を達成するために従業員にどのような行動を取ってもらいたいか?」



等、自社が経営を前に進めていくためのエンジンとなり、そしてどんな苦境や課題に面した時でも、自社が振り返るべき原点・指針を会社として一つに定めておくためにも非常に重要です。



今回は海外のお客様と取引があったり、海外に日本支店や現地法人を設立して国際的に事業を行っていたりするグローバル企業が経営理念を作るべき際のポイントをお伝えしていきたいと思います。



一般的な経営理念を作る際のポイントは、様々な方がいろいろな媒体でお話しされているので今回は割愛させていただきますが、「グローバル企業」だからこそ経営理念を作る際に心がけておいてほしい点をお伝えしたいと思います。それは内容的に大きく2点あります。それは、



① 外国人顧客や外国人投資家も理解、納得出来る意味が込められた内容

② 外国人社員や海外駐在員等海外と関わる業務に就く方に寄り添った内容


です。



まず①の内容ですが、日本と比較して海外の会社は「なぜ自社が存在するか」のアイデンティティを明確にして事業経営をしているところが多いです。なぜなら自分自身が将来的にどうなりたいか、そのためにはどのように日頃考えているか等、自身の考えをしっかりと持っている外国人が多いからだと考えます。



海外では自分がなりたいキャリアに対して「会社」がつくと言われるように、就職することはあくまで手段です。そのため、会社としての存在意義やどうなっていたいかのビジョンが明確に語られておらず、そして会社の指針・行動として実践されていない会社、そして少なくとも「明確な経営理念が無い」会社は絶対に求職者から選ばれません。



なぜなら自分自身の目標とするキャリアや目標が、その会社で少しでも達成できないなら、そこで就職した時間は無駄になってしまうと考えるからです。



そのような考えが根付いている海外では、外国人顧客や外国人投資家も同じような考えをします。販売先の日本企業、投資先の日本企業と関係を持つことで、どのようなメリットがあるか、どのような社会的な意義をもたらし自分自身に還元されるのか等、「お金目的」よりも「自己実現欲求」の重きが強い印象です。



だからこそ、どの会社でも理念を作れそうな「抽象的な」文章で作成するのではなく、


・なぜ自社が事業をやっているのか?

・何が他の会社と違って自社の強みなのか?

・具体的に何を行動すると、経営理念を作る事でコミットするのか?



等出来るだけ「具体的に」内容を作っていく事が重要です。



次に②の内容ですが、日本企業で働く社員全体の中で、外国籍の社員や海外駐在員として世界を股にかけて働く社員はまだまだ圧倒的少数です。そのために、会社としてそのような少数者の意見を吸い上げ、海外の文化や価値観を知りながら経営方針を定めている会社は非常に少ないです。



この原因の一つとして、海外駐在経験者や外国人社員が日本企業の経営層、つまり上層部の職位に就けていないのが原因かと個人的には考えています。このお話はとても深いですので、いつかの回で今度お話しします。



ですので、経営理念を作る際は、必ず海外駐在員として働く方や外国人社員等、海外の価値観で働いてきた方が違和感を持ったこと、例えば



・日本本社に帰任して駐在経験者が仕事のやり方で不満を感じたこと

・日本企業に入社して外国人社員が戸惑った事



等をヒアリングし、それらの課題を克服できるような行動指針・経営方針が達成できるように経営理念の内容に盛り込むことが非常に重要です。



本日は「グローバル企業を目指す企業の経営理念の作り方」についてお話させていただきました。経営理念というと、イメージ的に「簡潔で」、「企業たる大それたもの」を作らなければいけないと考えがちですが、あくまで経営理念は企業の経営に必要なエンジンにすぎず、最終的には会社の舵を握るハンドルの役割である従業員、経営層が行動するあくまで手段です。



どうやったら従業員の心が動き、行動できるような経営理念を作れるのか、とりわけ外国人の方が自社の経営理念を見て具体的に事業イメージが想起できるような内容を作れるのかどうかがキモとなります。ぜひとも今までにお話させていた事を参考に経営理念を作成いただければ幸いです。



弊所でも海外展開や海外輸出入取引、海外投資の相談等をいつでも受け付けておりますので、弊所にお気軽にお問い合わせください。





執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。ラジオDJ、ナレーター、インタビュアー、番組MC・ナビゲーター等、音声メディアや放送業界でも活動。また、番組プロデューサー、ポッドキャストデザイナーとしてPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。



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