【第282回】『正しい勤怠把握には何が重要か?「信頼」か「システム」か?』
- 田村陽太

- 3 時間前
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こんにちは。サンキャリア代表の田村です。
本日は、「正しい勤怠管理において本当に重要なのは『信頼』なのか?それとも『システム』なのか?」というテーマでお話ししたいと思います。
正しい勤怠管理とは?
勤怠管理とは、従業員が実際に働き始めた時間・仕事を終えた時間が、記録と実態とで乖離していないかを確認し、それを正しく管理することを指します。勤務実態と記録が一致しているかどうかは、労務トラブル防止や公正な給与計算のためにも非常に重要です。
この正確な勤怠管理を実現する上で、クラウド型の勤怠管理システムや給与計算ソフトの導入は有効な手段のひとつです。しかし、私はそれ以上に重要なのが、会社と従業員の間にある「信頼関係」だと考えています。
勤怠管理のカギは「相互の信頼」
ここで言う信頼とは、会社が従業員を信頼することと、従業員が会社を信頼することの双方向の信頼を指します。
【会社から従業員への信頼】
会社は、従業員に対して「この業務をこの時間内にお願いします」という業務指示・指揮命令を出しています。
その指示に従って従業員が真摯に業務を遂行してくれると信じている、というのが信頼の前提です。
例えば、
・指示された業務の範囲内で行動する
・不必要な業務に時間を費やさない
・「今日は残業します」といった進捗報告・業務の可視化を徹底する
こういった行動によって、会社からの信頼は深まります。
【従業員から会社への信頼】
一方で、従業員も「自分の働きを会社が正しく見てくれている」と信じられることが大切です。
例えば、
・勤怠記録が正しく反映され、未払い残業がないこと
・頑張った分が昇給・賞与にきちんと反映されること
・就業規則に違反するような社員には適切に注意がされること
こうした「信賞必罰」の原則が徹底されている会社であれば、従業員も会社を信頼しやすくなります。
信頼があるからこそ、勤怠記録も正確になる
このように相互の信頼が構築されていれば、勤怠打刻のズレや虚偽申告といったトラブルは自然と減少していきます。
もし打刻ミスなどの乖離があったとしても、すぐに「このような理由で記録に誤りがありました」と報告・連絡・相談ができる関係性があれば、会社側も適切な対応が可能です。
つまり、システムはあくまで「ツール」であり、それを活かす土台は「信頼関係」にあるということです。
システムも大事、でも「信頼」はもっと大事
クラウド勤怠システムの導入によって、仕事の開始・終了時間を正確に記録することは可能になります。
しかし、「勤怠記録=実態と一致している」状態を維持するためには、やはり会社と従業員の信頼関係が欠かせません。
・会社からの業務命令に対して従業員が忠実に行動する
・従業員は進捗や予定を報告し、信頼を得る
・会社は正確な評価・給与反映を行い、誠実に対応する
こうした基本の積み重ねが、正しい勤怠管理を実現する一番のポイントだと、私は考えています。
本日は『正しい勤怠把握には何が重要か?「信頼」か「システム」か?』についてお話しました。
人事労務管理や勤怠ルール整備などに関するご相談がございましたら、お気軽にサンキャリアまでご連絡ください。

執筆者:田村陽太(社会保険労務士)
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
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