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【第309回】『副業を許可すると本業の生産性はどう変わるのか?』

  • 執筆者の写真: 田村陽太
    田村陽太
  • 3 時間前
  • 読了時間: 6分


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。



本日は「副業を許可すると本業の生産性はどう変わるのか?」というテーマでお話ししたいと思います。



働き方改革の流れの中で、従業員の副業を認める会社も少しずつ増えてきています。




副業には、働く従業員本人にとって様々なメリットがあります。



例えば、



〇本業以外の経験を積む事でスキルアップに繋がる

〇副業先で得た知見を本業に活かせる

〇本業とは別の居場所ができる

〇第三者目線を持つ事で、本業での仕事を俯瞰して見られる




といった効果が期待できます。



一方で、会社側にもメリットがあります。




例えば、従業員が社外で経験を積む事で、社内だけでは得られない知識や視点を持ち帰ってくれる可能性があります。




また、会社があらゆる成長機会を用意しなくても、従業員が外部で学び、経験を重ねる事で、結果的に人材育成につながる面もあります。




ただし、副業を認める際に経営者や人事担当者が気になるのは、




「本業の生産性に影響が出ないか」



という点だと思います。




私個人としては、副業が本業の生産性に良い影響を与えるか、悪い影響を与えるかは、

会社が副業をどのような意味で認めるのかによって大きく変わると考えています。



今回は、副業を認める際に会社が考えておきたい3つのポイントを整理してみたいと思います。




① 副業の形態を確認する




まず大切なのは、従業員が行う副業の形態をどうするかです。



副業と一言でいっても、



〇他社で雇用されて働く

〇業務委託として仕事を受ける

〇自分で自由業・個人事業のように活動する



など、形態は様々あります。



特に他社で雇用される副業の場合、勤務時間が決まっていたり、シフトに入る必要があったりする為、どうしても時間的な拘束が強くなります。



その結果、翌日や翌週の本業に疲労が残り、本業の集中力や生産性に影響が出る可能性があります。



一方で、業務委託や自由業に近い形であれば、働く時間をある程度自分で調整しやすくなります。



また、時間そのものではなく成果物で評価される場合も多い為、精神的にも調整しやすい面があります。



副業を認める際には、単に副業を許可するのではなく、どのような形態の副業なのかまで許可するかを社内で確認する事が重要です。




② 本業と似た仕事か、全く別の仕事かを考える




次に大切なのは、副業の内容です。



本業と似た仕事だけを認める場合、従業員は本業に近い知識や経験を副業でも積む事ができます。その為、本業のスキルアップにつながる可能性があります。



一方で、似た仕事ばかりになると、本人にとっては「本業の延長の仕事が増えただけ」

と感じてしまう事もあります。



そうなると、かえって疲労感やモチベーション低下に繋がる可能性もあります。



反対に、全くの異業種の副業を認める場合、従業員にとっては良いリフレッシュになる事があります。



普段とは違う人間関係や仕事内容に触れる事で、本業を新しい視点で見られるようになるかもしれません。



ただし、場合によっては副業の方に強い興味を持ち、本業への意欲が下がる事も考えられます。



つまり、副業の内容は、本業への良い刺激にもなれば、心身の負担や今の仕事への迷いの原因にもなり得るという事です。



だからこそ、会社としては、どのような副業を認めるのか、一定の基準を持っておく事が大切です。




③ 副業を許可する時間帯を整理する




三つ目は、副業を行う時間帯です。副業を認める場合、




〇本業の終業後も認めるのか

〇休日のみ認めるのか

〇深夜帯の勤務はどう考えるのか



といった点を整理しておく必要があります。



本業終了後に副業をする事は、本人にとって良い気分転換になる場合もあります。



ただし、勤務時間が長くなりすぎると、睡眠不足や疲労につながり、翌日の遅刻や体調不良、本業での集中力低下に繋がる可能性があります。



休日の副業であっても、本来は体を休める時間です。



副業によって休日がすべて埋まってしまうと、短期的には問題がなくても、長期的には疲労が蓄積する事もあります。



そのため会社としては、副業を認める時間帯や上限について、一定の考え方を持っておく事が重要です。




副業は制度よりも、会社のメッセージと運用が大切



副業を認める際に大切なのは、単に社内の制度を作る事ではありません。



むしろ重要なのは、会社が従業員に対して、なぜ副業を認めるのか

をしっかり伝える事です。



副業は、従業員の自由な働き方を広げるものです。



ただし、本業において先に雇用契約を結んでいる以上、本業で期待されている役割や生産性を副業の許可によって大きく損なわない事が前提になります。



その為、会社としては、



〇副業を認める目的

〇認める副業の範囲

〇本業に支障が出た場合の対応

〇定期的な副業の内容の確認の方法



を整理しておく必要があります。



また、副業を許可した後も、放置してはいけません。



定期的な面談などを通じて、


〇本業に影響が出ていないか

〇体調面に無理はないか

〇副業で得た経験を本業に活かせそうか



を確認していく事が大切です。



副業制度によって生産性が上がるか下がるかは、制度そのものだけで決まるものではありません。



会社がどのようなメッセージを出し、どのように運用し、どのように確認するかによって、大きく変わっていくものだと思います。




まとめ|副業は“認め方”で本業への影響が変わる




副業を解禁すると、本業の生産性はどうなるのか?の質問に答えますと、

この質問に対する私の答えは、副業の認め方次第で変わるというものです。



会社として確認すべきポイントは、



〇副業の形態が雇用なのか、業務委託なのか

〇副業の内容が本業と近いのか、全く別なのか

〇副業を許可する時間帯をどう考えるのか



この3つです。



そして何より大切なのは、副業を認める目的を会社が明確にし、従業員と定期的に対話する事です。



副業は、うまく設計すれば従業員の成長や本業への良い刺激になります。




一方で、設計や確認が不十分であれば、本業の生産性低下や体調不良に繋がる可能性もあります。



サンキャリアとしても、企業と従業員の双方にとって無理の無い副業制度の設計をサポートしていきたいと考えています。



本ニュースをご覧になり、人事労務管理に関するご相談・ご質問等がございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。






執筆者:田村陽太(社会保険労務士)



産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。


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