【第324回】『企業の人事担当者を支える社労士事務所の必要性』
- 田村陽太

- 21 時間前
- 読了時間: 6分

こんにちは。サンキャリア代表の田村です。
会社を経営していく中で、経営者一人だけで事業を広げ続ける事には限界があります。
新しいサービスを提供したり、より多くのお客様に対応したり、会社をより成長させていく為には、従業員を雇用する事が必要になります。
しかし、従業員を雇用すると、会社には人事労務管理の責任が生まれます。
雇用契約を結び、労働時間を管理し、給与を確実に支払い、働きすぎを防ぎ、必要に応じて面談や評価を行う事をしなければなりません。
経営者だけであれば、多少無理をしてでも働けたかもしれません。
しかし、従業員は会社の指揮命令の元で働く立場です。
だからこそ、会社には従業員を守りながら、安心して働ける環境を整える責任があります。
人数が増えれば、経営者が全員を直接見る事も難しくなります。
その為、リーダーや幹部にマネジメントを任せる場面も増えていきます。
その中で、人事労務の判断を社内だけで抱え込む事には、限界があると私は考えています。
今回は、会社が社労士事務所と顧問契約を結ぶメリットについて、3つの視点から整理してみたいと思います。
① 人事労務は「間違えにくい仕組み」が必要な業務である
人事労務の仕事には、法律によって決まっている事が多くあります。
労働時間、休日休暇、残業代、労災、社会保険、育児休業、退職時の対応など、従業員を雇用する以上、会社が守らなければならないルールがあります。
一方で、経営上の判断には「絶対の正解」が無い事も多くあります。
この社員にどのように声をかけるべきか?
従業員の働き方をどう評価すべきか?
トラブルが起きた時に、どこまで厳しく対応すべきか?
人事担当者は、法律上の明確なルールと、会社ごとの判断が必要な問題の両方に向き合わなければなりません。これは非常に大きなプレッシャーとなります。
もし法律に沿っていない対応をしてしまえば、従業員だけでなく、会社全体の責任にも繋がります。
だからこそ、外部にいつでも相談できる専門家がいる事は、会社にとって大きな安心材料になります。
社労士事務所は、会社が人事労務で判断に迷った時の「安全基地」のような存在になれると思っています。
② 人事担当者の精神的な支えになる
人事担当者の仕事は、常に人に向き合う仕事です。
従業員が働きやすいように考える
会社に定着してもらう為に定期的に面談する
トラブルがあれば、双方の話を聞きながら対応する
その一方で、人事担当者自身も社内の一社員です。
同じ会社の社員だからこそ、従業員の主張に対して「それは違う」と言いづらい場面もあります。
厳しい事を伝えた結果、社内で悪い印象を持たれたり、噂になったりする事を不安に感じることもあると思います。
労務相談の対応は、法律知識だけでなく、精神的な負担も大きい仕事です。
そのような時に、外部の社労士に相談できる環境があると、人事担当者は一人で抱え込まずに済みます。
また、従業員へ説明する際にも、
「外部の社労士にも確認した上で、会社としてこのように考えています」
と伝える事で、相手への説明のクッションになります。
社労士は、人事担当者の代わりに全てを決める存在ではありません。
ただ、人事担当者が安心して判断し、必要な説明をする為の支えにはなれると考えています。
③ 世の中に出にくい人事労務の情報を得られる
人事労務の情報は、意外と世の中に出回りにくいものです。
働き方改革、育児休業、賃上げ、賞与、退職金、福利厚生など、ニュースとして取り上げられるテーマは多くあります。
しかし、実際に各企業がどの程度の給与水準で、どのような制度を設け、どこまで対応しているのかというリアルな情報は、なかなか表に出てきません。
特に、従業員50人未満の小さな会社がどの水準を目指せば良いのかは非常に判断が難しいところです。
公的な統計は参考になりますが、自社と同じ規模感や業種にそのまま当てはめられるとは限りません。
社労士事務所や外部のコンサルタントと関わる事で、
「他社ではどのように対応しているのか」
「自社の制度は極端に低すぎないか」
「今の段階でどこまで整えればよいのか」
といった客観的な視点を得やすくなります。
これは、社内だけで考えていては得にくい大きなメリットだと思います。
まとめ 社労士は会社と行政の間を繋ぐ存在でもある
社労士事務所と顧問契約すると、あれこれ口うるさく言われるのではないかと思う経営者や人事担当者もいらっしゃるかもしれません。
しかし、社労士事務所は労働基準監督署やハローワーク、年金事務所等の行政そのものではありません。
あくまで、法律や行政の考え方を踏まえながら、企業が現実的に対応できる方法を一緒に考える外部の専門家、人事労務分野のエキスパートです。
「法律や通達ではこうなっているけれど、今の会社の状況を踏まえると、まずはこのように進めていきましょう。そして、必要であれば、行政に対しても現在の状況を説明しながら、適切な進め方を確認していきましょう。」
このように、会社と行政の間に立ち、企業の社内事情や現状を通訳する事も社労士の重要な役割だと思います。
社労士顧問は、単なる手続き代行だけをする業務ではありません。
人事労務の判断を支え、人事担当者の孤独を減らし、会社が安心して従業員と向き合う為の伴走者としてのお仕事です。
サンキャリアとしても、会社が人を雇用し、安心して事業を成長させていけるように、実務と相談の両面から支援していきたいと考えています。
本ニュースをご覧になり、人事労務管理に関するご相談・ご質問等がございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。

執筆者:田村陽太(社会保険労務士)
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
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