【第334回】『基本給と手当、社員に喜ばれる給与の仕組みとは?』


こんにちは。サンキャリア代表の田村です。
本日は『基本給と手当、社員に喜ばれる給与の仕組みとは?』というテーマでお話ししたいと思います。
会社で従業員を雇用する上で、「今後もこの会社で働き続けたいな」と思ってもらう為には、様々な取り組みが必要です。
自分の興味や能力に合った仕事ができる事
仕事を通じて成長できる事
そして、自分の仕事が会社や社会に貢献していると実感できる事
こうした働きがいは、従業員の定着にとって非常に重要だと思います。
ただ、それだけではありません。
一生懸命働いた成果に対して、会社から適切な給与が支払われている事も欠かせません。
給与は、必ずしもそれ自体が仕事のやりがいを生み出すものではないかもしれません。
しかし、「これだけ頑張っているのに評価されていない」と感じると、会社に対する不満が生まれ、離職のきっかけになる事もあります。
では、社員の満足度を高める為には、基本給を上げる事と、手当を増やす事のどちらが良いのでしょうか。
私は、生活を支える基本給の重要性を前提としながらも、会社の評価や応援する気持ちを伝える上では、手当を増やす方が喜ばれやすい場面も多いと考えています。
今回は、その理由を3つの視点から整理してみたいと思います。
① 基本給は安定する一方、評価を伝える事が難しい
まず、基本給の特徴について考えてみたいと思います。
基本給は、日々の業務内容や役割、能力、勤務成績などを総合的に判断して決定するものです。
その為、会社としては、社員一人一人を適切に評価し、給与に反映させる必要があります。
しかし、実際に公平な評価を行う事は簡単ではありません。
また、会社の業績が良かったからといって、基本給を一気に引き上げる事には慎重にならざるを得ません。
一度引き上げた基本給は、翌年の業績が悪化したからといって、簡単に引き下げられるものではないからです。
その為、会社としては将来の人件費も考慮しながら、少しずつ昇給させていく事が多くなります。
一方、従業員からすると、毎年少しずつ基本給が上がっていても、その変化を大きな喜びとして感じにくい事があります。
場合によっては、毎年昇給する事が当たり前となり、会社から評価されているという実感に繋がりにくくなる事もあります。
もちろん、基本給が安定して上がる事は、将来の生活設計を考える上で非常に重要です。
ただ、日々の頑張りに対して会社が何を評価しているのかを伝えるには、基本給だけでは十分でない場面もあると思います。
② 手当は、社員の生活やキャリアへの応援を伝えやすい
次に、手当のメリットについて考えてみます。
手当には、住宅手当や家族手当、資格手当、役職手当、プロジェクト手当など、様々な種類があります。
こうした手当の良い所は、会社が何に対してお金を支給しているのかが分かりやすい事です。
例えば、従業員が結婚して家族が増えた際に、家族手当の支給が始まったとします。
その時に会社から、
「これから家族を支えながら働いていく事を、会社としても応援しています」
と伝えられれば、単に給与が増えるだけではない意味を持ちます。
住宅手当であれば、新しい生活を始める社員への支援になります。
資格手当であれば、仕事に必要な知識や能力を身につけた事への評価になります。
プロジェクト手当であれば、会社が期待している役割や、その業務への貢献を明確に伝えられます。
このように、社員本人が関心を持っている事や、人生の変化に合わせて給与を支給できる事が、手当の大きな魅力です。
会社が自分の生活やキャリアを気にかけてくれている。
そう感じてもらえる事が、従業員の安心感や満足度に繋がると考えています。
③ 手当は、支給される理由が明確だからこそ価値を感じやすい
3つ目は、手当には支給される条件や期間があるという点です。
基本給は、通常、毎月継続して支給される給与です。
一方で、手当は特定の役割や生活状況、資格、業務への従事など、一定の条件を満たした際に支給される事が多くあります。
例えば、
特定のプロジェクトを担当している期間だけ手当が支給される
資格を取得した事で、新たに資格手当が支給される
このように、支給の理由が明確であるほど、社員は自分の行動や状況と給与の関係を理解しやすくなります。
また、要件を満たす期間に支給される手当は、基本給とは異なる形で、その時々の会社からの支援や評価を実感しやすいと思います。
ただし、手当であっても自由に減額や廃止ができるわけではありません。
支給要件や終了条件を事前に明確にし、賃金規程や雇用契約に沿って適切に運用する必要があります。
さらに、子育て中の社員だけでなく、単身者や子どもがいない社員との公平性も考える事が重要です。
手当を増やせば必ず社員が喜ぶというものではありません。
大切なのは、会社がどのような行動や生活を支援したいのかを整理し、それを社員に分かりやすく伝える事です。
まとめ 給与制度は、会社から社員へのメッセージでもある
基本給と手当のどちらが良いかについて、私は一律の正解はないと考えています。
基本給は、生活の安定や将来への安心感を支える大切なものです。
一方で、手当は、社員のライフステージや仕事への貢献に合わせて、会社の評価や応援する気持ちを伝えやすい仕組みです。
だからこそ、会社としては、
基本給で安定した生活基盤を支える事
手当で具体的な貢献や生活の変化に報いる事
なぜその給与を支給しているのかを社員に説明する事
この3つを大切にしていく必要があります。
給与制度は、単に労働の対価としてお金を支払うためのものではありません。
会社が社員の何を評価し、どのような働き方や人生を応援しているのかを示すメッセージでもあります。
サンキャリアとしても、会社の経営状況に合った給与制度を整えながら、社員が自分の貢献を実感し、安心して働き続けられる組織づくりを支援していきたいと考えています。
本ニュースをご覧になり、人事労務管理に関するご相談・ご質問等がございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。

執筆者:田村陽太(社会保険労務士)
産業機械メーカーの海外営業、社労士法人での勤務経験後、海外駐在員や外国人社員等のグローバルに働く社員が輝ける職場づくりを人事面からサポートしたいという想いで、社労士事務所を開業。海外駐在員や外国人社員の労務管理、外国人留学生・技能実習生の就労支援等、企業の国際労務・海外進出対応に強い。番組プロデュース、ポッドキャストデザイン等のPRブランディング事業も手掛ける。株式会社サンキャリア代表。
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